人材育成 (3): ビジネス書のエッセンス(ビジネス書 書評ブログ)

2011年04月12日

社員のモチベーションは上げるな!(宋文洲著)




今回紹介する宋文洲さんの著書『社員のモチベーションは上げるな!』のタイトルを見ると「モチベーションを上げるな!てどういうこと?逆じゃないの?」と思った方は多いのではないでしょうか?私もタイトルを見たときには、そのように思いました。

”モチベーション”という言葉は、最近、会社内でもよく使われる言葉の一つだと思います。

その使い方は、「社員のモチベーションを上げる!」や「モチベーションを上げてがんばろうよ!」というものが多いと思います。

だが、宋さんは「その使い方は間違っている!」と本書の中で述べております。それはなぜでしょうか?それは”モチベーション”の本来の意味を紐解くと理解できます。


モチベーションには
 ・人間の内在的な動機付け
 ・自分の内在に持っている願望

 ※本書より引用
という意味があります。つまり、本人の心の中に芽生えるものであって、他人が上げるものではないということです。

この意味を捉えながら本書のタイトルを見ると、「モチベーションを上げるな!」という意味は「モチベーションは”上司が上げる”ものではない」ということが分かります。

しかし、本書は「モチベーションは”上司が上げる”ものではない」という観点だけを書いておりません。

本書は
 ・モチベーションは”上司が上げる”ものではない
はもちろん、”モチベーション”という視点から
 ・会社の問題点
 ・社会の問題点(学校教育、格差社会など)
にも言及しております。


特に注目したのは「差は悪いものか?」という問題提起です。

私は「差はあって当たり前」と考えます。なぜなら「人はそれぞれ持っている能力が違うから」です。能力が違うということはそれが個性となっていることです。筆者は「平等社会というのは幻想」と言っておりますが、これには私も同じ意見です。

「平等な社会」というのはどういう社会なのか?皆が同じ収入で同じ生活を営む社会なのか?そんな社会は実現できるはずがありません。

むしろ”差”があるからこそ、「あの人を目指してがんばろう!」というモチベーションにつながっていくものと思います。適度な緊張感は人を成長させます。逆に緊張感のない状態は人を堕落させます。この点からも著者の言うとおり”差”があることは悪いことだと思いません。

むしろ、著者の指摘通り「行き過ぎた平等教育が極端に差があることを嫌う国民性が生み出した」のではないかと考えます。

「運動会でみんな一緒に手をつないでゴールする」といった話は聞いたことはありませんか?この話を聞いてみなさんはどう思いますか?私は「競争するから楽しいのに、なぜそんなことをするの?」と思いました。


少し話しがそれましたが、まとめると
 ・モチベーションは自らが火をつけるもの
ということであり、その”火”をつける材料は、各々の人々が考えるテーマだと思います。どんな材料でもいい!ちいさな火でもいいので”火”を内に持ち続けることが大事だと本書を読んで思いました。


社員のモチベーションは上げるな!

1)本の内容
 1章:社員のモチベーションは上げるな!
 2章:やる気のない部下はこうして動かす
 3章:「上司は動くな」は大間違い
 4章:不況に強い会社には秘密がある
 5章:できる社員はこう生きる
 6章:やる気のないあなたに救いはあるか
 7章:「差」があるから、がんばれる

2)この本から学んだこと
・モチベーションとは”人間の内在的な動機付け”である
・差があることは悪いことではない!
・小さな火でもいいので、火を内に持ち続けることが大事



本書のキーワードをFreeMindでマインドマップにまとめました。
社員のモチベーションは上げるな!.png
また、以下のリンクをクリックすると、拡大表示されます。
社員のモチベーションは上げるな!.html


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2010年11月13日

ブラック企業とシュガー社員(田北百樹子著)(後編)


1)本の内容
・第1章:一番危険な若手社員、
     キング・オブ・シュガーとは?
・第2章:若手を理解できなければ、今日から
     あなたの会社もブラック企業!?
・第3章:シュガー社員対策をきっかけに、
     脱ブラック企業を目指そう!
・第4章:田北百樹子インタビュー!
     自称・元シュガー社員に聞く。
     「シュガー社員がまともな社会人になるには?」

2)この本から学んだこと
・シュガー社員が生まれる必然的な背景があった
・シュガー社員を教育するには企業風土が大きく関係する


後編では
 ・シュガー社員の生まれた背景は?
 ・ブラック企業とはどのような企業なのか?
という視点で、本書ではどのように描かれているかを見てみたいと思います。

まず、”シュガー社員への対応”ですが、本書では「若手社員の世代観、価値観を知ることが大切」と述べております。

では、若手社員はどのような背景で育ってきたのでしょうか?
本書よりその背景を拾ってみました。

(以下は本書より引用)
 ・一児豪華主義の家庭教育
   一人息子、一人娘に親が全精力・経済力を子供に注ぎ込む

 ・働く意味を親は教えられない
   『嫌ならやめなさい』と転職を後押しする親

 ・ゆとり教育と自己主張
   ゆとり教育の中、”自己主張の大切さ”を教育されてきた

 ・企業不信、社会不信の時代を経験
   いざ社会に出ようとしたとき、”内定取消し”、”大規模なリストラ”、
   ”派遣切り”など、さまざまな問題に直面した

こうしてみると、シュガー社員の親の世代である”オイルショック世代”はもちろん、中間に位置する”バブル世代”とも背景が違うことが明らかだと思います。

では、企業はどうすればよいのか?
本書では「シュガー社員対策を行いながら脱・ブラック企業を目指そう」と提言しております。

しかし、本書を読んでいて一番気になったところがこのところです。

まず、”ブラック企業”とはどのような企業か?
一言で言うと「黒いこと(悪いこと)をやっている企業」を指します。

最近の例を挙げると、「名ばかり管理職問題」があります。
 ●名ばかり管理職問題
   ・月平均60〜80の残業をしてきたが、「管理職」という立場にし、
    残業代を支払わなかった
   ・しかし経営に関与する立場ではなく、「管理職」とは名ばかりで
    あった。

第3章の冒頭で『<キング・オブ・シュガー>を更生させるには、彼らにつけこまれないような、会社の制度づくりが、遠回りのように見えて実は近道ではないか?』と書いております。

しかし、実際に書いているのは「シュガー社員を更生させるためではなく”シュガー社員による労働争議に巻き込まれない”ための制度づくり」という観点で書かれているように思えます。

例えば、本書では『シュガー社員トラブルシュミレーション問題』と題して、いくつかの想定される問題について例をあげております。

(問題例:本書より引用)
 不規則な時間勤務の多い広告代理店。朝11時の始業時間を守らない社員に
 注意をしたところ、自分が帰宅するのはいつも22時過ぎなのに残業代も出
 ないじゃないかとその日からタイムカードを押すのを拒否している。確かに
 残業代を支払っていないのにタイムカードを押させる明確な意味はない。
 彼にペナルティを与えることはできるのか?

(解答)
 懲戒処分はできても後から残業代を請求される可能性が大きい。
 法令順守や就業規則の整備が重要。

この例を見ると「企業として制度面で整備が満たされていないために訴訟リスクを抱えている」ということは分かります。しかし、それが「シュガー社員の更生にどのようにつながっていくのか?」というところが分かりません。結局は「法令順守や就業規則をキチンと整備しないと<キング・オブ・シュガー>社員に訴えられますよ!」と言っているようにしかとれませんでした。

むしろ第4章のインタビューに書かれていた
『おおらかな土壌で仕事を任されて、それがかえって自立心を目覚めさせた』
とあるように、企業風土の観点から「シュガー社員を教育について語ったほうがよかったのでは?」と本書を読んでいて思いました。

『ブラック企業とシュガー社員』のタイトルの他に『悪いのはどっちだ?』というサブタイトルがついていたので「悪いのはどっちだろう?」期待して読んだのですが、タイトルと内容がいまいち結びつかない感がぬぐえない一冊でした。


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ブラック企業とシュガー社員(田北百樹子著)(前編)

1)本の内容
・第1章:一番危険な若手社員、
     キング・オブ・シュガーとは?
・第2章:若手を理解できなければ、今日から
     あなたの会社もブラック企業!?
・第3章:シュガー社員対策をきっかけに、
     脱ブラック企業を目指そう!
・第4章:田北百樹子インタビュー!
     自称・元シュガー社員に聞く。
     「シュガー社員がまともな社会人になるには?」

2)この本から学んだこと
・シュガー社員には5つのタイプがある
・シュガー社員の中でもっともやっかいなのは
 ”俺リスペクト型シュガー社員”である
・「初めからシュガー社員でなかった」シュガー社員もいる
 (シュガー社員にしないための対応が必要)


著者の田北百樹子さんは、自身の著書『シュガー社員が会社をとかす』で
 ・過保護に育てられた自立心の乏しいトラブルの多い若手社員
を<甘い砂糖>に例えて「シュガー社員」と名付けました。
言わば”シュガー社員の名付け親”です。

本書では
 ・シュガー社員とはどのようなタイプの社員なのか?
 ・ブラック企業とはどのような企業なのか?
 ・シュガー社員にスイッチを入れるには?
という観点で書かれております。

前編では、第1章および第2章で書かれている
 ・シュガー社員とはどのようなタイプの社員なのか?
について、レビューを書きたいと思います。

ところで、「シュガー社員」とは具体的にどのようなタイプの社員なのでしょうか?
本書では以下の5つのタイプに分けて定義しております。

■シュガー社員のタイプ(以下、本書より引用)
 1.ヘリ親依存型シュガー社員
   親は子供の頭上でホバリングしながら待機。
   問題が発生すると親は急降下して会社にクレーム。
   子供は親にベッタリ依存。

 2.俺リスペクト型シュガー社員
   自分の事が一番好きで正しいと自負し、自分の才能をとことん信じ、
   他人や会社の事はどうでもいいと思っている。

 3.プリズンブレイク型シュガー社員
   嫌なことからとことん逃避する。
   短い期間で転職を繰り返すのがこのタイプ。

 4.ワンルームキャパシティ型シュガー社員
   どんなに経験を積んでもマニュアル通りにしか動けない。
   辞書に「臨機応変」という言葉がない。

 5.私生活延長型シュガー社員
   アンバランスに私生活を優先させる。
   自分の都合で業務に支障をきたすことに何の罪悪感を持っていない。

こうして見てみると、周りにこのようなタイプの社員がいませんか?
若手とは言わずベテランでも上記定義に当てはまりそうな方は結構いるように思います。

シュガー社員は上記5つのタイプがあっても、基本的には(タイプ1+タイプ2のような)”複合型”が多いようです。

話は変わって、「シュガー社員はいつまでもシュガー社員のままか?」というとタイプによっては十分更生可能です。

しかし、中には更生が難しいタイプもあります。
そして、最も更生が難しい<キング・オブ・シュガー>のタイプは
 2.俺リスペクト型シュガー社員
と田北さんは述べられています。

なぜなら
 ・”俺リスペクト型シュガー社員”は「俺が一番」という考え方であり、
  他人の意見に耳を傾けない
からです。

しかし、<キング・オブ・シュガー>の”俺リスペクト型シュガー社員”でも更生した例は第4章に掲載されております。どのようにして更生したかは次回に記載したいと思います。

ところで、「シュガー社員は最初からシュガー社員だったのか?」というとそうとも言い切れない面があります。

例えば、新入社員当時は優秀だったが
「上司に提言しても文句を言われるだけ。それだったら言わないほうがいい」
という状態が長年続いて「シュガー社員に変貌してしまった」というパターンがあります。

本書では、
 ・真性シュガー社員からいかに会社を守るか?
という視点と
 ・優秀な社員をいかにシュガー社員に変えないようにするか?
という2点からシュガー社員や若手社員への対応を述べております。

後編では
 ・シュガー社員の生まれた背景は?
 ・ブラック企業とはどのような企業なのか?
という観点でレビューを書きたいと思います。



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posted by まなたけ(@manatake_o) at 00:27 | Comment(0) | TrackBack(0) | 人材育成 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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