スティーブ・ジョブズ: ビジネス書のエッセンス(ビジネス書 書評ブログ)

2013年03月20日

【マインドマップ付き】我々が一番得意とするのは、優れたエクスペリエンスを提供することだ!『アップル驚異のエクスペリエンス』(カーマイン・ガロ著)



我々が一番得意とするのは、優れたエクスペリエンスを提供することだ

本記事のタイトルに掲載したこの言葉は「アップルの経営理念」である。そして、その言葉を体現した場所の一つに「アップルストア」がある。

まずは以下の動画を見てもらいたい。



これはコメディアンのマーク・マルコフがアップルストアにてアップルの店員やマネージャーがどこまで我慢強いのかを試そうとしたものだ。マークはアップルストアにピザを届けてもらったり、ダース・ベイダーの格好をしてiPhoneを修理させたり、ヤギを連れて行ったり....普通のお店なら“出入り禁止”になるであろう。でもアップルストアの店員やマネージャーは彼を追い出したりしなかった!それどころか、アップルストアの店員は丁寧に応対している。この動画の最後に「Apple Store Way too Nice」と言ってアップルストアの応対を称賛している。マークにとっても「驚異のエクスペリエンス」であったに違いない。

また、アップルストアでは顧客は自分を自由に表現できる。このため、アップルストアで自分を表現し、YouTubeなどに投稿している人も多い。



このようにアップルストアは顧客にとっては”驚異のエクスペリエンス”が生まれる場所なのだ!

なぜアップルストアでは”驚異のエクスペリエンス”が生まれるのか?
その秘密に迫った本がアップル 驚異のエクスペリエンス ―顧客を大ファンに変える「アップルストア」の法則である。

本書を読むと「アップルはいかに顧客体験に重点を置いてきた企業か?」ということが分かる。以下の文章にはそれが端的に表れている。

 アップルの顧客体験には、おろそかにしていいことなどない。ひとつもないのだ。アップル・エクスペリエンスでは細かなことを大事にするし、アップルは、接客についてあらゆる側面から検討し、学んで磨きをかける。ただし、「紙は細部に宿る」といても、はるかなる目標なしに革新的な顧客体験が実現されることはない。エバンジェリストを惹きつけるビジョン、関係者から創造性と可能性を余すところなく引き出すビジョンがなければダメだ。スティーブ・ジョブズとロン・ジョンソンにはビジョンがあった−「暮らしを豊かにする」というビジョンが。
(本書より P37〜P38)


そのためにどのような方策を行ってきたのかについては本書を参照していただきたい。

ところで、本書を読んで最も興味深かったのが、本書の著者であるカーマイン・ガロが自らアップルストアの顧客体験を楽しみにしながら本書を書いているように思えたことだ。そのことが表れた記述の一つが以下の文章である。

 私の義母、パティ・クックは、クリスマスのプレゼントとしてiPadを義父のケンに贈ろうと考え、私にアドバイスを求めてきた。いい機会なので、私は、アップルストアを訪れてスペシャリストにアドバイスを求めるべきだと提案した。いろいろと観察できそうだと考えたのだ。だから、義母とアップルストアを訪れるまで情報をまったく提供せず、店内でも黙って聞くことにした。店員とのやりとりから義母がなにを感じ、どうするのかを観察したかったからだ。
(本書より P214)


もちろん、上記の文章は著者が本書を書くために行なった行動であろう。だが、本書に登場する従業員と顧客のやり取りの記述を見ると、著者自らもアップルストアでの体験を楽しんでいるように見える。そのため、著者のワクワク感が本書から伝わってくるように感じるのだ。著者のワクワク感が伝わってくる本にお目にかかれる機会もそうめったにない。このような本は読んでいて楽しい。

ワクワクする体験は心地が良い!それはお店であろうと本であろうと同じである。本書は読者をワクワクさせてくれる!そんな本だと思う。


【本書のポイント】


■アップルストアを成功に導いたひとつの問い

 2011年5月19日、アップルストアが10周年を迎えたとき、メディアは、来店者累計10億人、325店舗、売上100億ドルなど、その「成長ストーリー」に焦点をあてた。この数字はすごいし、今後もすごい数字が続くことだろう。典型的な店舗では、四半期売上が60億ドル、1平方フィートあたりの売上は4700ドル、週あたりの来客数は2万2000人となっている。だが、このような数字だけではなにもわからない。ワクワクする体験を生み出し、顧客にブランドを大好きになってもらう−そのような事業にする方法が学べるのは数字の背景にあるストーリーなのだ。
 アップル・エクスペリエンスのストーリーが始まったのは、バージニア州のタイソンズコーナーにアップルストア1号店が開店した2001年ではない。そこからさかのぼること40年、顧客体験を一新したと言われるブランド、フォーシーズンズが生まれたときだ。小売事業への進出を決めたときにスティーブ・ジョブズは、大手小売店、ターゲットの役員だったロン・ジョンソンを引き抜いた。そのジョンソンに「世界最高の顧客サービス体験を提供しているのはどこだと思うか」とたずねたところ、返ってきたのはコンピューターの販売店どころか小売業者でさえもなかった。フォーシーズンズホテルである。ガース・ブルックスがカントリーミュージックを発明したわけではないように、スティーブ・ジョブズがずば抜けた顧客サービスを発明したわけではない。どちらのアーティストも、誰かのすごいアイデアをまねし、磨きをかけてさらなる高みへと持ち上げたのだ。
(本書より P26〜P27)



■フィードバックループを育む

 スティーブ・ジョブズは、これだと見せてあげるまで消費者はなにが欲しいのかわからないと言って、フォーカスグループを使わなかった。これが正しい場合もある。インターネットからタダで音楽をダウンロードできた2003年に、1曲99銭とだと言われて「はいそうですか」とあなたは同意しただろうか。ジョブズは、多くの人が気づかなかったことに気づいていた−シームレスで優れており、しかも合法な顧客体験を提供すれば、音楽ファンは料金を払ってくれる、と。また、2010年1月、携帯電話とノートパソコンに加え、電子機器をもうひとつ持ち歩きたいなどとジョブズに言う人はいただろうか。ジョブズは、電子メールの送受信やインターネットの閲覧が簡単にできて、写真や動画、電子書籍が楽しめるウルトラポータブルな危機を消費者は心の底で望んでいるとわかっていた。結局、そういう機器をつくってくれと頼んだ人はいないのに、iPadは飛ぶように売れた。大きなイノベーションについて、ジョブズは、自分の直感と想像力を頼みとした。だが、これをもってアップルは顧客の声を聞かないと考えるのはまちがいだ。真実は逆だ。アップルは、常に顧客の声に耳を傾ける。それどころか、社内の顧客(従業員)に対しても社外の顧客に対しても、フィードバックを積極的に求める。
(中略)
 フィードバックがなければ、アップル・エクスペリエンスは生まれない。スティーブ・ジョブズも、社内・社外、両方のフィードバックをとても大事にしており、カスタマーセンターの電話を自分で取ることもあったという。顧客がどういう点にいらついているのか、その声を直接聞きたいと思ったのだ。もちろん、顧客が常に正しいと考えていたわけではない。一言、二言で顧客をやり込めることもできたわけだが、ジョブズは、フィードバックを求めることが多かった。顧客の声に耳を傾け、優れたリーダーなら誰でもするように、そのフィードバックを改善につなげたのだ。ジョブズは、フィードバックを贈り物と見ていた。
(本書より P94〜P97)



■サービスの5ステップ

 アップルストアに入ると、すぐに、あたたかく親しげで快活なあいさつを受ける。観客をあたたかく歓迎すること−ここから始まる5ステップで、アップルストアの従業員は、忘れられないリッチな体験を顧客に提供する。この5ステップは頭文字をとってAPPLEと呼ばれていいる。

A(Approach)
−顧客一人ひとりを、あたたかいあいさつで出迎える
P(Probe)
−顧客のニーズを丁寧に聞き出して理解する
P(Present)
−顧客に解決策を提示する
L(Listen)
−課題や懸念などをしっかりと聞いて解決する
E(End)
−あたたかい別れのあいさつと次回の来店をうながす言葉で別れる

 この5つのステップは、アップルストアの従業員全員にたたき込まれている。ほかの業界でも、すばらしい体験を提供する基礎として、同じステップを利用しているブランドがいくつもある。AT&Tのショップのように、スティーブ・ジョブズに意見を求めて5ステップを修正したところもある。若干の修正のみで5ステップをコピーしたブランドもある。「優れた芸術家はまねる。偉大な芸術家は盗む」とスティーブ・ジョブズも言っているように、5ステップのアプローチは実績ある方法なのだ。
(本書より P164〜P165)



■メッセージマップ

 効果的な筋書きの例を挙げていけば、この章くらい簡単に終わってしまうが、読者の皆さんがテクニックを身につけ、できるようにならなければあまり意味がない。というわけで、とっておきのテクニックを披露しよう。チームや顧客と共有できる筋書きがつくれる、パワフルで効果的なコミュニケーションテクニックだ。名前はメッセージマップ。ストーリーを1ページでビジュアルに検討することができる。
 メッセージマップはとても効果的だ。私のクライアントに無線通信で世界展開している企業がいるが、そこは、完成したメッセージマップをラミネート加工し、見込み顧客との面談時に渡しているそうだ。これにはさすがの私も度肝を抜かれた。プレゼンテーションや広告、マーケティング資料などをつくるための社内資料として考えたものだったからだ。だが、そのクライアントは、渡してもいいのだと言う。
「大丈夫ですよ。実際、そのおかげで、何百万ドルという大きな商談がいくつも成立しているのですから」
(本書より P280)

メッセージマップのテンプレート.png


■アップルの魂

 アップルストアは製品を売るところではない。人々の暮らしを豊かにするところであり、その結果、世界一儲かるお店になっただけのことだ。アップルは記憶に残る魔法のような顧客体験を生み出そうと、スペシャリストにクリエイティブ、エキスパート、ジーニアスと呼ばれる従業員一人ひとりが努力するから、誰もがうらやむような顧客スコアとなる。ジョブズは昔、当時のアップルCEO、ジョン・スカリーに対し、「海軍に入るよりは海賊になるほうがいい」と語ったことがある。因習や常識は捨てたほうがいい、と。会社は製品を売るのが常識だ。対して、アップルストアを支えるビジョンは、人々の暮らしを豊かにする、だ。
(中略)
 アップルストアに行くと、なぜかいい気分になれる。その理由は、顧客体験を高めようとする人々がいるからだ。情熱とやる気に満ち、商取引を体験と昇華させるのに必要な各種資源を与えられ、コミュニケーションスキルを教えられた人々がいるからだ。アップルでは、「元気でおもしろく、ブランドへのアイと熱意に満ちている人を高く評価する。その職場環境は刺激に満ちており、生涯役に立つスキルを身につけ、キャリアアップしていくことができる。イノベーションを重視し、変化を歓迎し、従業員や顧客にフィードバックを求める。多様性も追求するし、従業員に対しても顧客に対しても、これ以上はないほどに自分を表現できるチャンスを提供する。アップルは、率直なコミュニケーションと顧客との関わりに日々専心するコミュニティを生み出す。従業員にとっては働いて楽しい場、顧客にとっては学んで楽しい場を生み出す。人々のやる気を引き出せば、不可能などなくなるのだ。
(本書より P364〜P365)



【マインドマップ】

image.png
拡大表示は以下のリンクをクリック!
なお、スマホでは綺麗に表示できないかもしれませんが、ご勘弁を(^^;)
アップル 驚異のエクスペリエンス.html

そして、スマホの方は以下のリンクをクリック!マインドマップの内容を階層構造で表しました。
アップル 驚異のエクスペリエンス.mm.html


【関連書籍】





アップル 驚異のエクスペリエンス ―顧客を大ファンに変える「アップルストア」の法則

1)本書の内容
 
 はじめに 暮らしを豊かにする
 第1部  社内の顧客を奮い立たせる
  第1章 夢は大きく
  第2章 笑顔を雇う
  第3章 勇敢な社員を育てる
  第4章 信頼を醸成する
  第5章 フィードバックループを育む
  第6章 マルチタスク能力を開発する
  第7章 従業員に権限を委譲する

 第2部  社外の顧客をもてなす
  第8章 アップルと同じサービスの5ステップを採用する
  第9章 顧客の体内時計をリセットする
  第10章 メリットを売り込む
  第11章 顧客の内に潜む才能を引き出す
  第12章 感動の瞬間をつくる
  第13章 筋書きとリハーサル
  第14章 一貫した体験を提供する

 第3部  舞台を整える
  第15章 すっきりさせる
  第16章 デザインの細部に気を配る
  第17章 五感に訴える体験をデザインする
 まとめ   アップルの魂

2)本書から学んだこと
 ・フィードバックループを育む!
 ・「メッセージマップ」でキーメッセージをシンプルに伝える!
 ・期待以上の体験を提供する!そのための舞台を整える!



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2012年01月19日

改めて思う!スティーブ・ジョブズ氏のプレゼンの素晴らしさ!『スティーブ・ジョブズに学ぶ英語プレゼン』(上野陽子著)


スティーブ・ジョブズに学ぶ英語プレゼン―聞き手の心をつかむストーリーと50表現
  • 上野陽子
  • 日経BP社
  • 1680円
Amazonで購入


大ヒットとなった『スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン―人々を惹きつける18の法則』、『スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション―人生・仕事・世界を変える7つの法則』に続く第3弾となるのがスティーブ・ジョブズに学ぶ英語プレゼン―聞き手の心をつかむストーリーと50表現です。本書の発刊を心待ちにしておりました。

本書は、プレゼンでよく用いられる英語表現、そしてスティーブ・ジョブズのプレゼンのテクニックがどこで用いられているのかを、英語、そして和訳にて説明した内容となっております。

今回の記事は、【本書のポイント】【感想】【関連書籍】の構成で書いていきたいと思います。
(今回はマインドマップを無しとしました。文字と動画でお楽しみください)


【本書のポイント】

本書のポイントと思われる箇所をまとめました。以下に掲載いたします。


■スティーブ・ジョブズのプレゼンのポイント

本書では、スティーブ・ジョブズのプレゼンのポイントとして、以下の9点を挙げています。

 1.冒頭で注意を引く
 2.経緯を報告
 3.ロードマップを描く

  ・3点ルール
  ・ヘッドラインと骨格
 4.敵役の登場
  ・敵役は何か(従来の問題点)
  ・疑問の提示
 5.ヒーローの登場
 6.デモ
 7.多角的にアピールする

  ・共感できるたとえ話
  ・シンプルかつ効果の高い表現を使う
  ・視覚的に訴える
  ・機転をきかせる
 8.目標の数字の提示
 9.プレゼンを効果的に締めくくる


先に書いたポイントについて、本書では、スティーブ・ジョブズのプレゼンでどのように使われているのかを、
 ・英文および和訳
 ・ポイントとなる英語表現
 ・解説
 ・応用例

という構成で書かれております。


■iPhone発表のプレゼン

本書では「iPhone発表のプレゼン」(Macworld San Francisco 2007 Keynote Addressから)を主に用いて、先に挙げた9つのポイントを50の表現を用いて解説しております。

以下に「iPhone発表のプレゼン」の動画(YouTube)、およびURLを掲載いたします。URLをクリックすると、別ウィンドウで動画をご覧になれます。以下に本書より抜粋した9つのポイントを参照しながら動画をご覧ください。(引用文の先頭に書いてある時間は、記載のフレーズが動画で流れるおおよその時間を書いております)

1.冒頭で注意を引く

Thank you for coming. We're going to make some history together today. So, welcome to Macworld.

 来てくれてありがとう。今日は、一緒に歴史を作ろうと思う。さあ、ようこそ、マックワールドへ。
(本書より)




2.経緯を報告

Well, I'm pleased to report that now, in the U.S.: Macs, selling through all channels, over harf of them are selling to people who have never owned a Mac before.

 さて、ここで報告させてもらおう。アメリカでは、Macはあらゆるルートを通じて、今までMacを持ったことがない人たちに売れているんだ。
(本書より)




3.ロードマップを描く

Well, today, we're introducing three revolutionary products of this class. The first one is widescreen iPod with touch controls. The second is a revolutionary mobile phone. And the third is a breakthrough Internet communications device.

 さて、今日は、これに匹敵するクラスの革新的な製品を紹介しよう。最初に、タッチコントロール式のワイドスクリーンiPod。2つ目い革命的な携帯電話。そして3つ目に画期的なインターネット・コミュニケーション・デバイスだ。
(本書より)




4.敵役の登場

And the problem is that they're not so smart and they're not so easy to use.

 問題は、これらはあんまりスマートでもなければ使いやすくもないことだ。
(本書より)




5.ヒーローの登場

We are calling it iPhone. Today, Apple is going to reinvent the phone, and here it is.

 その名は、iPhone。今日、アップルは電話を再発明する。これがそうだ。
(本書より)




6.デモ

So rather than talk about this some more, let me show it to you.

 じゃあ、これ以上説明するよりも、製品をお見せしよう。
(本書より)




7.多角的にアピールする

It's a pretty unbelievable, and I think when you have a chance to get your hard on it, you'll agree, we have reinvested the phone, OK.

 ありえないすばらしさ。手にとる機会があったら、きっと納得してもらえると思う。私たちが電話を再発明したってことを。
(本書より)




8.目標の数字の提示

What should we price this thing at? Well, for a 4 gigabyte model, we're going to price it at this same $499.

 じゃあ、iPhoneはいくらにしよう。4ギガバイトのモデルを499ドルにすることにした。プレミアムでなんとか、などなく499ドルだ。
(本書より)




9.プレゼンを効果的に締めくくる

Thank you so mach for coming this morning, and we hope you love the iPad as much as we do. Thank you very much.

 今朝は、来てくれてありがとう。みんなが、私たちと同じくらいiPadを好きになってくれればと願うよ。どうもありがとう。
(本書より)




■伝説のスピーチ

本書には、伝説のスピーチと言われる「スタンフォード大学卒業式の祝辞」の英文、そして、和訳の全文が掲載されております。こちらは動画のみです。内容は本書にてご確認ください。


※CCをクリックすると、英語の字幕が表示されます。


【感想】

大ヒットとなった『スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン―人々を惹きつける18の法則』、『スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション―人生・仕事・世界を変える7つの法則』に続く第3弾となる本書の発刊を心待ちにしておりました。

読んで思ったことは、主に2点です。

1点目は「英語表現のみならず、効果的なプレゼンのやり方も学べる本」だということです。

ジョブズ氏のプレゼンは聴衆を魅了します。そのプレゼンのテクニックを明らかにした本が、『スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン―人々を惹きつける18の法則』だとすると、プレゼンのテクニックを、どういう場面で、どのような英語表現を用いて行えば効果的なのかを明らかにした本が本書だと思います。

例えば、ジョブズ氏のプレゼンでは、「3」という数字がよく用いられます。その代表的なものが、本書で「3点ルール」と呼んでいるもの。「iPhoneの紹介」においても、そして「スタンフォード大学卒業式の祝辞」において、このルールは用いられております。

実際に動画を見てみると、「あ!この表現が、こういう説明の時に使われているんだ!」という思いで動画と本書を見ておりました。なかなか楽しく英語表現の勉強ができると思いました。

2点目は「ジョブズ氏のプレゼンの素晴らしさ」です。

これは、本書の後部に掲載されている「iPhone発表のプレゼン」の一部、そして「スタンフォード大学卒業式の祝辞」の全文(英文、そして和訳)が掲載されております。

特に「スタンフォード大学卒業式の祝辞」は、名スピーチとして有名です。最後に述べている「Stay Hungly. Stay Foolish.(ハングリーであれ。愚かであれ)」は、私が大好きな言葉の一つです。

このスピーチでは、以下の3点について述べられております。

 ・Connecting the dots.(点と点をつなぐ)
 ・Love and loss(愛と喪失)
 ・Death(死)


「養子として育ったこと」、「大学の中退」、「アップルの創業、クビ、復帰」、そして「ガんとの闘い」など、自分の境遇を交えながら学生たちに伝えるメッセージは、読む我々にも大きな感動を与えます。

例えば、我々は生きるうえで「どうしてこうなってしまったのだろう?」と思うことは多いと思います。ジョブズ氏も、自分が創業した会社をクビになったとき、どうしようもないやるせない気持ちになったということです。

しかし人生は一見不幸に見える出来事が、その後の人生にとって、プラスに作用することがあります。このスピーチの中で、ジョブズ氏は、自分が一見不幸に見える出来事について、以下のように述べております。

I didn't see it them, but it turned out that getting fired from Apple was the best thing that could have ever happend to me.
(中略)
I'm pretty sure none of this would have happend if I hadn't been fired from Apple.It was awful-tasting medicine, but I guess the patient needed it.


 そのときはまだ気づいていませんでしたが、アップルを解雇されたことは、のちに人生最良の出来事だったとわかりました。
(中略)
 確かに言えるのは、私がアップルをクビにならなければ、NeXTもPixarもなにひとつ生まれることはなかったということです。それはひどく苦い薬でしたが、患者としては我慢する価値のあるものでした。
(本書より)


本書に掲載されている「スタンフォード大学卒業式の祝辞」を全文読み通すことで「生きていることとは何か?」ということを考えさせられてしまいます。そして、それは今を生きている我々へのジョブズ氏からの遺言とも言えるメッセージだと思います。

英語のプレゼンでよく使われる表現、ジョブズ氏のプレゼンのテクニック、そして名スピーチを味わうことができる優れものの一冊です。是非とご堪能あれ!

【関連書籍】


スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン―人々を惹きつける18の法則
  • カーマイン・ガロ
  • 日経BP社
  • 1890円
Amazonで購入
書評


スティーブ・ジョブズに学ぶ英語プレゼン―聞き手の心をつかむストーリーと50表現

1)本書の内容
 スティーブ・ジョブズの英語プレゼンを解剖!
 スティーブ・ジョブズの50表現
 伝説のプレゼン、感動のスピーチで実感!

2)本書から学んだこと
 ・間違えたって気にしない!何を伝えるかが大事!
 ・一見関係のない出来事に見えても、いつかはつながる時がくる?
 ・「伝説のスピーチ」は「生きるとは何か?」を再認識させてくれる!



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2011年10月06日

Stay hungry, Stay foolish.



巨星逝く!そんな表現がふさわしいかもしれません。

ティム・クック氏のアップル社CEOの就任発表時点で、既にジョブズ氏は自分の死期を悟っていたのかもしれません。しかし、私にとって、こんなに早くジョブズ氏との別れの時が来るとは思ってもいなかったため、正直ショックは隠せませんでした!

ジョブズ氏が率いたアップル社は、Mac、iPod、iPhone、iPad といった我々をワクワクさせてくれる製品を世の中に出してくれました。そして、それらの製品発表などのプレゼンでは、「ジョブズ氏は何を語るのだろう?」と常に期待をさせてくれました。

しかし、ジョブズ氏に関して私の中で一番印象に残っているのは、アップルの製品でなければ、これらの製品のプレゼンでもなく、実は、「スタンフォード大学2005年卒業式で行われた伝説のスピーチ」なのです。


・再生中に【CC】から英語と日本語の字幕を選べます!


特に、この記事のタイトルとした
  Stay hungry, Stay foolish.
という言葉は、私にとって“座右の銘”とも言うべき存在になるほどのインパクトのある言葉でした。

私がこの言葉を知ったのは、実は、今年に入ってからです。スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン―人々を惹きつける18の法則を読んだのがキッカケでした。本書の最後に書かれていたこの言葉を読んだとき、ハンマーで殴られるほどの衝撃を受けました。そして、それ以来、何かあったときは、YouTubeで「スタンフォード大学2005年卒業式で行われた伝説のスピーチ」を何度も見ました。


私ばStay hungry, Stay foolish ゙という言葉を「貪欲になって物事に取り組んでみること、そして考えすぎず、分別くさくならず、“バカになってみる”ことが大事である!特に“バカになり、頭をカラッポにする”ことによって大事なことが見えてくる!」という意味でとらえています。

゙Stay hungry, Stay foolish ゙という言葉をジョブズ氏が締めの言葉として語ったとき、゙ジョブズ氏は、゙Stay hungry, Stay foolish.゙という言葉に今までの人生を思い起こしながら魂を吹き込んだような感じがいたしました。

スティーブ・ウォズニアック氏と共同でアップルを創業で味わった仕事に対する興奮!ジョン・スカリー氏との対立から自分が創業した会社から追放された時に味わった屈辱と空虚感!その中で「自分が好きなことはこれなんだ!」と自分の道を発見した喜び!NEXT社とPixar社の立ち上げと、その後のアップル社への復帰! そしてガンとの闘い....

そんな人生を通じて得た境地が゙Stay hungry, Stay foolish.゙という一言に集約されているのではないかと思います。


スティーブ・ジョブズ氏は、もうこの世にはおりませんが、彼が残してくれた多くのメッセージは、我々を感動の渦に包み、そして多くの人の心に今後も残っていくことでしょう!


最後に、スティーブ・ジョブズ氏のご冥福をお祈りいたします。

そして、この記事の最後は、やはりこの言葉で締めたいと思います。

Stay hungry, Stay foolish.


【関連図書】


スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション―人生・仕事・世界を変える7つの法則
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書評



スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン―人々を惹きつける18の法則
  • カーマイン・ガロ
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ジョブズ・ウェイ 世界を変えるリーダーシップ
  • ジェイ・エリオット_::_ウィリアム・L・サイモン_::_JayElliot_::_WilliamL.Simon
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ハングリーであれ、愚かであれ。―スティーブ・ジョブズ最強脳は不合理に働く
  • 竹内一正
  • 朝日新聞出版
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