ビジョナリー・カンパニー (2): ビジネス書のエッセンス(ビジネス書 書評ブログ)

2011年02月20日

ビジョナリー・ピープル(ジェリー・ポラス/スチュワート・エメリー/マーク・トンプソン著)(その4)




前回に引き続き『ビジョナリー・ピープル』を取り上げます。なお、今回でこのシリーズも最後になります、


シリーズ最後の今回は”行動スタイル”を見ていきます。


ここでのキーワードは”セレンディピティ”、それと”行動”です。

”セレンディピティ”は本ブログ、そして勝間和代さんの著書をはじめ、いろいろな著書で出てくる言葉です。”セレンディピティ”は「幸運に恵まれる」という意味でとらええがちですが、実際は「目の前に現れた幸運を掴み取る」という意味です。

本書に、セレンディピティの語源が書かれています。

簡単に紹介すると、1754年に、イギリス・オーフォード四代目伯爵のホレス・ウォルポールが作り出した言葉です。その語源になったのは、「セレンディップの三人の王子」というおとぎ話です。

以下に簡単に紹介します。

「セレンディップという名の熱帯雨林のパラダイスで、ジーファーという立派な王は三人の王子が後継者にふさわしいか試すものの、まだまだ教育が足りないと考え、王子達を王国から追放してしまう。王国から追放された王子達は多くの難題に出会うものの、強力して難題に取り組み、答えをだしてきた。そして、想像もできなかったほどの宝物を手にすることになる。」

この、物語を見ると、「幸運が舞い降りるというよりは、行動の上で幸運をつかみ取る」ということが分かると思います。

このため、本書には
 ・大胆なリスクを一歩一歩ものにする
 ・自分の目標にどこまでも忠実に振る舞う
 ・言葉を信じるな、信じられるのは行動だけだ
(以上本書より)
というように、”行動することの大切さ”を説く言葉が至るところで出てまいります。


実際、出会いにインスピレーションを感じ、行動して成功を掴み取った著名な方はたくさんいらっしゃいます。

松田公太さんは、友人の結婚式に出席するためアメリカを訪れたとき、行列となるコーヒーショップで”スペシャルティ・コーヒー”に出会いました。もともと「日本と世界に食文化の架け橋になる」という夢を抱いていた松田さんにとって、”スペシャルティ・コーヒー”はまさに運命の出会いに等しいものでした。そして、シアトルに飛び、シアトルで”スペシャルティ・コーヒー”を飲み歩き、その中で一番おいしいと思ったタリーズコーヒーの日本での経営ライセンスを取得するために後ろ盾もないなか単独で交渉し、日本での営業権を獲得します。その後、タリーズコーヒー・ジャパンは上場を果たし(現在は、MBOを行ったため未上場)、拡大をしていったのです。

また、堀義人さんは住友商事勤務時代にハーバードビジネススクールに留学し、MBAを取得します。そのとき受けた内容に感銘し、「日本でも本格的なMBAコースを受けられるようにしたい」との想いからグロービスを起業します。当初は貸会議室とアパートの一室での授業でしたが、しだいに認められるようになるとともにグロービスも成長していきます。そして、小泉構造改革により設けられた”構造改革特別区制度”を活用し、”グロービス経営大学院”を2006年4月に設立いたしました。

他にも同様な方はたくさんいらっしゃると思いますが、上記にあげたお二方は「”セレンディピティ”とは何なのか?」ということが分かると思います。お二方とも自らの思いを実現するチャンスが目の前に出現したときに自ら掴み取りに行っているということが分かります。


今回、ビジョナリー・ピープルを読んで、ビジョナリー・ピープルの行動思考は”意義を追求し、情熱をもって、それを実現するために行動する”という思考なのだということを改めて認識した思いがします。いわゆる一般のビジネス書と違い、「内容は少々哲学的かな?」という感じかしましたが、それでもいろいろな書籍に書かれている「成功者の考え方や行動基準」が集約されている内容と思いました。



ビジョナリー・ピープル

1)本の内容
・序章:ビジョナリー・カンパニーから、ビジョナリー・ピープルへ
・第1章:改めて成功を定義する

PART1 意義 −彼らは、なぜ成功し続けられるのか
・第2章:情熱と意義を追求する
・第3章:情熱はひとつだけではない
・第4章:誠実な姿勢をつらぬく

PART2 思考スタイル −究極の変身は頭の中から始まる
・第5章:静かな叫びに耳を傾ける
・第6章:カリスマは大義に宿る
・第7章:失敗を糧にする
・第8章:弱点を受け入れる

PART3 行動スタイル −生きがいのある人生を紡ぐ
・第9章:思いがけない幸運に備える
・第10章:論争を盛り上げる
・第11章:すべてを終結させる

2)この本から学んだこと
・”セレンディピティ”とは「幸運を掴み取る」という意味である。
・「幸運を掴み取る」には行動しなければばならない。


本書のキーワードをFreeMindでマインドマップにまとめました。
ビジョナリー・ピープル.png
また、以下のリンクをクリックすると、拡大表示されます。
ビジョナリー・ピープル.html

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2011年02月19日

ビジョナリー・ピープル(ジェリー・ポラス/スチュワート・エメリー/マーク・トンプソン著)(その3)




前回に引き続き『ビジョナリー・ピープル』を取り上げます。


今回は”思考スタイル”を見ていきます。


ビジョナリー・ピープルの思考スタイルは”自分の魂のささやきに耳を傾ける”ことから始めます。

なぜ、魂のささやきに耳を傾けるのか?
「幸せな結末は、頭の中で自分の生きがいについて語る小さな声−これをささやきと呼ぶ人もいる−に耳を傾けることから生まれる」(本書より)からです。

堀義人さんの著書『創造と変革の志士たちへ』でも同じような表現で書かれている箇所があります。

”どんな職業であっても、必ず社会に貢献しているものである。その職業の中身がどのように社会に役立っているのか。そして、その恩恵を受けている方々の喜ぶ姿を思い浮かべることができると、至上の喜びを得られることがある。
 もしかしたら、その役割こそが、自分の任務かもしれない。その任務をもう少し拡張して考えていくと、もっと大きな社会貢献ができるかもしれない。そこに自分の成長を組み込み、自己実現欲求を満たすことができ、しかも人生をかけてその仕事をしてもいいと思えるならば、その役割は、自分の任務である可能性が高いのである。”
(『創造と変革の志士たちへ』より)

このように見てみると「魂の声を聞く」ことこそ初めの一歩”と思えます。


しかし、そうは分かっていても実際にやるのは難しい。

難しくさせる要因は”理性の声”です。本書では具体的に”夢をあきらめさせる四つのワナ”として以下の通りあげております。

【夢をあきらめさせる四つのワナ】
 1.キャリアへの固執
 2.BSO(明るくて輝いているもの)への憧れ
 3.コンピテンス(見せかけの目標)の誘惑
 4.OR(それとも)の呪縛

そして、”失敗への恐れ”。この恐怖は誰にでもあると思います。この恐怖に対し、ビジョナリーな人はどのように対処してきたのでしょうか?

本書には以下のように書かれています。

”ビジョナリーな人たちは、自負心というものは、挑戦し、そして失敗する。また、挑戦し、失敗する、そしてささやかな勝利をこつこつと積み上げ、毎回少しずつよい仕事をするところから生まれる、と主張する。”(本書より)

言い換えると「失敗と思うのか?学習と思うのか?」ということでしょうか?


”言うは安し、行うは難し”...なかなか難しいものです(こう考えること自体、「理性的な頭が働いている」ということかな?)。一歩一歩着実に...ですね。


最後は、”行動スタイル”について触れていきたいと思います。


ビジョナリー・ピープル

1)本の内容
・序章:ビジョナリー・カンパニーから、ビジョナリー・ピープルへ
・第1章:改めて成功を定義する

PART1 意義 −彼らは、なぜ成功し続けられるのか
・第2章:情熱と意義を追求する
・第3章:情熱はひとつだけではない
・第4章:誠実な姿勢をつらぬく

PART2 思考スタイル −究極の変身は頭の中から始まる
・第5章:静かな叫びに耳を傾ける
・第6章:カリスマは大義に宿る
・第7章:失敗を糧にする
・第8章:弱点を受け入れる

PART3 行動スタイル −生きがいのある人生を紡ぐ
・第9章:思いがけない幸運に備える
・第10章:論争を盛り上げる
・第11章:すべてを終結させる

2)この本から学んだこと
・ビジョナリーな人は”魂の声”を大事にし、行動してきた。
・”魂の声”を妨げるものは”理性の声”である。
・”魂の声”を追求することこそ、ビジョナリーへの唯一の道である。



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2011年02月18日

ビジョナリー・ピープル(ジェリー・ポラス/スチュワート・エメリー/マーク・トンプソン著)(その2)




前回に引き続き『ビジョナリー・ピープル』を取り上げます。


今回から3回にわたり、『ビジョナリー・ピープル』の各PARTの題名となっている”意義”、”思考スタイル”、そして”行動スタイル”をそれぞれ見ていきたいと思います。

今回は”意義”です。


そもそもビジョナリー・ピープルにとって”意義”とはどのようなものか?
一言で言うと「自分の大好きなことをやり、それに意義を見出している」ということです。
そして、本書では「自分の大好きなことをしないのは危険なのだ。自分のしていることに愛情を感じない人は誰であれ、愛情を感じている人にことごとく負けてしまう、これが冷酷な現実なのだ(本書より)」と説いています。

よく「自分の好きなことをすると時がたつのが早い」と言います。好きなことにどっぷり浸かっているため時がたつのを忘れてしまいます。これを”フロー体験”と言います。「ビジョナリーな人というのは、自分の情熱を向けることを見つけ、”フロー体験”をしているかのごとく、情熱を傾けるものに力をそそいでいる」のではないか?そして、「そういうときこそ、自分が正しい方向に向いているのがわかる(本書より)」と、そして、その経験は、義務感だけで与えられている仕事とは違った喜びを得られるはずです。

「愛情を注ぐ、そのために必要な合理的かつ非合理的な情熱を燃やし尽くす、これこそが後世に残る偉業を成し遂げるわずかなチャンスをものにする、ただひとつの道なのだ。(本書より)」

実際、本ブログで取り上げてきた、楽天創業者の三木谷浩史さん、タリーズ・ジャパン創業者の松田公太さん、グロービス経営大学院学長の堀義人さんなどは苦しいときもありましたが、自分の行っている事業に使命を見出し、愛情を注ぎ、今日の地位を築いた方々です。それは、三者の著書からも感じ取ることができます。

一方、道半ばにして挫折した経験により方向性を探った結果に別の道を見つけ、その道に情熱を注ぎ、賞賛された例もあります。”答えは一つではない”(本書より)ということです。

本書では、その例としてジミー・カーター元米大統領をあげております。

ジミー・カーター氏は1976年に米大統領に就任。しかし、1980年の大統領選挙でドナルド・レーガン氏に敗れてしまいます。しかも、屈辱的な大敗で。結果、カーター氏は道半ばの1期4年でホワイトハウスを明け渡すことになります。

当時のカーター氏は絶望のどん底でした。ジョージア州に戻ったものの、職にありつけるあてもなく、ひどいうつ状態に苦しむことになります。その中でカーター氏は、ある決心をします。”「大統領の椅子にあったときに自分にとって本当の意味で最優先でなかった人たち、あるいは中間的な優先度でもなかった人たちが抱えている問題に取り組もう」ということで、自分の関心を、病気や住宅不足、世界中の開発途上国の民主的選挙に向けることにした”(本書より)のです。そして、第二のキャリアの功績が認められ、20年後にカーター氏の人道的な活動が認められ、ノーベル平和賞を受賞します。


上記の話、そして今まで読んだ本を読むと、やはりキーワードになるのは”情熱”なのかなと思います。

とはいえ、ビジョナリーな人も最初から情熱を注ぐものを見つけたわけではありません。

では、ビジョナリーな人はどのようにして情熱を注ぐものを見つけてきたのか?
”思考スタイル”の中で、そのあたりを次回触れていきたいと思います。


ビジョナリー・ピープル

1)本の内容
・序章:ビジョナリー・カンパニーから、ビジョナリー・ピープルへ
・第1章:改めて成功を定義する

PART1 意義 −彼らは、なぜ成功し続けられるのか
・第2章:情熱と意義を追求する
・第3章:情熱はひとつだけではない
・第4章:誠実な姿勢をつらぬく

PART2 思考スタイル −究極の変身は頭の中から始まる
・第5章:静かな叫びに耳を傾ける
・第6章:カリスマは大義に宿る
・第7章:失敗を糧にする
・第8章:弱点を受け入れる

PART3 行動スタイル −生きがいのある人生を紡ぐ
・第9章:思いがけない幸運に備える
・第10章:論争を盛り上げる
・第11章:すべてを終結させる

2)この本から学んだこと
・ビジョナリーな人は自分の好きなことを見出し、情熱をそそいで道を切り拓いてきた。
・失敗のような出来事から回り道をすることで別の道を見出すこともある。



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posted by まなたけ(@manatake_o) at 00:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | ビジョナリー・カンパニー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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