小室淑恵 (2): ビジネス書のエッセンス(ビジネス書 書評ブログ)

2011年04月25日

ワークライフバランス推進に必要なことを考える!『ワークライフバランス 考え方と導入法』(前編)




「ノー残業デーの実施」や「育児休暇」の導入など、ワークライフバランスを思考する企業が多くなりました。

しかし、「育児休暇など、制度は導入したものの、実際にはあまり活用されていない」「ノー残業デーは実施しているものの形骸化している」といった企業は多いのではないでしょうか?

この本を手に取ったのは
 ・ワークライフバランスという意味をもう一度考えてみる
 ・ワークライフバランスをきちんと運用できるためにはどうすればよいのか?

という思いからです。

【ワケあり社員】が戦力化するすごい仕組み』の時にもご紹介しましたが、著者の小室淑恵さんは(株)ワーク・ライフバランスの代表取締役社長。そして、多くのビジネス書を出している”美人ビジネス書作家”としても有名です。(写真でしか見たことがないのですが、本当に綺麗な方です)

しかし、『改訂版 ワークライフバランス -考え方と導入法-』の内容は
 ・ワークライフバランスとは何か?(考え方)
 ・導入するためには、どのような手順を踏んで行けばいいのか?(導入法)
というものであり、「ワークライフバランスを考えている人事担当者向け」の”実務に対応した本”という印象を持ちました。

それにしても、この本は本当に厚い!
285ページもある本です。

今回は
 ・前編:ワークライフバランスとは何か?
 ・後編:導入するためには、どのような手順を踏んで行けばいいのか?
     また、考慮すべき点は?
という2部構成で記事を書きたいと思います。

【ワークライフバランスとは何か?】
ワークライフバランスと考えて、何を思い浮かべるでしょうか?「仕事と生活のバランスを取ること」と考える方が多いのではないでしょうか?実は、以前の私も、そのように考えておりました。

しかし、いろいろな本を読んでいく中で、考え方も変わってまいりました。

我々、企業人は会社に付加価値を提供し、会社内で成果を上げることを宿命とされています。したがって、単に時間だけ区切っても、成果を上げなければ意味がありません。従って、ワークライフバランスを導入し、実践するためには、”時間内で仕事を終わらせる”ことが前提となります。

ただ、上記の概念は「残業削減」という観点に当てただけです。

本書を読むと、著者はワークライフバランスは以下の3点から捉えています。
1)ファミリー・フレンドリー
仕事と育児・介護が選択できるような取り組みを行う企業

2)男女均等推進
男性・女性という性別にかかわりなく、その能力を発揮するための均等な機会が与えられ、また評価や待遇においても差別をうけない

3)働き方の見直し
上記の実施を表面的なものに終わらせず、成果あるものにするためにも”柔軟な働き方”に対応する
(以上、本書を参考に記述)

上記をまとめると、本書では、
子育て支援の色合いが強い「ファミリー・フレンドリー」に、女性差別撤廃という意味を含む「男女均等推進」を掛け合わせ、さらにそれらの取り組みの実効性を確保する「働き方の見直し」を加えたものが、ワークライフバランスである
(本書より引用)
と定義しております。

私はこの文章を見たとき、「状況に応じた働き方を行うことで成果を上げるための活躍できる場を与え、また、仕事と生活の両面に良い影響を与えるための働き方を行う」ことがワークライフバランスの本質ではないか?と思いました。

単に仕事と生活の区分けをするのではないということです。

そこでカギとなるのが”3)働き方の見直し”という項目。

例えば、「育児休暇を取得する」にせよ、「定時であがろう」とするにせよ、組織の雰囲気が「それを行わせない」空気に包まれることが多いです。

実は、”働き方の見直し”の大きな阻害要因は”組織の風土”ではないかと思うことがあります。

このため、「ワークライフバランスの導入を有効なものとするためには、”組織の風土改革”もあわせて考える」ことがポイントと思います。(組織の風土改革と一言でいっても実際には難しいものなのですが....)

このあたりは、次回の記事で、本書に書かれている”導入手順”とあわせて考えていきたいと思います。

改訂版 ワークライフバランス -考え方と導入法-

1)本の内容
 Part1:ワークライフバランスは21世紀の経営戦略
 Part2:先進企業に見るワークライフバランスへの取り組み
 Part3:ワークライフバランスを導入する8ステップ
 Part4:ワークライフバランスの各種制度とメニュー
 Part5:実務で役立つ基本データ33

2)この本から学んだこと
・ワークライフバランスは
  ”ファミリー・フレンドリー”×”男女均等推進”+”働き方の見直し”
 である
・ワークライフバランスは”仕事と生活の単なる時間の区分け”ではない
・ワークライフバランスの導入には”組織風土改革”もセットで考える必要がある

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タグ:小室淑恵
posted by まなたけ(@manatake_o) at 21:49 | Comment(0) | TrackBack(0) | 小室淑恵 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月21日

【ワケあり社員】が戦力化するすごい仕組み(小室淑恵著)


1)本の内容
・第1章:制約のない社員はもういない
・第2章:あらゆる社員を戦力化する
     推進術
・第3章:推進プロセスから考える
     成功法則

2)この本から学んだこと
・ワーク・ライフバランスを推し進める
 ことは、従業員満足度、および企業の
 利益につながる
・ワーク・ライフバランスを掛け声だけ
 でなく、本当に実現するためには、
 ”適材適所”や”生産性向上”も考え
 ないといけない 

今回は小室淑恵さんの著書『<今や多数派“ワケあり社員”が戦力化するすごい仕組み』を取り上げます。


まずは簡単に小室淑恵さんの略歴から。

小室淑恵さんは(株)ワーク・ライフバランスの代表取締役社長を務めております。
この(株)ワーク・ライフバランスという会社は、
 ・育児休業者、介護休業者、病傷者のスムーズな職場復帰支援
 ・ワークライフバランスの導入支援およびコンサルティング
などを主な事業として展開しております。

ワークライフバランスについては推進状況は業種によって異なるのが現状ではないでしょうか?例えば、比較的推進しやすい業種(メーカーなど)もあれば、掛け声はあれど実質的になにも進んでいない業種(IT業界など)もあります。特にIT業界は、業界独自の慣行や”新3K”と呼ばれる職場の体質もあって「笛は吹けど踊らず」という状況が続いております。

とはいえ、
 ・新人や転職者を採用するコストを捻出するのが厳しくなっている
 ・職場の環境が悪いために人材の流出を招いた場合、簡単に充足できない
というように、現在の雇用を取り巻く環境が厳しくなっている現実を考えた場合、「現在いる人材を活かし、そして、従業員満足度(ES)を高めていく」必要があると思います。

本書は、そんな現実を踏まえ、
 ・ワケがあって休職した社員の復帰をいかにスムーズに行うか?
 ・フルタイム働けない社員をいかに戦力化するか?
 ・従業員満足度(ES)を高めることにより、人材の流出をいかに防ぐか?
という観点からワーク・ライフバランスの考え方と導入のためのアドバイスの構成となっています。

ワークライフバランスの考え方は
「仕事(ワーク)と個人生活(ライフ)の関係を見直し、調和(ハーモニー)をとるようにすれば、社員のモチベーションが上がり、労働生産性が伸びる(本書より)」
というものです。

私が本書を読んで、ワーク・ライフバランス推進が必要と感じた理由は、以下の3点です。


1)個人のスキルアップをより求める時代

「自分のスキルアップのために会社帰りに英会話を習いたい」と思っても、職場が”帰りづらい”、”自分の勉強のための時間が確保できない”雰囲気に包まれていた場合、スキルアップもままなりません。

特に最近は「企業の公用語が英語」となるような従業員にはより一層のスキルアップを求める時代です。そんな中、職場の環境のために個人のスキルアップのための時間が確保できないというのでは矛盾した状況となってしまいます。

これではモチベーションの低下につながってしまいます。この点からもワーク・ライフバランスの推進は必要です。


2)メンタルヘルスへの対応が企業格差を生む

本書のデータで興味深かったのは、「残業制限や深夜残業禁止を設けたところ、罹患率が3割減った(本書より)というものです。無論、「単に掛け声だけではダメ!実行する!」という条件付きですが。。。。

罹患者が多くなると、それだけでコスト増につながります。逆に言うと罹患者を出さないためのコストは利益につながるということです。

もう一つ、本書のデータで興味深かったのは「メンタル不調の深層原因は、自分のスキルが活かせないなど、スキルアンマッチによるものが多い」ということです。これは、「ワーク・ライフバランス導入を考えるうえで、時間制限だけでなく、”適材適所の職場配置”を考慮することも必要」と感じました。


しかしながら、「ワーク・ライフバランスを実現していくためには文化の醸成もさることながら、時間内で仕事を終えるため(生産性向上)のための仕組み作りが必要」と思ったのも事実です。特にIT業界では時間内に終わることは稀であり、一人当たりの生産性を超える仕事量が割り振られることが当たり前です。おそらくホワイトカラーの仕事の大半がそのような状況ではないでしょうか?

「時間内に終える」という意識改革も必要ですが、「時間内に終えるためにはどうすればよいか?」ということを考え、生産性向上のための仕組み作り(テンプレートの活用など)に取り組まないと「単に掛け声だけで終わってしまう」と思います。

「従業員が働きやすい環境を作るためにもワーク・ライフバランスは推し進めるべきだが、本当に実現するためには、時間内に仕事を終えるための工夫も同時に取り組まなければならない。。。」、本書を読んでそんなことを感じました。

とまあ、上部は終始、書評というよりは”自分の意見”を述べたにすぎません。
しかし、ワーク・ライフバランスについて、このようなことを考えることができるということは、逆に言うと「ワーク・ライフバランスについて分かりやすく書かれている」ということです。そのような本だからこそ、自分も考えながら読むことができたのかな?と思います。

「ワーク・ライフバランスについて考えたい!」という方にはお勧めしたい一冊です。

今や多数派“ワケあり社員”が戦力化するすごい仕組み

本書のキーワードをFreeMindでマインドマップにまとめました。
【ワケあり社員】が戦力化するすごい仕組み.png
また、以下のリンクをクリックすると、拡大表示されます。
【ワケあり社員】が戦力化するすごい仕組み.html

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posted by まなたけ(@manatake_o) at 21:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | 小室淑恵 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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