IT/Web (4): ビジネス書のエッセンス(ビジネス書 書評ブログ)

2012年02月03日

米フェイスブック「5つの経営理念」、ザッカーバーグ氏が発表



既にニュースで報道されている通り、2月1日、フェイスブックが新規株式公開(IPO)を米証券取引委員会(SEC)に申請しました。フェイスブックの時価総額は7兆7千億円と言われております。庶民の私にとっては想像もできない金額です。

そのフェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEOが投資家向けに「5つの経営理念」を発表いたしましたので、紹介いたします。


■5つの経営理念

- 影響力が重要(FOCUS ON IMPACT)
- 素早く動く(MOVE FAST)
- 大胆であれ(BE BOLD)
- オープンであれ(BE OPEN)
- 社会的価値を築く(BUILD SOCIAL VALUE)

米フェイスブック「5つの経営理念」、ザッカーバーグ氏が発表(AFP BBNewsより)


ザッカーバーグCEOは、改めて同社の姿勢を示したといえます。
「素早く!」「大胆に!」ということで思い起こすことは、「昨年のクーポンサービス開始後、すぐに取りやめたこと」です。

あのとき、私もローソンでフェイスブックのクーポンサービスを使ったのですが、正直言って、あまりいいとは思いませんでした。そのような声が大きかったのかは知りませんが、その後、フェイスブックはすぐにクーポンサービスを止めました。そのような行動にも「素早く!」「大胆に!」という経営理念が表れていると思います。

そして最も重要なのが「社会的価値を築く」という理念!
フェイスブックは今やプラットフォームとして認知されております。そして、そのための新しいサービスもどんどん出てきております。

私にとっても、フェイスブックは今や日常生活の上で欠かせない存在となっております。

今回の上場申請で上場が認められ、上場して資金調達を行い、それが私たちをワクワクさせる新たな便利なサービスの開発・リリースにつながることを期待しております。

※2012-02-03 23:45追記

今回のIPO申請にあたり、マーク・ザッカーバーグがIPO申請書類に添付した手紙の全文が、以下のサイトに書かれておりました。感動的な内容なので、是非ともご覧ください。

Facebook、IPO申請書類に添付されたザッカーバーグの手紙全文
http://techse7en.com/archives/3824847.html

※追記ここまで

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2012年02月02日

【マインドマップ付き】「ソーシャルキャピタル」の構築が、今後ますます重要になる!『情報の呼吸法』(津田大介著)


情報の呼吸法 (アイデアインク)
  • 津田大介
  • 朝日出版社
  • 987円
Amazonで購入


話題の本情報の呼吸法 (アイデアインク)を読みました。

読むキッカケとなったのは、同書がツイッターで話題となっていた(津田さんの本だから当然か?)ことと、とある書店のビジネス書ご担当者さんからご推奨いただいた本なので読んでみました。

ツイッターでは本の内容もそうですが、グルーヴィジョンが担当した装丁も「いままでにない感覚」と評判になっておりました。実際の本を見たときには驚きました。

本書のご紹介に当たって、今回は、【本書のポイント】【感想】【マインドマップ】【関連書籍】の構成で書いていきたいと思います。


【本書のポイント】

今回のポイントをまとめました。以下に掲載いたします。


■ソーシャルメディアが変えたもの

 ソーシャルメディアの隆盛が変えたのは、情報の「流れ」です。インターネットが登場するまで、多くの情報は、伝統的なマスメディアが独占的に発信し、われわれ一般市民はそれを受け取るだけという一方的な関係になっておりました。
 それが個人が世界中に向けて安いコストで情報を発信できるインターネットの登場によって、マスメディアによる情報の独占が崩れます。情報流通を劇的に加速させたソーシャルメディアの登場で、情報の「送り手」と「受けて」関係性が変わったのです。それまで送り手と受け手の間にあった「境界」が崩れたと言い換えてもいいかもしれません。
(本書より)


■「情報選び」は「人選び」

 昔は「情報選び」は「媒体選び」でした。朝日新聞を取るのか読売新聞を取るのか。どの雑誌を回、どのチャンネルを見るのか。しかしソーシャルメディアの時代になって、それは「人選び」に大きく変わりました。人をどう選ぶのかによって入手できる情報に大きな違いが出るようになりました。
(本書より)


■ソーシャルキャピタルが重要

 いま、日本でもっとも共有されるべき情報というのは、宮治真司さんが指摘したように「実はソーシャルキャピタルこそが世の中を生きていく上でとても重要だ」(国際交流基金主催シンポジウム「3・11後の若者の行動から社会・文化を考える」2011年5月26日)ということになるでしょうか。
 親兄弟、友達、地球という結びつきはもちろん大事だけれども、ソーシャルキャピタルが似通っている人ではない、自分ともまったく違うバックグラウンドを持った人のほうが実は問題解決になる。人も土地も知らないけれども、そこでつながっているということが人生で何か困ったときの処方箋になる。そんな時代が来ているのだと思います。
(本書より)


■ソーシャルキャピタルの棚卸し

 これから求められるのは、情報と情報を結びつける、この人とあのひとを結びつける、もしくは、こういう情報が眠っているから、あの人に話をつけると早くなるだろうなという有機的なつながりを見つけていく方法論だと思います。特に震災以降の今の状況では、そうしたことが本当に求められると思います。
(中略)
 そのためには、溜めこんだ情報を使ってソーシャルキャピタルを棚卸しする必要がある。何か物事を催す、行動を起こすというときにこそ、ソーシャルキャピタルを棚卸ししていろいろな人にお願いをすることが必要になる。一人でできることにはどうしても限界があるので、そのときにいわば情報プラス人脈(という言葉はあまり好きではないのですが)、友人関係の中から目的や意思を共有できる人を探して「一緒にやろう!」とアクションを起こせば、打開することができるでしょう。
(本書より)


■人はすべて他人にとってのソーシャルキャピタル

 そのような環境下で求められるのは「自分自身も他人の資本である」という意識を持つことです。平たく言えばギブ・アンド・テイク−言葉を言い換えれば自分は資本を使う主体のみならず、他人の資本として使われる客体である意識を持てということです。自分が他人の資本として使える価値が大きくなればなるほど、自分に対してアクセスしてくる人間が増えます。結果、それは自分に多くのソーシャルキャピタルが回ってくることを意味します。
(本書より)


【感想】

本書の内容の感想の前に、まず、本の感想を書きたいと思います。

まず、本を手にとって驚いたのが「装丁」です。私が立ち寄った書店では、アイデアインク・シリーズの2冊『情報の呼吸法 (アイデアインク)』と『ソーシャルデザイン (アイデアインク)』が並べられて置かれておりました。薄い水色と薄い黄緑の本のコントラストは、なんとも美しいものがあります。

今回読んだ情報の呼吸法 (アイデアインク)は、本編も薄い水色の紙に文章が書かれておりますが、見づらいということもなく、心地よい感覚で読めたので、「これはなかなか面白い装丁の本だな!」と思いました。

まだリアル書店では、渋谷や新宿など、限られた地域でしか出回っておりませんが、ツイッターなどの評判やアマゾンのランキングなどを見ると、今後の展開が楽しみなシリーズです。

2012年3月以降、続編が登場する後続の本にも期待したいと思います。


さて、本書の感想に入ります。

本書は、著者である津田大介さんの「素直な気持ちを言葉に表した本だな!」と思いました。

津田さんと言えば「tsudaる」という言葉が一世を風靡したように「ツイッターの伝道師」というイメージが強いです。
『情報の呼吸法』というタイトルが付いていたので、「ツイッターを使っての情報収集や発信について書かれた本かな?」と思いましたが、その期待は良い意味で裏切られました。

本書の内容を大きく分けると「津田さんが今までどのように考え、行動してきたのか?(音楽との関わり、ジャーナリスト生活、ツイッターとの出会い、震災後の思い、なぜメルマガでの発信など)」、「これからの情報社会を生き抜くために必要なことは何なのか(ソーシャルキャピタルの構築・棚卸・マネタイズなど))に大別できると思います。

しかしながら、そこで述べられている言葉はいたって自然。いわゆるビジネス書にありがちな「固い論調」というものではなく、平易な言葉で、津田さんの思いを自然に読者に語りかけるような感覚で書かれているため、本を通じて津田さんの思いを共有しやすいのではないかと感じます。

本書を読む中で注目したのは「人への着目」そして「ソーシャルキャピタル」という言葉でした。

「人に着目する」について、まずは私がツイッターやfacebookなどでどのように情報に接するのかを振り返ってみたので、まずはそれについて述べたいと思います。

私がツイッターやfacebookで情報に接するとき、大きくは以下の2つで行います。

 1)タイムラインを眺めて、ピンと来た情報を拾い集める
 2)特定の人の発言に注目し、ピンと来た情報を拾い集める


そして、上記2つのやり方は、多くの方がツイッターやSNSなどで情報を参照したいときに行っているのではないでしょうか。

ここで注目したいのは「2)特定の人の発言に注目し、ピンと来た情報を拾い集める」というやり方です。

「特定の人の発言に注目する」時、たとえ著名人でなくとも、常時「いい情報を発信しているな!」と思うと、自然に注目してしまいます。そして、これらの行動は、情報過多の現代において、「必然的な流れ」になってきております。いわゆる「インフルエンサー」と呼ばれる方は、良質な情報を発信し続けることで信頼を集め、「ソーシャルキャピタル」を構築してきたと思います。

私は本書を通じて「“ソーシャルキャピタル”という言葉は『7つの習慣』で言っている「信頼残高」と同義ではないか?」と思いました。

7つの習慣』では「信頼残高」について以下のように述べております。

 銀行口座がどういうものであるかは、誰もが知っているだろう。口座にお金を預け入れることで貯えができ、必要に応じてそこから引き出すことができる。それと同じように、信頼口座つまり信頼残高とは、ある関係において築かれた信頼のレベルを表す比喩表現であり、言い換えれば、その人に接する安心感ともいえるだろう。
(スティーブン・R・コヴィー著『7つの習慣』より)


本書を読んで、「ソーシャルキャピタル」を構築する上で重要なことは「エンゲージメント」ではないかと思います。それは先日読んだ、佐々木俊尚さんの著書『キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる (ちくま新書)』と相通ずるものがあります。

 エンゲージメントという関係の中では、「企業か個人か」といった「だれが主体なのか」という枠組みは融解していきます。言い換えれば、企業も個人もひとつの独立したキャラクターとして人格を持って語らなければ、エンゲージメントをだれかと生み出すことができない。自分自身の言葉で語っている存在だけが、お互いにエンゲージメントによってつながることができるのです。
(中略)
 企業か個人か、という問題ではないのです。そこに人間らしさがあるか、自分の言葉で語っているかということが、エンゲージメントを形成してお互いにリスペクトを感じるためには絶対に必要だということなのです。
(佐々木俊尚著『キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる (ちくま新書)』より)


「情報は、我々にとって空気のごとく不可欠な存在となった」と思っております。しかし、現代は「情報過多の時代」です。そのような中、「我々は、どのように情報と接していけばよいのか?」ということが課題となってまいります。『情報の呼吸法』というタイトルには、「情報とどのように接したらよいのか?改めて考えてみよう」という意味も込められて付けられたような気がしております。

「ソーシャルキャピタルの構築の重要性」をはじめ、本書は情報過多の現代を呼吸していくための大きなヒントを与えてくれる本です。


※2012-02-04追記
【マインドマップ】

image.png
拡大表示は以下のリンクをクリック!
なお、スマホでは綺麗に表示できないかもしれませんが、ご勘弁を(^^;)
情報の呼吸法.html

そして、スマホの方は以下のリンクをクリック!マインドマップの内容を階層構造で表しました。
情報の呼吸法.mm.html

※追記ここまで


【関連書籍】


7つの習慣―成功には原則があった!
  • スティーブン・R.コヴィー_::_ジェームススキナー
  • キングベアー出版
  • 2039円
Amazonで購入


キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる (ちくま新書) [新書] / 佐々木 俊尚 (著); 筑摩書房 (刊)
情報の呼吸法 (アイデアインク)

1)本書の内容
 第1章 情報は行動を引き起こすためにある
 第2章 情報は「人」をチャンネルにして取り込む
 第3章 情報は発信しなければ、得るものはない
 第4章 ソーシャルキャピタルの時代がやってくる

2)本書から学んだこと
 ・「ソーシャルキャピタル」を構築することが重要!
 ・「ソーシャルキャピタル」を構築するには、「エンゲージメント」の構築が重要!
 ・「エンゲージメント」のはじめの一歩は「ギブ」すること!



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2012年01月28日

【マインドマップ付き】「情報のつなぎ手になる」意識を持って、興味を引いた情報を興味を持つ人たちに届けることが重要である!『キュレーションの時代』(佐々木俊尚著)

キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる (ちくま新書) [新書] / 佐々木 俊尚 (著); 筑摩書房 (刊)
プレジデント社より『キュレーション 収集し、選別し、編集し、共有する技術』が出版され、再び「キュレーション」という言葉が脚光を浴びております。しかし、キュレーションという言葉が脚光を浴びるきっかけを作ったのは、今回ご紹介するキュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる (ちくま新書)だと思っています。

私は「キュレーション」という言葉に興味を持ってはおりましたが、それに関する本を読んではおりませんでした。「キュレーション」という言葉が再び脚光を浴びる今、そのキッカケとなった『キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる (ちくま新書)』を手にとって読んでみました。

本書のご紹介に当たって、今回は、【本書のポイント】【感想】【マインドマップ】【関連書籍】の構成で書いていきたいと思います。
※マインドマップは後日追記します。


【本書のポイント】

今回のポイントをまとめました。以下に掲載いたします。


■「つくる人」と「見いだす人」

 つくる人と、それを見いだす人
 その二人の関係。
 つくる人がいなければ、もちろんだれかに見いだされることもない。でも見いだされなければ、つくるものは決してだれにも知られない。私たちが「何かを見る」「何かを楽しむ 」というとき、つねにそこには「つくる」と「見いだす」という二つの行為が介在している。
(中略)
 
これはどんな世界でも同じ。そしてインターネットが普及して、「プロじゃない人」の表現や発信はますます増えていて、そういう人たちのつくったものが認められるというようなことが世界中で起きている。
そういう世界では、良い芸術作品や良い文章や良い楽曲を生みだすためには、「つくる人」がいるだけでは難しい。
ヨアキムをホップグッドが見いだしたように、それらのすばらしい作品を「見いだす人」が必要なのです。
(本書より)


■「ビオトープ」の拡散

本書では情報を共有する領域をビオトープと呼んでおります。

 かつて、ビオトープは 新聞・テレビ・雑誌・ラジオなどの限られた媒体しかありませんでした。情報の発信者も受信者も限られた媒体を通じて情報を受け渡しすればよかったのです。
 ところが、インターネットの出現によって、ビオトープは拡散してしまいました。ウェブ・検索エンジン・メールマガジン・掲示板・ブログ・SNS・ツイッター、そして「つながり」によって生まれたコミュニティなど、無数のビオトープが生まれるようになったのです。


■他者の視座にチェックイン

では、無数に漂うビオトープから、我々はどのようにして、欲しい情報をすくいあげるのか?本書では、「他者の視座にチェックインという行為がインターネットで行われている」と述べております。

 視座は、人によって大きく違います。とくにユニークな世界観を持つ人や、教養のある人、あるいは特定分野についてきわめて詳しい専門かの視座を得ることができれば、きっと楽しいに違いない。
(中略)
 信頼できるブログサイトのエントリーを読む。
 クチコミサイトの信頼できるレビュアーのクチコミを信じる。
 料理サイトのクックパッドで、いつも美味しい料理を作っている人の料理レシピを今日もつくる。
 よい情報をたくさん紹介しているツイッターユーザーをフォローする。
 キーワードやジャンルや場所のような無機物を視点にする限り、新鮮な情報はなかなか入ってこない。でも、他者の視座にチェックインして、その人たちの視座で世界をみていくと、鮮やかな新情報が次々と流れ込んでくる。
 他者の視座へのチェックイン。
 それによって私たちは、世界が驚きに満ちていることに気づかされるのです。

(本書より)


■キュレーターとは?

 この「視座」を提供する人は今、英語圏のウェブの世界では「キュレーター」と呼ばれるようになっています。
 そしてキュレーターが行う「視座の提供」がキュレーション。

 本書のタイトルであるこの言葉を、ついに紹介する時がやってきました。
 キュレーターというのは、日本では博物館や美術館の「学芸員」の意味で使われています。
世界中にあるさまざまな芸術作品の情報を収集し、それらを借りてくるなどして集め、それらに一貫した何らかの意味を与えて、企画展としてなり立たせる仕事。
 「美術館やギャラリー、あるいは街中の倉庫など、場所を問わず、展覧会などの企画を立てて実現させる人の総称がキュレーターです。形式も展覧会に限らず、パフォーマンスなどのイベントや出版物という形を取ることもあります。『作品を選び、それらを何かの方法で他者に見せる場を生み出す行為』を通じて、アートをめぐるあらたな意味や解釈、『物語』を作り出す語り手でもあると言えるでしょう」(「美術手帖」2007年12月号)
 これは情報のノイズの海からあるコンテキストに沿って情報を拾い上げ、クチコミのようにしてソーシャルメディア上で流通させるような行いと、非常に通底している。だからキュレーターということばは美術展の枠からはみ出て、いまや情報を司る存在という意味にも使われるようになってきているのです。
(本書より)


■キュレーションの時代

 あるアメリカ人のブロガーは「コンテンツが王だった時代は終わった。いまやキュレーションが王だ」と書きました。
 一次情報を発信することよりも、その情報が持つ意味、その情報が持つ可能性、その情報が持つ「あなたにだけにとっての価値」、そういうコンテキストを付与できる存在の方が重要性を増してきているということなのです。情報爆発が進み、膨大な情報が私たちのまわりをアンビエントに取り囲むようになってきている中で、情報そのものと同じぐらいに、そこから情報をフィルタリングするキュレーションの価値が高まってきている。
 キュレーション・ジャーナリズムという言葉も生まれてきています。一次情報を取材して書くという行為の価値はインターネット時代に入ってもなくなるわけではありません。しかしそうした一次取材を行うジャーナリストと同じぐらいに、すでにある膨大な情報を仕分けして、それらの情報が持つ意味を読者に分かりやすく提示できるジャーナリストの価値が高まってきているということなのです。
 これは「情報」というものの価値を180度転回させる、画期的なパラダイムの転換なのです。
 キュレーションの時代が、私たちの前に開かれようとしているのです。

(本書より)


【感想】

ITやインターネットに関連した記事や著書の多くが「論理的に訴える」ような“直球”型の文章に対して、佐々木さんの文章は音楽や美術を引き合いに出しながら「感覚的に訴える」ような“変化球”型の文章が特徴です。『電子書籍の衝撃』でも思ったことでした。音楽や美術で回り道をしながら、最後のところでテーマとなる言葉の意味を説明するスタイルは、読む人にとっては「もどかしさ」を感じるかもしれません。しかし、最後で「こういう意味なんだ!」と分かり、全てが繋がった瞬間は気持ちよさを感じます。

本書を読み、「キュレーターは情報過多の現代において、必要不可欠な存在になってきている」と思いました。

情報過多の要因は、検索エンジン、ブログ、SNS、ツイッターなど、インターネット上で、様々なプラットフォームができたこと。そして、それに伴い誰もがいろいろな情報を発信できるようになってきたことです。そうなってくると、検索エンジンを使って検索しても、自分にとって必要でない情報も上位に検索されてしまうことがある。そのため、自分が必要としている情報をたくさん発信してくれる人をフォローし、その人が発信する情報を参照することで、新たな気付きを得る情報も入ってくる。「キュレーター」の重要性が増してきている理由も、こういったことからだと思います。これは、本書を読んで認識をしました。

キュレーションの活動は誰にでも行うことができます。しかし、キュレーションの活動を行う際に重要だと思うことが一つあります。それは、「これは面白い!と思ったことを、情報のつなぎ役として意識し、発信する」ことです。そのことを示す文章が情報の呼吸法 (アイデアインク)に書かれております。

 入手した情報を自分で打ち返すだけでなく、打ち返してくれそうな人に投げるというのも一つの手です。情報に対する反射神経をやみくもに鍛えても意味はありません。重要なのは情報と人との「組み合わせ」を考えるということです。こういう情報はあの人に届けると面白くなるのでは、という「自分が情報のつなぎ役になるのだ」という意識があればいいと思うのです。
(津田大介著『情報の呼吸法 (アイデアインク)』より)

情報の呼吸法 (アイデアインク)』は「キュレーション」をテーマに書かれた本ではないのですが、この言葉や、本書に書かれている内容をみるとキュレーションと通じるものがあります。

そして、キュレーションの活動を行なうことで人とのつながりが生じ、そしていくつものコミュニティが生じる。そしてコミュニティ同士がつながっていく。「大統合のスタート地点に、私たちはいま立とうとしている」(本書より)と述べられておりますが、まさにその時にいると思います。

ちょっと話は変わって、キュレーションに関連して私がブログを書いて思うことについて述べたいと思います。

私の場合、「この本がどのような内容の本なのか?それを分かるように伝えていきたい」と思い、記事を書くように意識をしています。

「この本は、自分が求めている本かどうか、お金を払っても買いたい本かどうか、内容を知りたい」というニーズは当然あります。書評ブロガーは「著者・出版社と読者のつなぎ手」という役割を担います。しかし、1冊の本には、普通、10万字が書かれております。それを全てブログで紹介するのは当然無理!それゆえ、自分なりのポイントをまとめ、そして、本からキーワードを自分なりに拾い集め、マインドマップという形で1冊の本の輪郭が見える形で紹介してまいりました。

ブログを始めたころは、「本を読んだ感想をアウトプットしていこう」くらいにしか思わず、そのようなことなど思わなかったのですが、発信していくうちに考えが変わってまいりました。「ブログで本を紹介するには、自分が求めている本かどうかが分かるような情報を発信しなければならないのではないか?」と思うようになり、変遷を経て、今の形態で発信するようになった訳です。「自分の視座を他の方に与える」という意味では、私のブログもキュレーションの活動の一種だと思います。

本書の感想とはかけ離れてしまいますが、最後に「今後も、本に限らず、読み手にとって役に立つ情報を発信していきたい」と思い、自分なりの「キュレーションの活動」を行っていきたいという決意を新たにして、締めたいと思います。


※2012-02-16追記
【マインドマップ】

image.png
拡大表示は以下のリンクをクリック!
なお、スマホでは綺麗に表示できないかもしれませんが、ご勘弁を(^^;)
キュレーションの時代.html

そして、スマホの方は以下のリンクをクリック!マインドマップの内容を階層構造で表しました。
キュレーションの時代.mm.html

※追記ここまで


【関連書籍】


キュレーション 収集し、選別し、編集し、共有する技術
  • スティーブン・ローゼンバウム
  • プレジデント社
  • 1890円
Amazonで購入



情報の呼吸法 (アイデアインク)
  • 津田大介
  • 朝日出版社
  • 987円
Amazonで購入


キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる (ちくま新書)

1)本書の内容
 プロローグ ジョゼフ・ヨアキムの物語
 第一章  無数のビオトープが生まれている
 第二章  背伸び記号消費の終焉
 第三章  「視座にチェックインする」という新たなパラダイム
 第四章  キュレーションの時代
 第五章  私たちはグローバルな世界とつながっていく

2)本書から学んだこと
 ・一次情報に「何らかの意味」を与えて発信する行為が「キュレーション」である!
 ・「他者の視座にチェックイン」することで、「自分にとっての価値ある情報」がたくさん流れ込む!
 ・「キュレーション」は情報過多の中の現代において、価値が高まっている!



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