人材育成 (2): ビジネス書のエッセンス(ビジネス書 書評ブログ)

2013年02月24日

【マインドマップ付き】「経験から学ぶ」「自分の頭で考える」ことが自己の成長につながる!『指導しなくても部下が伸びる!』(生田洋介著)



指導しなくても部下が伸びる!を読んでみた。

本書の骨格を一言で言うと「教えない教育」である。

「教えない教育」と聞いてどのように思うだろうか?
「なにも教えてくれないんじゃ、それは教育ではないのでは?」と思う方が多いかもしれない。

著者である生田洋介さんが述べている「教えない教育」とはどのようなものか?それを伺い知る文章が、本書の「おわりに」に書かれている。これをもとに考えてみたい。

 「経験から学ぶことの重要性」について私が強く意識し始めたのは、当時(2000年)世界一過酷といわれたアドベンチャーレース「レイド・ゴロワーズ」へのチャレンジがきっかけでした。みずからチームをつくって参戦した私は、リーダーとしての気負いからチームマネジメントに失敗し、仕事でリーダーシップを指導している立場であるだけに、非常に大きなショックを受けました。しかし、本気で取り組んだことで、そのときの経験が、リーダーシップやチームワークに対する私の考え方のベースとなりました。
(中略)
 さらにここ数年は、子育てを通じて“人を育てること”への思いが一層強くなりました。そして、さまざまな育児法を読んだり、学校教育の現場について見聞きしたりするなかで、「経験から学ぶ」「自分の頭で考える」ことが成長にとって重要なのは、子供も大人も変わらないのだということを痛感しました。本書で述べてきた「教えない教育」は、今後、企業のリーダーやマネジャーのみならず、子を持つ親、学校の教師、スポーツのコーチなど、すべての“指導者”にとって共通の課題となっていくでしょう。
(本書より P206〜P207)


この文章から察するに、「教えない教育」の本質は「自ら伸びる力を育てる教育」にあると考える。

本書はこれをマネジメントに当てはめたものである。その主張を一言で表すと、「マネジャーは部下が自ら考え、気づきを得る機会をつくる“促進者”であれ!」ということだ。

では、なぜ著者は「マネジャーは部下が自ら考え、気づきを得る機会をつくる“促進者”であれ!」と言っているのであろうか?それは「いやいやながら覚えたことは忘れやすいが、自ら進んで学んだこと、気づいたことは忘れにくい」からだ。著者は先の文章で「子どもも大人も同じ」と言っているが、まさにこのことだ。

そして、部下の成長は上司に大きなメリットをメリットをもたらす。このことを考えるには、逆のことを想像すると分かりやすい。

上司に何度も細かく指導された結果、「どうしたらよいか分からなくなった」といった状態に陥ったことはないだろうか?人には承認欲求がある。それゆえに否定されると思考停止に陥ってしまい、「考えるのもめんどうだし、言われた通りのことだけやればいいや!」となってしまう。言われた通りのことだけをすれば、上司に怒られることはない。そして、言われたことだけやることで「安全地帯」を確保できる。

だが、この状態が続くことは、部下にとっても上司にとってもデメリットしかないであろう。マネジャーが一人でできる仕事は限られている。チーム力で戦わなければいけない時代である。それゆえ、部下の力が必要となる。そして、部下が成長することはチーム力のアップにもつながる。それゆえに本書では「部下の成長を促す役目はマネジャーの仕事である」と訴えている。

本書の内容はチームビルディングを学ぶに当たって非常に分かりやすく書かれている。著者の生田洋介さんのセミナーは人気とのことだが、それは本書を読んでも納得がいく。内容も濃いし、面白いのだ。恐らく上司の方にとっては「気づきの多い」内容であろう。

だからと言って、部下がいない方にとって読む価値がないかというと、そんなことはない。本書の書いている内容は、「自分の成長をうがなすためにはどうすればいいのか?」という観点で読むことでヒントが得られると思う。また、上司の立場も理解できるのではなかろうか?

また、「子育て」などでも役に立ちそうである。仕事でなくともいろいろと幅広い場面で応用が利きそうな内容が書かれた本だと思う。


【本書のポイント】


■指導しなくても人は成長する!

 指導とは、一般的に次のように定義されます。

・ある目的、方向に向かって教え、導くこと。
・ある意図された方向に教え、導くこと。

 この定義に従えば、「指導しない」とは、「教えない」を実践することになるわけですが、近年、教育の場でも「教えない」授業が注目され始めているのをご存じでしょうか?
 従来の学校教育では、先生が教科書に沿って授業を進めることが教育、つまり「指導」と考えられてきました。しかし、それでは個性や発想力を十分に伸ばすことができないということで、教育方針に変化の兆しが見えてきました。
私が運営する研修プログラムでも、あまり指導はしません。(中略)
 プログラムを提供する際、私は講師ではなくファシリテーター、つまり「促進者」という立場をとっています。そして、私の主な役割は、以下の5つです。
(1)参加しやすい環境をつくる
(2)プログラムの全体像とゴールを明確にする
(3)目標を達成するために最適なプロセスを事前に組み立て、参加者と共有する
(4)教えるのではなく、まずは考える(=参加者の積極的な参加を促す)
(5)参加者やチームの状態を常に観察し、適宜介入したり、プログラムを調整する

 研修のポイントを話すだけなら1〜2時間もあれば足りるのですが、2日間じっくり取り組むことによって、参加者の多くが何かに「気づき」ます。この「気づき」から「学ぶ」ことが、本当の成長といえるのです。
(本書より P18〜P19)



■“チーム”が人を育てる

 以前、外資系企業を渡り歩いた人事担当者から「部下の育成を、自分の役割ではないと考えているマネジャーが多い」「若手の育成は人事の仕事、と思っているふしがある」といった話を聞いたことがあります。
 部下を育てることだけがマネジャーの主な仕事ではないことは確かです。会社が求める数字や目標の達成、役割の遂行という責任に追われているのがマネジャーの立場です。とはいえ、部下が成長しないかぎり、チームとして成果を上げ続けることはできません。特別なケースを除けば、放任主義では、なかなか部下は育たないのです。
 メンバーの成長を促す最も簡単な方法は、経験を積ませることです。ひとりではできないことも、人と協力し合うことで達成できることは多いもの。チームで活動し、質の高い経験を積み重ねることで、メンバー一人ひとりが確実に成長します。個人の育成ではなく、チームで成果を上げることにフォーカスし、ハイパフォーマンスなチームをつくり上げることができれば、結果として人は育つのです。
(本書より P22)



■マネジャーとしてのスタンスを伝えよ

 時に、メンバーはマネジャーに対して、自分たちと同じだけ、あるいはそれ以上の「プレー」を求めます。スポーツの世界ではあり得ない話ですが、ビジネスシーンにおいてはよくあることです。
 では、どうしてそのようなことが起こってしまうのでしょうか?それは、マネジャーの役割が明確でない、あるいは正しく理解されていないから。だから、動き(プレー)が見えないと、「リーダーは楽をしてズルい」となってしまうわけです。
 そうならないためには、たとえばキックオフミーティングなどの場で、マネジャーの役割の違いに関してメンバーにも考えさせることが大切です。マネジャーからメンバーに期待することを伝えるとともに、メンバーからマネジャーに期待することも引き出し、双方の期待を明確にしましょう。そして、そこでマネジャーとしてのスタンスをはっきりと伝えるのです。
 自分の立ち位置をメンバーに伝える際には、4つのポイントを意識するといいでしょう。
(1)マネジャーはトッププレーヤーではなく、チームの「方向性」と「関係性」を統一する役割を担っている。そのために、自身の「プレー」を犠牲にする必要がある
(2)メンバーそれぞれの個人目標だけでなく、チームの成長を重視する
(3)メンバーの成長を可能な限り支援し、細かい指導はしない
(4)チームやチームメンバーの結果に対して最終的な責任を持つ。何かあれば部下を守ることを約束する

 こうしたスタンスを全体と個別に伝えながら、「どう?」「わかりにくいところはある?」と、部下の理解度や納得度を確認しましょう。
(本書より P30〜P31)



■チームを観察せよ

 チームは生きものです。絶えず状況やムード、関係性やエネルギーレベルが変化します。それらをタイムリーに把握していなければ、問題の発見が遅れたり、個人のモチベーションを下げかねないので、マネジャーは常にチームの状態に目を向けておく必要があります。
(中略)
 メンバー個々を観察するときのポイントは、各自の「エネルギー状態」です。エネルギー状態の見方には、「エネルギーレベルが高いのか(ハイ)、低いのか(ロー)」という視点と、「エネルギーの質がポシティブなのか、ネガティブなのか」という視点があります。
(中略)
 これらの状態をチームへの参加度合いや感情、作業ボリュームなどから読みとるわけですが、毎日のコミュニケーションのなかで気づくこともあれば、距離を置いて俯瞰することで気づくこともあります。メンバーそれぞれの口調、表情、態度、目線などを見て、何を言いたいのか「吹き出し」を想像してみるといいでしょう。
 非言語メッセージから読み取れるものは意外と多いものです。気になる部下がいたら、仲の良い同僚に聞いてみてもいいでしょう。リーダーが気にかけていることがわかれば、メンバーの安心感につながります。逆に、不安感は成長を阻害するものです。
(本書より P98〜P99)



■人格を鍛えろ

 あなたはリーダーがどのような人だったら、喜んでついていきたいと思いますか?
 『信頼のリーダーシップ』(生産性出版、岩下貢訳)の著者であるジェームス・クーゼスとバリー・ポスナーによると、「振り向けばついてくるフォロワーがいるか?」ということが、リーダーとしての信頼性を測るうえで重要だということです。彼らが実施した大規模な調査によると、「その人からの指示なら喜んでついていきたいと思える人」とはどのような人か、という質問の答えでとくに多かったのは、「正直さ」「前向きさ」「わくわくさせてくれる」など、人間性や姿勢に関わることでした。もちろん、業務や専門性に関わることも上位にランキングしていましたが、「誠実さ」「寛大さ」「情熱的であること」など、総じて「人格」を表す内容のほうが影響力が大きいことがわかったのです。
 フォロワーがついていきたくなるリーダーになるためには、やはり人格を高めることが重要であるということです。仕事の能力が高いだけでは、リーダーとして信頼されないことを自覚し、ひとりの「人間」として尊敬されることを目指しましょう。
(本書より P196)



※2013-03-24追記
【マインドマップ】

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なお、スマホでは綺麗に表示できないかもしれませんが、ご勘弁を(^^;)
指導しなくても部下が伸びる!.html

そして、スマホの方は以下のリンクをクリック!マインドマップの内容を階層構造で表しました。
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※追記ここまで

【関連書籍】



指導しなくても部下が伸びる!

1)本書の内容
 
 序章 “指導者”ではなく“促進者”になれ
 SCENE1 新しいチームがスタートするとき
 SCENE2 プロジェクトが動きだすとき
 SCENE3 仕事を任せるとき
 SCENE4 日常業務のなかで
 SCENE5 面談の場で
 SCENE6 会議の場で
 SCENE7 ランチ・飲み会などの場で
 SCENE8 部下が失敗したとき
 SCENE9 部下が成功したとき
 SCENE10 プロジェクトが終了したとき
 終章 あなた自身が手本たれ

2)本書から学んだこと
 ・「経験から学ぶ」「自分の頭で考える」ことが成長につながる!
 ・上司は部下の成長を促す”促進者”となろう!
 ・「教えない教育」は、子育てなどにも役に立つ!



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2012年09月29日

【マインドマップ付き】リーダーとして必要なスキルをコンパクトにまとめた本!『30代リーダーの仕事のルール』(嶋田有孝監修)



30代リーダーの仕事のルールを読んでみました。

監修者である嶋田有孝さんより献本いただきました(嶋田さん、ありがとうございます)。
本書は全ページフルカラーでイラストが入った構成となっております。嶋田さんからいただいた手紙によると「活字離れした若者おの方に読んでもらうための編集の工夫」とのことです。しかし、内容は「30代に限らず基本を見直す上で参考になる」ものでした。

本書のご紹介に当たって、今回は、【本書のポイント】【感想】【マインドマップ】【関連書籍】の構成で書いていきたいと思います。


【本書のポイント】

本書のポイントを以下に掲載いたします。


■リーダーシップはスキル

 田中角栄が幼い頃に吃音(きつおん)に悩まされ、浪花節を練習するじょとにより、それを克服したというのは有名です。
 また、偏差値の高い大学出身だからといって、成功者になれるとはかぎりません。現に松下幸之助は小学校すら卒業していません。
 ある大学の調査によると、「IQの高さとリーダーシップには関連性がない」というデータも実証されているそうです。勉強が苦手だったという人でも、リーダーになれる可能性は大いにあります。
 リーダーシップは、先天的な才能じゃなく、後天的に習得できるスキルなのです。
(本書より P8)



■教育とは「引き出す」こと

 「教育する」は英語でEDUCATEと言いますが、この単語には「引き出す」という意味もあるそうです。外から与えるものではなく、環境を整えて、潜在的な能力を引き出す。これこそが真の教育なのです。長所を伸ばすことで部下は育ちます。その環境を整えるのが、リーダーの役割です。
 部下にはどんどんチャンスを与えてください。彼らも必ずあなたの期待に応えてくれるはずです。
(本書より P35)



■意欲をかきたてる2つの要素

 エール大学のH・V・ブルーム教授が唱えた「期待理論」という考え方があります。
 この理論においては、【モチベーションの高さ=目標の魅力×達成の可能性】であると定義されています。
 目標は、それに挑戦してワクワクできるような、魅力あるものでなければなりません。そして、その魅力ある目標を達成できる可能性を感じられることが大切です。この2つが揃ったときに意欲がかきたてられるのです。
 どれほど素晴らしい目標でも、実現不可能なら、モチベーションは高まりません。
 たとえ様々な困難や障害があるとしても、努力すればその目標を達成できると思えることが大切なのです。
(本書より P36)



■「きく」にも3つの種類がある

 「きく」という行為には、3つの種類があります。
1)聞く=hear
 この言葉には、どちらかというと、聞かされるというような受動的な意味が含まれています。
2)聴く=listen
 身を乗り出して、耳を傾けるという意味があります。
3)訊く=ask
 問いかけたり、具体的に質問することによって、相手の答えを引き出すという意味です。
(本書より P62)



■人間は感情で動く

 コミュニケーションを円滑にする上で、常に意識しておかなければならないことがあります。それは、「人間は論理でなく、感情で動くものだ」ということです。いくら正しいことを伝えても、納得するかどうかは、相手次第です。相手が心から納得しない限り、説得は成功とはいえないのです。
(本書より P88)



【感想】

本書の大きな特徴は「コンパクト」ということです。

「コンパクト」という表現を使いましたが、それは約100ページという通常の本の半分のページ数に
 1)リーダーの人を動かす力
 2)リーダーの部下を育てる力
 3)リーダーの伝える力
 4)リーダーの心を整える力
という4つの分野でリーダーとして必要なエッセンスを多岐に渡って書かれているからです。
(どのように「多岐に渡って」いるかは、下記のマインドマップを参照していただければお分かりになると思います)

それにしても、書かれている内容を見ると、改めて嶋田さんのスキルの高さ、そしてリーダー育成に対する思いの深さを感じます。

例えば、『「きく」にも3つの種類がある』で書かれている「聞く、聴く、訊く」はコーチングの基本スキルです。とはいうものの、「3つのきく」はコーチングの勉強をしない限り、ほとんど聞くことはありません。この例を一つとっても嶋田さんのスキルの高さが伺えるのですが、それが「多岐に渡って」いるのですから、そのレベルの高さは云わずもがなでしょう。

その嶋田さんが「これはリーダーに必要なスキル」として書いている内容を見ると、「頭では分かっているんだけど、実際に出来ていないな〜」というものも沢山あります。タイトルに『30代〜』と付いているものの、30代に限らず、その上の年代の方にとってもコンパクトにまとまった本書をもとに「チェックリスト」として使えます。

とはいえ、タイトルに『30代〜』と付けたのには、それなりに意味があると思います。

30代はリーダーとして部下、後輩を引っ張っていきながら、そして上司とうまく連携しながら仕事を進める役割を求められております。ただそれは、自分の与えられていた仕事をこなしていた一人のメンバーとして過ごしていたときと違う役割が求められるため、戸惑うこともあるでしょう。そのため、「リーダーにはどんなスキルが求められるのか?」と解答を求め、書店でリーダーに関する本を手にした方も多いのではないでしょうか?

本書は「リーダーとして必要なスキルをコンパクトにまとめた本」です。そして、「リーダーに必要なスキルとは何か?」について、網羅的に、そして簡単ながらも分かりやすく書かれております。

「リーダーに必要なスキルは何なのか?」と迷ったときに、入口として読むのに適した本だと思います。


【マインドマップ】

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なお、スマホでは綺麗に表示できないかもしれませんが、ご勘弁を(^^;)
30代リーダーの仕事のルール.html

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【関連書籍】




30代リーダーの仕事のルール

1)本書の内容
 第1章 リーダーの人を動かす力
 第2章 リーダーの部下を育てる力
 第3章 リーダーの伝える力
 第4章 リーダーの心を整える力

2)本書から学んだこと
 ・リーダーシップはスキルである!
 ・「人間は感情で動く」ことを認識のうえ、タクトを振る必要がある!



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2012年01月02日

【マインドマップ付き】「目標に焦点を当てる」「行動量を増やす」ことが「絶対達成」するための方法である!『絶対達成する部下の育て方』(横山信弘著)


絶対達成する部下の育て方―稼ぐチームに一気に変わる新手法「予材管理」―
  • 横山信弘
  • ダイヤモンド社
  • 1500円
Amazonで購入


2012年の最初の記事は、横山信弘さんの著書絶対達成する部下の育て方―稼ぐチームに一気に変わる新手法「予材管理」―のレビュー記事です。本書を手に取ったキッカケは、昨年末に行われた横山信弘さんの講演会への参加でした。

2011年12月26日に行われた横山信弘さんの講演会は迫力満点でした。会場一同の気合の入った挨拶に始まり、そして挨拶で終わる!そして力強い横山さんの言葉!1時間の講演会でしたが、かなり刺激を受けて帰ったのでした。この講演会に参加していなければ、恐らく本書を手に取ることはなかったと思います。

講演会も力強かったのですが、本書も力強い言葉で書かれております。

本書のご紹介に当たって、今回は、【本書のポイント】【感想】【マインドマップ】【関連書籍】の構成で書いていきたいと思います。


【本書のポイント】

今回のパートのポイントと思われる箇所を本書より引用しました。以下に掲載いたします。


■結果を出すためには?
 私は大手IT企業を退社し、現場に入り込んで営業コンサルティングを始めました。
 どうしたら営業は結果を出せるのか、どうしたら行動を変えられるのかを、心理学、行動科学、脳科学などを研究して見つけた答えは、とてもシンプルです。
 一つ、目標予算に焦点を当てる
 一つ、行動量を圧倒的に増やす
(本書より)


■現状維持バイアス
 (行動量を圧倒的に増やすと分かっていても)すぐに行動を変える人はまずいません。
 なぜなら誰しも「現状維持バイアス」がかかっているからです。これは、現状は現状のまま維持したいという心理的欲求で、経験のない新人でない限り、誰しもこのバイアスがかかっています。
(中略)
「現状維持バイアス」のかかった部下を動かそうとすると、
「なんでそんなことをやらなくてはならないのですか?」(中略)などと反発されます。
 しかし、こうした部下に、懇切丁寧に説明を繰り返しても、理解は得られません。なぜなら、「理解=言葉×体験」だからです。
(本書より)


■プログラムの書き換え
 では、どうやってプログラムを書き換えるのか。
「インパクト×回数」でできあがったプログラムは、「インパクト×回数」で書き換えることができます。
(中略)
 プログラムを書き換えるのに必要なのは、小さな成功体験を繰り返し、何回も得ること。大きな成功体験を1年に一度だけ得ても、プログラムはなかなか書き換えれません。小さな成功体験を重ねることがポイントなのです。
(本書より)


■行動の質を上げる「無意識的有能状態」
 有名な「学習の4段階」によると、何かを学習する場合は、必ず次のステップを踏みます。
  1.無意識的無能状態
  2.意識的無能状態
  3.意識的有能状態
  4.無意識的有能状態

 個人のポテンシャルを最大限に発揮できるようになるのは、「肩の力を抜けるようになってから」です。
 つまり、行動の質をあげるためには、第4ステップの「無意識的有能状態」になるまで繰り返し「意識」することです。
 つまり「インパクト×回数」です。
(本書より)


■予材管理
 「予材管理」の「予材」とは、予定している材料のことを指します。
 「予材」とは「見込み」「仕掛り」「白地」という3つから構成されています。
(本書より)


「予材」については以下の図が分かりやすいと思います。(本書より引用)
「予材」とは何か.png

ここでのポイントは「見込み」+「仕掛り」が目標予算の100%を大きく超えていること!
そして、「白地は何か?」を常に考え、生み出していくこと!
そうすることで常に「絶対達成できる」状態に近づけることができ、かつ、リスクヘッジにもなります。


【感想】

私は以下のの2点を考えながら本書を読んでいきました。
1点目は「なぜ数字を”絶対達成”しなければならないのか?」、そして2点目は「我々は本当に目標を”自分のもの”となっているのか?」ということです。以下に書くことは本書の感想とはかなり逸脱しますが、本書を読みながら思ったことなので書きたいと思います。


1点目の「なぜ数字を”絶対達成”しなければならないのか?」このことについて私が思ったことが2つあります。

1つ目は、「数字を達成できなければ、会社の存続が危うくなる可能性がある」からだと思っております。そしてこれは我々の雇用にもつながる重要な問題です。

サラリーマンのメリットは「健康保険、厚生年金、介護保険、労災保険、雇用保険が受けられる」ところにあると思っております。これらの保険を受けられるメリットは、雇用されないで働いている場合とは全然違います。(私もサラリーマンなのですが)実はサラリーマンだと、これらの保険を受けられるメリットということをあまり実感できないのではないかと思います。

会社の年度予算は我々の給料やボーナスとなる人件費、そして上記の保険等の支払い、次の成長につなげる利益を加味して年度予算が作られます。そして「営業利益、売上高営業利益率が過去3年間ずっと低下している会社は要注意」と言われています。ボーナスの支払いなど、一括で支払う必要がある支払いでは銀行の短期融資で賄うわけですが、銀行の融資も受けられなくなる可能性も出てまいります。会社の次の成長につなげる投資等においても銀行融資が受けられなくなる可能性もある。そして会社の成長がマイナスとなったとき、今度は自分たちの雇用も危なくなるとなってしまいます。

2つ目は「リーマンショック以降、日本で法人税を支払っている企業は3割しかない(7割が赤字企業)」ということです(この数字は横山さんの講演会で知りました)。国の財政の悪化の原因の一つに「法人税の落ち込み」があげられておりますが、そのことは、この数字からも裏付けられます。つまり「数字が達成できない→赤字企業になる→法人税が払えない→国家財政が悪くなる」という悪循環に陥ります。そして国の財政が悪くなると歳出カット等をしなければならなくなる、もしくは歳出を国債等に頼らなければならなくなるという状況に陥ります。そしてそれは「行政サービスの低下」を意味します。

こうして考えた場合、会社が存続するためにも、そして自分たちの雇用や生活を守るためにも「数字は絶対達成しなければならない」ということを、もう一度認識する必要があるのではないかと思うのです。


そして、このことは2点目の「我々は本当に目標を”自分のもの”となっているのか?」につながってまいります。

本書では「どうしたら営業は結果が出せるのか、どうしたら行動を変えられるのか」という問いに対し、以下の2つのシンプルな答えを記載しております。
 一つ、目標予算に焦点を当てる
 一つ、行動量を圧倒的に増やす
(本書より)

2点目の「我々は本当に目標を”自分のもの”としているのか?」という問いかけは、実は「目標予算に焦点を当てる」という答えと同じことを意味するものです。

我々が行動するときは目的があるからこそアクションを起こす」のです。目標が”自分のもの”(目的)となっていなければ無理をして行動する必要はありません。そして行動しなければ何も起こりません。「行動するからこそ何かが起こる」のです。「行動を起こすためにも目標を”自分のもの”とする必要がある」のです。そして、「目標を自分のものにし、それを達成できた」という実感を感じたとき、「龍のごとくスパイラルで次のステージに立てる」のではないかと思います。

私は、本書が「目標に焦点が当たっているか?」ということを常に語りかけているような気がいたしました。

私が上記で書いたようなことを思い起こさせるように、本書のメッセージは読み手を熱くさせます。しかし、本書は精神論を述べているわけではありません。行動科学、脳科学といった科学的要素を用いながら構築された手法だと思います。先ほど述べた「目標予算に焦点を当てる」ということは行動科学マネジメントを参考にしていると思います。また、「学習の4段階」「朝活」などは、脳科学で効果が証明されております。本書で言っている「予材管理」そして「ツイスター型チーム」などは、科学的根拠に基づいて述べられていることなのです。

本書を一言で言うならば「熱い中にもクールさがある!」そんな感じの本です。

営業向けに書かれてはおりますが、営業でなくともいろいろと学ぶことができる本ではないかと思います。私は営業ではないのですが、営業の人間でなくても取り入れる要素はたくさんあると思いました。「目標に焦点を当てる」そして「脳の空白の原則」などがその一例です。ただ、あまりにも学ぶべきところが多いがゆえに書ききれなかったところもたくさんあるので、是非とも本書を読んでいただきたいと思います。


【マインドマップ】

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拡大表示は以下のリンクをクリック!
なお、スマホでは綺麗に表示できないかもしれませんが、ご勘弁を(^^;)
絶対達成する部下の育て方.html

そして、スマホの方は以下のリンクをクリック!マインドマップの内容を階層構造で表しました。
絶対達成する部下の育て方.mm.html


【関連書籍】


短期間で組織が変わる 行動科学マネジメント
  • 石田淳
  • ダイヤモンド社
  • 1680円
Amazonで購入


絶対達成する部下の育て方―稼ぐチームに一気に変わる新手法「予材管理」―

1)本書の内容
 Part1 「絶対達成」の第一歩は、目標に焦点を当てること
 Part2 動かない部下が自ら動くようになる!
  「現状維持バイアス」を外す方法
 Part3 「絶対達成」させる新マネジメント術──「予材管理」
 Part4 「そよかぜ型」から「ツイスター型」チームへ変わる方法
 Part5 「なくす」「まかせる」「短くする」で一気に業務改善!
  営業日報は100%必要ない
 Part6 今日から会議は「2週間に1回30分」だけにしなさい

2)本書から学んだこと
 ・結果を出すための方法はいたってシンプル!
  それは「目標に焦点を当てる」「行動量を増やす」この2つ!
 ・焦点が当たれば「空白」を埋めようと「想像力」が働く!そして行動!
 ・「白地」をいかに作るか!これが重要!



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