IT/Web (5): ビジネス書のエッセンス(ビジネス書 書評ブログ)

2012年01月17日

【マインドマップ付き】国際的にビジネスを展開するプロデューサーを生むことが最大の課題である!『中村伊知哉の「新世紀ITビジネス進化論」』(中村伊知哉著)


中村伊知哉の 「新世紀ITビジネス進化論」
  • 中村伊知哉
  • ディスカヴァー・トゥエンティワン
  • 1050円
Amazonで購入


進化が激しいITの世界!5年位前は「Web2.0だ!」「Googleが世界を制覇する!」といった言葉が飛び交っていましたが、現在は「ソーシャルメディアだ!」「つながりが大事だ!」という言葉が飛び交っています。そんな進化の激しいITの世界において、今後の動向を考える上で参考になったのが中村伊知哉の 「新世紀ITビジネス進化論」 (ディスカヴァー携書)です。本書は、慶応義塾大学大学院教授であり、内閣官房知的財産戦略本部コンテンツ強化専門調査会会長などを歴任された中村伊知哉さんが、IT分野各方面の著名な方々とのクロストークを交えながら、IT業界の動向について触れられております。その内容は、IT戦略を考える上で重要な示唆を与えてくれる内容となっております。

本書のご紹介に当たって、今回は、【本書のポイント】【感想】【マインドマップ】【関連書籍】の構成で書いていきたいと思います。


【本書のポイント】

今回のポイントと思われる箇所を本書より引用しました。以下に掲載いたします。

■「ユーザー層が厚い」日本の強み!

 ITはユーザー主導の時代に入り、10年が過ぎた。YahooもGoogleもFacebookも、学生が生んだ。私はユーザーが生んだと思っている。
 だとするとユーザー層が厚くておもしろいところが主役になる。日本では、新トレンドは女子高生やオタクが生んでいる。日本には個性的なユーザーや厳しいユーザーがたくさんいる。日本にも大きなチャンスがある。
 家電にしろ車にしろ日本の製品のものづくり力が高いのはユーザーが厳しいからだ。目利き力と審美眼と、とんでもなくおもしろいことをやる若者たちが多いのは日本の強み。それを生かしていけるのではないか。
(本書より)


■日本のコンテンツビジネス拡大策・三つの柱

 コンテンツを拡大するための政策には三つの柱がある。
 第一に、新しいメディアを開発していくということ。規制を緩和して電波をばんばん出して、サイネージでもブロードバンドでも使えるようにしていく。コンテンツやサービスの基礎となるインフラの整備だ。
 第二に、海外市場の開拓。政府には、海賊版の対策の強化やコンテンツ輸出規制の撤廃など政治レベルでの措置を強めることを求めたい。
 そして第三に、より長期的で本質的な対策。人を育てること。
(中略)
 アーティスト、クリエイターを生むことは大切だが、国際的にビジネスを展開するプロデューサーを生むこともより重要な課題だ。
(本書より)


■情報社会で必要な力

 これまでは工業社会を支えるような知識、読み書きそろばんの力がずっと求められてきたが、情報社会になると、情報を活用する力、科学的に理解する力、表現する力が大事になる。コミュニケーション力や創造力だ。考えたり、作ったり、自ら学んだりする力がより求められる。
(本書より)


■「プロデューサー」の育成が急務

デジタルハリウッド大学学長・杉山知之さんは、クロストークの中で、情報社会で必要な人材を、以下のように述べております。

 杉山:プログラマーやデザイナーとかをたくさん排出しても、今度は仕事を作る人が必要になる。仕事を作る人、つまりプロデューサーが求められてくるんですね。ですから、大学より先に作った大学院では「プロデューサー教育」をやりました。
 20世紀のビジネススクールは基本的には財務を教えるところから始まり、20世紀の最後に出てきたITを、ビジネスの効率化という形で教えた。しかし、21世紀はITという基盤、そしてビジネスが分かっていることプラス、クリエイティビティがないと、たぶん先導的なことはできないだろうと思います。
(本書より)


■クールジャパンの課題

 クールジャパンは、ビジネスとして成長すると期待されながら、実は基盤が弱い。
 盤石だと思われていたゲームも追いつかれ、追い抜かれて、ネットゲームなどは完全にアメリカや韓国のほうが強い。音楽も、アジアは10年前にはJポップが人気抜群で、ほぼチャートの上位を独占していたが、ここへきてKポップに逆転されている。
 デジタル化とグローバル化によって産業構造全体が世界的に変わるなか、日本は成功モデルを崩しきれないで困っている面がある。
 最も大きな課題は人材だ。コンテンツをクリエイトする力はあるのだが、それを売っていく力、特に国際ビジネス舞台で売っていく力、プロデュース力が弱い。
(本書より)


【感想】

本書の感想を述べる前に、まずは2012年1月10日〜1月13日にアメリカ・ラスベガスで開催された「CES 2012」の話題より。

本書でも登場するCES。今回の話題の中心は主に「タブレット」「ウルトラブック」「スマートテレビ」でした。私は、この中で「スマートテレビ」に注目しました。なぜなら、「スマートテレビによって、家電のテレビでも放送局の放送を楽しみながら関連情報のネット検索を行ったり、コンピュータと同様にアプリケーションをインストールして楽しむことができる。つまり、「家電とコンピュータの境界線が”あいまい”になる」ことが目の前に迫っていることを示しております。

詳しくは、こちらのレポートをご覧ください。
アップル、グーグル、韓国勢が混戦模様 ついに「スマートテレビ」が盛り上がる!?

なぜ本書の感想の冒頭にCESの話題を出したかというと、本書にもCESの話題が大きく関わっているからです。

本書は
 ・放送と通信の融合
 ・ソーシャルメディア
 ・デジタルサイネージ
 ・電子教科書
 ・クールジャパン
という切り口で書いております。そのような本書は「インターネットの世界で、現在起こっていることを一通り見渡すことができる、ちょうど良い本」です。

現在は、PC・携帯電話・タブレット端末・デジタルサイネージのみならず、「スマートテレビ」に代表される家電も、インターネットいう世界共通プラットフォームにドンドンつながっていっております。世界共通のプラットフォームに収れんされ、情報が世界中を飛び交う中、日本のポップカルチャーが欧米で評価されるように、関心も国境を越えて世界中で関心を持たれています!関心を持たれるのも世界共通!?、このことを思い起こさせたのは、本書を出版しているディスカヴァー・トゥエンティワン社長室blogに書かれていた干場弓子社長の言葉でした。

●関心を持たれるのは、世界共通!?

 リクエストされたコンテンツは、それぞれだけど、複数国での人気は、やはり小池龍之介さん。宮本先生の算数パズルも。立入さんのソーシャルメディア革命とかも。
 シトウレイさんのStyle from Tokyoは、土曜日、恒例のコスプレイヤー(コミック館を目当てに、日本のアニメのコスプレをして、若者たちがブックフェア会場に集まる)たちの間でも、もちろん人気でした!

 全体として言えるのは、もはや、先進国、発展途上国とか、西洋東洋とか関係なく、売れるもの、求められるものは、共通になりつつあるということ。

 実は、これは、8月の北京国際ブックフェアでも感じた。
去年、共同ブースに出したときは、「ビジネスは、アメリカから。日本からは、美容とか育児とか健康とか編み物とか園芸とか教育とか、そういうものがほしい」とよく言われたのに、今年は、マジビジをはじめ、若いひと向けのビジネススキル書、自己啓発的ビジネス書、女性向けビジネス書などを求められた。小池さんも人気だった。日本で今売れている本が欲しいと言われた。

 世界から、急速に、「時差」がなくなっている。
最後の障壁はやっぱり言語か、ドメ(スティック)根性か。遅ればせながらのフランクフルト報告 ●干場「ディスカヴァー社長室blog」より)


世界共通のプラットフォームに収れんされるとなると、戦いは必然的にグローバルになっていく!そうなると、勝負は「世界で勝負できるコンテンツを世界に向けて発信し、ビジネスにつなげることができるかどうか?」になってまいります。

そこで課題になってくるのが「世界に発信ことをプロデュースするための人材の育成」です。本書でも盛んに「国際的にビジネスを展開するプロデューサーを生むこともより重要な課題だ。」(本書より)と述べているように、これは本書全体を通じて言っている課題です。

残念ながら、日本の大学・大学院で情報工学を教育するところはたくさんあっても、「ビジネス+IT+デザイン力」を教育できるところはほとんどありません。私が真っ先に思いつくのは慶応義塾大学大学院、デジタルハリウッド大学院。だが、その先が思い浮かびません(単に私が知らないだけかもしれませんが)。世界に向けて発信するためにはプロデュース力、つまり「世界で仕事を作る人」が必要です。本書でデジタルハリウッド大学学長の杉山知之さんが「日本には天才プログラマーとプロデューサーが必要」(本書より)と述べておりましたが、まっとうな指摘だと思います。

しかし、確かに課題はあるとはいえ、著者は日本の潜在的な力に期待していることが本書を通じて読み取れます。そのようなメッセージを受け取ると、読み手としても嬉しいものです。だが、潜在的に持っている力を顕在化していくためには我々はどうしたらよいのか?本書を通じて、そのことが問われているような気がしてなりません。そしてそれは、日本が沈んでいかないための大きな課題なのだと思います。

変化しているITの世界において、本書を様々な角度で問題意識を持って読むことで、いろいろな手掛かりを与えてくる。本書は、そんな本だと思います。


※2012-01-21追記
【マインドマップ】

image.png
拡大表示は以下のリンクをクリック!
なお、スマホでは綺麗に表示できないかもしれませんが、ご勘弁を(^^;)
中村伊知哉の「新世紀ITビジネス進化論」.html

そして、スマホの方は以下のリンクをクリック!マインドマップの内容を階層構造で表しました。
中村伊知哉の「新世紀ITビジネス進化論」.mm.html

※追記ここまで


【関連書籍】


メディア化する企業はなぜ強いのか? 〜フリー、シェア、ソーシャルで利益をあげる新常識 (生きる技術!叢書)
  • 小林弘人
  • 技術評論社
  • 1554円
Amazonで購入


中村伊知哉の 「新世紀ITビジネス進化論」 (ディスカヴァー携書)

1)本書の内容
 part1 ALL DIGITAL 通信と放送の融合
 part2 SOCIAL MEDIA 誰もが主役に
 part3 SIGNAGE&CLOUD どこでもメディア
 part4 DIGITAL TEXTBOOK&TEACHING 電子教科書
 part5 COOL JAPAN クールジャパン

2)本書から学んだこと
 ・プラットフォームが世界共通となる中、世界に発信する力を持つことが重要!
 ・日本にはコンテンツを生み出す文化を持っている!
 ・とはいえ、それを発信するために「プロデュースできる人材」の育成が急務!



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2011年05月30日

提供者と読者の信頼関係の継続こそが「ウェブサイトのハブ化」のカギ!『インバウンドマーケティング(ブライアン・ハリガン/ダーメッシュ・シャア著)』


インバウンド・マーケティング
  • ブライアン・ハリガン_::_ダーメッシュ・シャア
  • すばる舎
  • 2310円
Amazonで購入



インバウンド・マーケティングを読むきっかけとなったのは日経ビジネス Associe (アソシエ) 2011年 5/17号 [雑誌]に、熊坂仁美さんの推奨図書としてあったことです。
インバウンド・マーケティングの名前は聞いていたのですが、内容もよく知りませんでした。そんな時、日本においてFacebook のビジネス活用分野では第一人者の熊坂さんが推奨する本なので、「どんな本だろう?」と思い、読んでみることにいたしました。

当初予想していたのは「ソーシャルネットワークをマーケティングツールとして活用するためには?」という最近よくあるメッセージの本なのかなということです。

本書を読むと、確かにそのようなメッセージもあるのですが、「思った以上に内容が濃く、本質的なことが書かれているな?」という印象を持ちました。

本書の内容をキーワードで見てみると
・見つけられる
・突き抜ける

に集約されるのかな?と思いました。

どういうことか?ということを、本書での「インバウンド・マーケティング」の定義を見ながら述べたいと思います。

【インバウンド・マーケティングとは?】
インバウンド・マーケティングとは、何百万人という人々が答えを求めて日々行っているサーチエンジン、フェイスブック、ユーチューブ、ツイッターというサイトにおいて消費者からいかに「見つけられるか」に尽きる。
(本書より抜粋)

つまり、「検索エンジンやソーシャルメディアで消費者から゛見つけられる゛ことが大事」と説いているわけです。

しかし、これだけを見ると「SEO対策の重要性を書いているんじゃないの?」と思われるかもしれません。

もちろんSEOの重要性は述べてはおります。
が、「サーチエンジンを゛悪用゛するよりも、゛いかに協力できるか゛を考えることが、SEOにおいて成功をもたらす唯一の道」(本書より抜粋)と本書では述べております。
「検索の上位になるよう検索エンジンを゛だます゛のではなく、ユーザーの評価の結果、゛上位゛になるよう努力する」という事です。

これは、ユーザーの立場になれば分かると思います。

「上位にあったのでクリックしたら、そこはやたらなが〜い広告のページだった」という経験をされた方は多いと思います。このような ページは、検索上位にあっても顧客は二度と訪問しなくなり、長期間でみると、企業にとってマイナスとなります。

インバウンド・マーケティングの最終目的は 「自分のウェブサイトをハブ化させる」 ことです。「ハブ化させる」ということは、 「自分のウェブサイトに繋がってもらい、自分の発したメッセージで語り合ってもらう状態を作ること」 です。

そのために、本書では 「突き抜けた」コンテンツが必要 と述べております。本書では「突き抜けた」を 「ユニークな」 または 「注目に値する」 という意味で表現しております。優良なコンテンツには「突き抜けた」メッセージがあります。優良なコンテンツを提供し続ける中で顧客との信頼関係が生まれ、顧客との間でコミュニケーションが発生します。その結果、 「自分のウェブサイトをハブ化させることに繋がっていく」 と思うのです。

「後半の章は少し内容が薄いかな?」と感じたものの、前半は「ウェブマーケティングとは何ぞや?」という本質が書かれている様に感じました。そして、「ウェブサイトをハブ化させることがいかに重要か?」ということを本書によって気づかされた想いがします。

ザッポスが成功しているのも「ウェブサイトをハブ化させている」からなのでしょうね....

インバウンド・マーケティング

1)本の内容
 Part1 インバウンド・マーケティングとは何か?
 Part2 未来の顧客に見つけられるための具体策
 Part3 訪問客をリアル顧客にする方法
 Part4 よりよい意思決定のために

2)この本から学んだこと
・”インバウンド・マーケティング”とは「いかに見つかれるか」が鍵となる
・見つけられるためには正攻法で行くことが大事!検索エンジンを騙しても長続きはしない!
・価値のある「突き抜けた」コンテンツを提供することによって、見ている方との信頼関係が生まれる!
・提供者とみている方との信頼関係の継続こそが「ウェブサイトをハブ化」のカギとなる!


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2011年03月28日

ウェブ進化論(梅田望夫著)




今回は梅田望夫さんの著書『ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)』を取り上げます。


この『ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)』は今から約5年前に書かれた本ですが、その内容は色あせることなく、今でも多くの参考図書として、他のウェブやインターネット関連の本に影響を与えております。

本書の概要は、
 1)情報技術の”3大潮流”はどのような影響を与えたのか?
 2)Web2.0とは何なのか?
 3)その中で、グーグルはどのような役割を果たしてきたのか?
に大きくまとめることができます。

内容を書くと、今では”当たり前”の状況になっているものも多いと思いますが、当時は大きな変化をもたらす”画期的”なものでした。


簡単にその内容を見てみましょう。


【本書の概要】※本書を参考に記述

1)情報技術の”3大潮流”はどのような影響を与えたのか?
まず、「3大潮流とは何か」を押さえる必要があります。
”3大潮流”とは
 (1)インターネット
 (2)チープ革命(ハードウェア、回線コストなどの大幅下落)
 (3)オープンソース(Linuxに代表される無料のソフトウェア)

を指します。この”3大潮流”によって、ネットの世界は、リアルの世界では実現できない”3大法則”というべき新しいルールに基づき、ネットは発展し始めたとしております。

”3大法則”とは以下の3つを指します。

・第一法則:神の視点からの世界理解
これは「全体を俯瞰する視点で丸ごと分析する」という意味です。例えば、知らない顧客の情報を収集する場合、今であれば検索エンジンを使うことにより全体を俯瞰できる情報を収集できます。これは、「検索エンジンがもたらした効果」といえます。

・第二法則:ネットに作った人間の分身がカネを稼いでくれる新しい経済圏
これはネットショップを思い浮かべると分かりやすいでしょう。ネットショップは人間の代わりにホームページが販売してくれます。対象は極端に言えば、”全世界”です。もちろん、ホームページの更新などのメンテナンスは必要ですが、それでも世界中にリアルショップを出店するコストに比べるとわずかですみます。しかし、大きなインパクトは「それが個人にもたらされた」ということです。これはWeb2.0への移行と大きく関わってきます。

・第三法則:(≒無限大)×(≒ゼロ)=Something、あるいは消えて失われた
       はずの価値の集積

これは、”ロングテール”という言葉に代表されます。契機は2004年。米ワイヤード誌編集長のクリス・アンダーセンが「アマゾンは全売上の半分以上を13万位以降の本から上げている」と発表したことにより、恐竜の尻尾にあたる”ロングテール論”が脚光を浴びるようになりました。13万位以降の本といえば、リアル書店ではほとんど店頭に並ぶことがない本。そのような本でアマゾンは売上の半分以上を上げていると発表したので大騒ぎになったのです。


2)Web2.0とは何なのか?
Web2.0とは2005年あたりから使われた言葉です。本書の言葉を借りると「ネット上の不特定多数の人々(や企業)を、受動的なサービス享受者ではなく能動的な表現者と認めて積極的に巻き込んでいくための技術やサービスや開発姿勢」(本書より)ということです。ネット利用者は、Web1.0時代は、ホームページを参照する、検索するといった”サービスを享受する”立場だったのです。ところが、Web2.0によってネット利用者は、表現する、開発し公開するといった”能動者の立場”として巻き込んでいくようになったのです。ブログやウィキペディア、オープンソースなどがその例でしょう。


3)その中で、グーグルはどのような役割を果たしてきたのか?
グーグルというと「検索エンジン」が代表的なサービスなのですが、ネットの「あちら側」にいろいろなサービスを実現しております。本書では、パソコンなど利用者の近くで実現しているソフトウェアを「こちら側」と、サービス提供者側のサーバーに構築したソフトウェアやサービスを「あちら側」という表現を使っております。「こちら側」で代表的なものは、マイクロソフトのWindowsやOfficeなどですが、グーグルのサービスは「あちら側」で実現しております。

グーグルの主なサービスとして
 ・検索サービス
 ・G-mail
 ・Google Map
 ・Google Street View
 ・Google Earth
 ・Google Adwords
 ・Google Adsense
 ・Google App Engine
など、検索サービスから、地図情報、広告、クラウド開発環境の提供まで幅広く提供されています。グーグルのシステムは著者の言葉を借りれば「ネットの”あちら側”の情報発電所のシステム」です。このようなシステムを提供しているからこそ今までのルールを破壊し誰もが情報を享受し、(わずかかもしれないが)稼げる新しいルールをもたらしたとも言えます。


私は「Web2.0とは言葉は聞いたことがあるものの、その本質は何なのか?」いまいち理解できないでおりました。遅まきながら、本書を読んで、その本質が理解できたような気がします。そして、グーグルの凄さも。

この本は約5年前に出版されたものでありますが、今、世の中を席巻する”ソーシャル・ネットワーク”についても触れております。当時はFacebookはまだ一般には開放されていないため、mixiやGREEが中心となっておりますが、その本質を「巨大な人間関係マップを構築している」と言い当てております。この点なども、本書が「Web新時代の指南書」と言われる所以なのでしょう。


ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)

1)本の内容
 序章:ウェブ革命
 第一章:「革命」であることの真の意味
 第ニ章:グーグルー知の世界を再編成する
 第三章:ロングテールとWeb2.0
 第四章:ブログと総表現社会
 第五章:オープンソース現象とマス・コラボレーション
 第六章:ウェブ進化は世代交代によって
 終章:脱エスタブリッシュメントへの旅立ち


2)この本から学んだこと
・”3大潮流”がネットの”3大神話”をもたらした
・Web2.0への変化はネット利用者がサービスの享受者のみならず、
 提供側に回ることができる点である
・グーグルのすごいところは”情報発電所”を「あちら側」に構築したところである
 それが、将来は「マイクロソフトとの世代交代」をもたらすかもしれない



本書のキーワードをFreeMindでマインドマップにまとめました。
ウェブ進化論.png
また、以下のリンクをクリックすると、拡大表示されます。
ウェブ進化論.html


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