企業論/組織論 (5): ビジネス書のエッセンス(ビジネス書 書評ブログ)

2011年06月19日

「感受性」こそ大事な要素!『日本でいちばん大切にしたい会社(坂本光司著)』(後編)


日本でいちばん大切にしたい会社
  • 坂本光司
  • あさ出版
  • 1470円
Amazonで購入


前回に引き続き、今回も日本でいちばん大切にしたい会社を取り上げます。

前回は
 第1部 会社は誰のために?
を中心にレビュー記事をかいたのですが、今回は
 第2部 日本でいちばん大切にしたい会社たち
で取り上げられた5社の内容を見ながら、【日本でいちばん大切にしたい会社たち】【”日本でいちばん大切にしたい会社たち”からの考察】【本書の感想】という点からレビュー記事を書きたいと思います。


【日本でいちばん大切にしたい会社たち】
本書では「日本でいちばん大切にしたい会社たち」として5社取り上げられております。
本書を読んでいただいた方が、その会社の良さが伝わるとは思うのですが、自分が感銘した部分を中心に、5社のうち2社をを簡単に紹介したいと思います。本当は全てを紹介したいのですが....残りは本書をご覧ください....(^^;)

■日本理化学工業株式会社
日本理化学工業と言えば、障がい者雇用として有名な会社です。従業員のうち7割が障がい者なのです。
本書には書かれてはおりませんが、日本理化学工業のホームページにはビジョンとして以下の通り書かれております。
ビジョン/目標
日本一強く、優しい会社を目指す。
経営的にも強く、精神的にも強く、人に優しく接することができ、人と環境に優しい商品を作り続ける。

(「日本理化学工業 ホームページ」より引用)

50年以上にもわたって障がい者を雇用し続けてはおりますが、当初、障がい者を採用するにあたっては相当悩まれたようです。

1959年、当時、専務であった大山泰弘さんに先生が「今度、卒業予定の生徒を、是非、採用していただきたい」とお願いしたことが全ての始まりでした。当初は断っていたのですが、先生の頭を地面にこすりつける姿を見て「一週間だけ就業体験を」ということで働かせることにしたのです。一週間の就業体験で一生懸命働く姿を社員が見て社員全員が心を動かされ、「来年4月から、正規の社員として雇ってほしい」と懇願したのです。これに心を動かされた大山さんは、2人に働いてもらうことにいたしまいた。

以来、障がい者を採用し続けております。とはいえ、当初は大山さんも「会社で毎日働くよりも施設で暮した方が幸せではないか?」と思ったそうです。その疑問を解決したのが、ある法事の席で一緒になった禅寺のお坊さんの答えでした。
「そんなことは当たり前でしょう。幸福とは
 @人に愛されること、
 A人にほめられること、
 B人の役に立つこと、
 C人に必要されること
です。そのうちの
 A人にほめられること、
 B人の役に立つこと、
そして
 C人に必要されること
は、施設では得られないでしょう。この三つの幸福は、働くことによって得られるのです。その四つの幸せの中の三つは、働くことを通じて実現できる幸せなんです。だから、どんな障がい者の方でも、働きたいという気持ちがあるんですよ。施設のなかでのんびり楽しく、自宅でのんびり楽しく、テレビだけを見るのが幸せではないんです。真の幸せは働くことなんです」

(本書より)

大山さんにとっては目からウロコの考え方でした。

とはいえ、当初は苦労の連続でした。障がい者の方が十分に働くことができるように、工程を変えたり、工夫したしたそうです。

そうやって取り組んでいくうちに「能力に合わせて作業を考え、その人に向いている仕事を与えれば、その人の能力を最大限に発揮させることができ、決して健常者に劣らない仕事ができることがわかった」(本書より)そうです。

実際、知恵を働かせることによって開発された商品は多くあります。
中でも「キットパスきっず 12色」は第18回日本文具大賞機能部門優秀賞を受賞しております。

障がい者の働きは、健常者の方にも影響を与えているようです。本書には、大山さんが答えたその理由を以下のように書かれております。
「自分も社会に貢献しているんだという、思いがあるからだと思います。一介の中小企業ではありますが、そこに勤めて、自分も弱者の役に立っている、社会の役に立っている、という自負が、社員のモチベーションを高めているのではないでしょうか」
(本書より)


■伊那食品工業株式会社
長野県伊那市にある伊那食品工業は寒天メーカーです。

食品工業というと、あまりパッとしない”斜陽産業”のイメージがあります。
だが、伊那食品工業はそんな中でも昭和33年の創業から平成18年までの48年間もの間、増収増益を続けてきたという驚きの会社なのです。特に48年間も利益を増やし続けることなど”驚異”としか言いようがありません。

しかし、伊那食品工業の本当の素晴らしさは経営理念にあります。

伊那食品工業の社是は「いい会社をつくりましょう」だそうです。
「いい会社」と表現しているのには理由があります。それは、社是を補足した文章を見ればわかります。
いい会社とは
単に経営上の数字が良いというだけでなく、会社をとりまくすべての人々が、日常会話の中で 「 いい会社だね 」 と言ってくださるような会社の事です。 「 いい会社 」 は自分たちを含め、すべての人々をハッピーにします。
そこに 「 いい会社 」 を作る真の意味があるのです。

(「伊那食品工業ホームページ」より引用)

こうしてみてみると、「数字を追いかけるのではなく、社員、取引先、そしてお客様のハッピーを考えている」会社だということが分かります。

その姿勢は経営にも表れております。

経営方針として挙げているのが以下の3つです
 1.無理な成長を追わない
 2.敵をつくらない
 3.成長の種まきを怠らない

(本書より)

そして、それは製品作りにも活かされております。
寒天という食料品は今までと同じであれば、お客様にそっぽを向かれてしまいます。伝統を大事にしながらも、創意工夫を凝らし、新しい付加価値を加えながらお客様に提供しております。

数字は追いかけてはいないが、社員、取引先、そしてお客様のハッピーを考える!そして、その姿勢が結果として48年間の増収増益につながったと思われます。


【”日本でいちばん大切にしたい会社たち”からの考察】
【日本でいちばん大切にしたい会社たち】から、「考察すべき点」と思ったところ、そして自分なりに考察した結果を以下に記載します。

■『ビジョナリーカンパニー』との共通点
まず思ったことがこのことでした。

本書であげている会社の経営理念や結果を見ていると「『ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則』であげていることと似ているな」と思えたのです。

ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則』では「MBAなどで「成功企業の大きな要因」とされてきた以下の12の神話を打ち消す」ところから始まります。

この神話の否定のうち、以下の個所は本書であげられている5社と通じている」と感じたのです。
神話3:とくに成功している企業は、利益の追求を最大の目的としている。
⇒ 株主とか利益は目的にも原動力にもしていない。しかし結果として利益を
  上げることに成功している。

神話4:ビジョナリーカンパニーには、共通した「正しい」基本的価値観がある。
⇒ 基本的価値観に「正解」と言えるものはない。理念の内容ではなく、いかに
  深く一貫として信じているかがポイントである。

神話5:変わらない点は、変わり続けることだけである。
⇒ 基本的価値観は揺るぎなく、時代の流れや流行に左右されることはない。

神話10:もっとも成功している企業は、競争に勝つことを第一に考えている。
⇒ 自らに勝つことを第一に考えている。

神話11:二つの相反することは、同時に獲得することはできない。
⇒ どちらが良いかという二者択一のORを拒否しANDの才能を大切にしている。

(『ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則』より引用)

そして、『ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則』を読んだときに重要な個所だなと思った個所が以下の個所です。
 ・企業としての理念を持ち、その理念が本物であり、企業がその理念を貫き通す
 ・企業としての基本理念は変わらずに進歩を促し続ける

こうしてみると、理念を信じ、両社ともその信念を貫き通していることが分かると思います。
そして、「数字を第一目標にすることにはせずに、結果として利益を上げることに成功している」ということも。

ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則』は名著として幅広い経営者に読まれている著書ですが、こうしてみると、「経営の核となる部分というのは洋の東西を問わないものだな!」と思いました。


【本書の感想】
5社の経営理念には素晴らしさを感じましたが、それ以上に素晴らしいと思ったのが「著者の感受性」でした。

経営学の教科書通り数字だけを追いかけると、おそらくこれらの企業を見逃してしまうでしょう。

しかし、「企業において大事なのは何か?」ということを感受性を持って見たからこそ、これらの素晴らしい企業を見出したと思います。そのような素晴らしい感受性を持って企業を見て、そして企業とお付き合いしてきたからこそ、取り上げた企業の素晴らしさをこのような形の本で多くの読者に感動を与えることができたのだと思います。

そして、本書で取り上げられた企業も「感受性豊かな」企業と言えます。経営者は企業存続のためには数字を追いかけるものなのですが、社員を大切にし、思いやる。その姿は「感受性豊か」な経営者でなければできません。そうした経営者の「感受性」を感じているからこそ社員も応えようと頑張る!それが、これらの企業ではお客様に感動を与え、結果的に業績に結び付いているのではないかと思いました。

本書に取り上げた以外にも、「感受性豊かな」、そして業績をあげてきた企業はまだまだたくさんあると思います。それらの企業と、もっと出会たいと思いました。出版社をはじめとしたメディアのみなさん、よろしくお願いしますよ!

日本でいちばん大切にしたい会社

1)本の内容
第1部:会社は誰のために?
第2部:日本で一番大切にしたい会社たち
1:障害者の方々がほめられ、役立ち、必要とされる場をつくりたい(日本理化学工業株式会社)
2:「社員の幸せのための経営」「戦わない経営」を貫き、四八年間増収増益(伊那食品工業株式会社)
3:「人を支える」会社には、日本中から社員が集まり、世界中からお客様が訪ねてくる(中村ブレイス株式会社)
4:地域に生き、人と人、心と心を結ぶ経営を貫いていく(株式会社柳月)
5:「あなたのお客でほんとうによかった」と言われる、光り輝く果物店(杉山フルーツ)

2)この本から学んだこと
 ・素晴らしい企業の根幹は洋の東西を問わない!
 ・「豊かな感受性」こそが「大事なもの」を発見できる!

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posted by まなたけ(@manatake_o) at 23:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | 企業論/組織論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「日本で一番大切にしたい会社」とはどんな会社か?『日本でいちばん大切にしたい会社(坂本光司著)』(前編)


日本でいちばん大切にしたい会社
  • 坂本光司
  • あさ出版
  • 1470円
Amazonで購入


今回取り上げた坂本光司さんの著書日本でいちばん大切にしたい会社は、いろいろな本にて参考書籍として取り上げられている名著です。

私は、以前レビュー記事を書いた社員みんながやさしくなった(渡邉幸義著)』チーム・ファシリテーション 最強の組織をつくる12のステップ(堀公俊著)』で本書の存在を知り、読んでみたいと思うようになりました。

本書を読んでみて、取り上げられている会社の経営者の理念に感銘を受けるとともに、「素晴らしい会社の条件とはこういうことなんだな?」という気づきみたいなものを与えられたような気がします。

本書は以下の
 第1部 会社は誰のために?
 第2部 日本で一番大切にしたい会社たち
という2つのパートに分けられて構成されています。

今回は、”第1部 会社は誰のために?”という部分に触れ、【本書のポイント】【本書のポイントからの考察】【本書の感想】という点からレビュー記事を書きたいと思います。


【本書のポイント】
本書を読んで「ポイントとなる」と思ったところを以下に記載します。

■「五人に対する使命と責任」を果たすことが会社経営の責務
本書では、会社経営の責務について、「以下の五人に対して責務を果たす必要がある」と述べております。

一.社員とその家族を幸せにする
二.外注先・下請企業の社員を幸せにする
三.顧客を幸せにする
四.地域社会を幸せにし、活性化させる
五.自然に生まれる株主の幸せ
(本書より)

ここのポイントは「社員とその家族を幸せにする」が一番目にきており、「顧客を幸せにする」が三番目にきていることです。普通に考えると1番目に「顧客」がくるものです。しかし、一番目に「社員とその家族」としているのに、著者は以下の理由をあげています。

私が社員を一番目にあげる理由は、お客様を感動させるような商品を創ったり、サービスを提供したりしなければいけない当の社員が、自分の所属する会社に対する不平や不満・不信の気持ちに満ちているようでは、ニコニコ顔でサービスを提供することなどできるわけがないからです。
所属する組織に対する満足度が高く、帰属意識の高い社員でなければ、お客様が満足するようなサービスを提供することなどとうていできませんん。目の肥えたお客様には、うわべだけのニコニコ顔は、すぐにバレてしまいます。
(本書より)

では、「顧客」が社員の下に来ているのはどういう訳でしょうか?本書では以下のように書かれています。

お客様がいなければ創ればいい。創ることが、会社の本当の使命なのです。
創る人は誰かといえば社員です。自社への不平・不満・不信でいっぱいの社員では、感動とサービスを期待しているお客様に応えることなどできるはずがありません。
社員満足度を高め、外注企業の満足度を高めれば、必然的に顧客満足度を高めることができるのです。
(本書より)

では、「外注先・下請企業の社員」が「社員」と「顧客」の間にきているのはなぜでしょうか?
著者は「外注先・下請企業の社員」を「社外社員」と呼び、社員と同じと考えているからです。

■業績ではなく会社の継続が第一
著者は「会社の継続が第一」と述べております。
通常、経営学では「業績をあげることが第一」と言っているのですが、「会社の継続」を第一に挙げているのはなぜか?

業績を第一に考えると、会社が不況の波にさらされたとき、利益をあげるためにリストラなどの雇用に影響がでるからです。そうなると社員のモチベーションが下がります。

業績をあげることは会社継続のために必要なことです。しかし、「業績は会社継続のための”手段”であって”目的”ではない!」ということです。著者が「会社継続が第一」と言っている意図は、ここにあります。

■会社がうまくいかない本当の理由は内側にある
著者は「企業経営に関しての問題の99.9パーセントは内、つまり会社の内部にある」(本書より)と言っております。
もう少し具体的にいうと、五人に対する責任、特に「社員」に対する責任を果たしていないということです。

会社が不況の波にさらされたとき、それを克服できるのは「社員の力」です。その社員がモチベーションをもって働ける環境でなければ不況を克服できません。

著者は以下のように言っております。

景気は与えられるものではなく、創るものです。お客様が喉から手が出るほどほしい商品を創り、提案すればいいのです。(本書より)

これは、20年、30年と連続で増収増益を続けている会社を著者が見てきているからです。


【本書のポイントからの考察】
【本書のポイント】から、「考察すべき点」と思ったところ、そして自分なりに考察した結果を以下に記載します。

■「五人に対する使命と責任」の順番は?
端的にいうと「なぜ社員が一番なのか?顧客が一番ではないのか?」という疑問です。

これについて言うと、経営者の視点で考える場合と社員で考える視点とでは違いがありそうです。

私は経営者の視点で見た場合は著者の意見に賛成です。

「会社が存続するためには対価を払ってくださるお客様がいないと存続できない。だからお客様を大切にしなければならない」という考え方は当然あります。しかし、お客様に提供する商品を創ったり、サービスを提供するのは、当の社員たちなのです。(個人事業主のように、経営者が自らサービスを提供するなら別ですが)社員が不満タラタラの環境で働いても、社員が離反する、もしくは手を抜くことを考えてしまいます。そして、結果的にそれはお客様に伝わってしまいます。

従業員満足度が高い環境を提供できれば、会社への忠誠心も高まり、社員の創造力も発揮できます。結果、それはお客様に感動を与える商品やサービスの提供につながっていきます。

その例としてあげるとすれば、やはりディズニーランドや星野リゾートでしょう。
この2社の具体的事例はいろいろな書籍などでも参照できるので、詳しくは、そちらをご参照ください。

ただし、社員の視点で見た場合は、やはり「お客様」になるのではないか?と思います。

実際に商品やサービスを提供するのは、現場にいる社員です。その社員がお客様について一番よく知っているはずです。お客様に感動を与えることができる商品やサービスを創ることができればお客様はついてきますし、結果、売上にもつながっていきます。売上があがることによって、会社は継続していきます。(とは言っても、簡単なことではないのですが....)
そういう意味では、「経営者と社員が共存共栄の関係をいかに構築するか?」がカギを握ると言えそうです。

■「業績が第一」ではないのか?
「業績が伴わなければ会社は存続しない」。これはその通りです。会社が継続するためには業績が必要です。

しかし、本書で言っているのは「業績を目的化することによって、社員をないがしろにしてはいけない!」ということです。具体的には「リストラなどによって社員の首を切った結果、残った社員に負担がかかり、あるいはモチベーションの低下により、結果的に業績が下がることになる。結果、会社が存続しないことになる」ということです。

本書では「業績は会社が存続するための手段であって、目的ではない」と言っております。

「業績は確かに必要であるが、業績を生みだすためには社員の力が必要であり、それを発揮する環境を創りだすのが経営者の責務である!」という考え方には共感いたします。

■本書で伝えたかったこと
本書で伝えたかったことは2つあると思います。

一つは「理由を外部ばかりに求めずに、中小企業でしかできないオンリーワンを目指せ!」ということだと思います。

中小企業は大企業と違い、小回りが利きます。従って、「納期が短く、スピードが速い仕事、試作的・開発的な仕事をやるべき」(本書より)と述べております。それは、本書で紹介されている企業がやってきたことでもあります。

そしてもう一つは「心にしみる会社を増やそう!」ということだと思います。

心にしみる会社とは「感動を与える会社」です。本書に登場する会社は「五人に対する使命と責任」を果たしながら会社を継続してきた会社ばかりです。業績第一ではなく、本書を通じて「感動を与える会社が増えて欲しい!」、これが著者のメッセージではないかと思います。


【本書の感想】
第一部で書いてある内容は本当にすばらしいと思いましたし、共感をする部分もありました。
その反面、「書いてあることは素晴らしいが、いざ、自分たちがやるとなったらどうなんだろう」と思いました。そして、多くの中小企業の経営者の方々も「きれいごとばかりで、実際のところはわかっちゃいない!」と思っている方も多いのではないかと感じたかと思います。っして、紹介されている企業も、「相当覚悟を持って取り組んできたんだろうなあ」と思います。

とはいえ、第2部で書かれている企業は本当に素晴らしく、本書を通じて感動を与えてもらえる企業ばかりです。著者は、そのような企業を肌身で知っているからこそ、第1部で書かれた内容を言いきれるのかな?と思いました。

「感動を与えられる企業が増えて欲しい」という思いは、誰しもが思う願いだと感じているからこそ、本書に感動する方が多いのではないかと思います。

日本でいちばん大切にしたい会社

1)本の内容
第1部:会社は誰のために?
第2部:日本で一番大切にしたい会社たち
1:障害者の方々がほめられ、役立ち、必要とされる場をつくりたい(日本理化学工業株式会社)
2:「社員の幸せのための経営」「戦わない経営」を貫き、四八年間増収増益(伊那食品工業株式会社)
3:「人を支える」会社には、日本中から社員が集まり、世界中からお客様が訪ねてくる(中村ブレイス株式会社)
4:地域に生き、人と人、心と心を結ぶ経営を貫いていく(株式会社柳月)
5:「あなたのお客でほんとうによかった」と言われる、光り輝く果物店(杉山フルーツ)

2)この本から学んだこと
・経営者にとって「五人に対する使命と責任」が重要責務!
 ・その中でも「社員とその家族を大切にする」ことが一番重要!
 ・「業績」よりも「継続」が第一!
 ・「心にしみる会社」を!


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posted by まなたけ(@manatake_o) at 01:09 | Comment(2) | TrackBack(0) | 企業論/組織論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月15日

「職場が壊れる」要因は一体何なのか?『不機嫌な職場(高橋克徳/河井大介/永田稔/渡部幹著)』


不機嫌な職場~なぜ社員同士で協力できないのか
  • 河合太介_::_高橋克徳_::_永田稔
  • 講談社
  • 756円
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会話が少ない!相談などをすることなく、ただ、黙々と仕事をしている!深夜残業や切羽詰まった人がいても、声を掛けようとしない。そして、「孤独感」「プレッシャー」「ストレス」から、責任感の強い人から潰れていく....
そんな「ギスギスした職場」が増えていませんか?

しかし、そのような「ギスギスした職場」にいる人は冷たい人ばかりか?というと、決してそんなことはありません。話をすると、いい人たちばかりです。むしろ「困っている人がいたら助けてあげたい!職場をよくしたい!」と思っている人が多い位です。でも、「ギスギスした職場」が増えている!

今回取り上げた『不機嫌な職場~なぜ社員同士で協力できないのか (講談社現代新書)』は
 1)なぜ「ギスギスした職場」が生まれるのか?
 2)「ギスギスした職場」から脱却するには?

を社会心理学の立場から書かれた著書です。社会心理学と言うと「なんか難しそう!」と思うかもしれませんが、書いている内容は思い当たることばかりなので、読みやすいと思います。

本書のポイントを以下に記載します。

【なぜ「ギスギスした職場」は生まれるのか?】

原因の一つとして「仕事の専門化、細分化、成果主義」を挙げています。

しかし、問題なのは「仕事の内容そのもの」よりも、「自分の状況を分かってもらえない」状況にありそうです。

例えば、たとえ辛い状況であったとしても、自分を支えてくれる仲間がいると、モチベーションを保って何とかやり遂げることができるものです。しかし、近年、「助けて欲しいときに気がついてもらえなかった!きちんと対応してもらえなかった!」という状況が多いのではないでしょうか?

これを繰り返してしまうと、人間は「何もしないほうがよい!」ということを学習してしまいます。本書によると、これを 「学習性無力感」 と言うそうです。

その結果、自分の心と体を守るために、自分の内と外に明確な境界線を引き、踏み込ませないようにする、踏み込んできたら防御しようと強く抵抗するようになります。

本書の中に、その構造を分かりやすく書かれているフロー(関係の希薄化を生み出す構造)があるので、以下にご紹介します。
関係の希薄化を生みだす構造.png

上にあげたフローは簡略化して書かれたものなので、実際の要因は複雑だと思います。でも、職場を見てみると、思い当たることはありませんか?
例えば
・自己完結、閉じた働き方、職場環境
を考えてみると、
「プレゼン資料を作る担当となった。資料の内容を考えると、結局一人でやらざるを得ない!しかも期限を考えると、どうしても連日深夜残業でやらないと間に合わない!しかも、これをやり遂げなければ、自分の成果として認められない.... 」
このような状況を想像しながらフローを見てみると、「あながち、外れたものではない!」ということが分かります。

このような状態を、本書では「タコツボ化」と呼んでおります。
タコはタコツボの中で籠って生活しております。その状態を考えると、「タコツボ化」が想像できると思います。

【「ギスギスした職場」から脱却するには?】
本書に書かれている提案としては、
 ・相手の問いかけに応答する
 ・相手の好意に感謝する
ということです。
「なんだ、そんなことか!」と思うかもしれませんが、された方は「心地よい感覚を持つ」と思います。

その一例がSNSだと思います。
ツイッターが人気を博しているのは、「”応答してくれる”ことに対する心地よさ」を感じているからだと思います。ツイッターでやり取りをしている方はそれを感じると思います。対面でも同じことだと思います。

しかし、本書の中で方策は提案されているものの、「すぐ解決するわけでも、効果がでるものでもない」と言っております。そして、「築城三年落城一日」という言葉と使って、その困難さを表しております。

とはいえ、「応答する」「感謝する」「笑顔」ということは自分一人でもできることです。自分ができることで仲間との関係性が深まるのであれば、それが第一歩になると思います。

現在、身の周りに起こっている状況をフローではっきりと認識すると同時に「打破するためには、まずはできることからやってみる!」それが大事だな!と思いました。

不機嫌な職場~なぜ社員同士で協力できないのか (講談社現代新書)

1)本の内容

 第一章:いま、職場で何が起こっているのか
 第二章:何が協力関係を阻害しているのか
 第三章:協力の心理を理解する
 第四章:協力し合う組織に学ぶ
 第五章:協力し合える組織をつくる方法
 最終章:協力への第一歩の踏み出し方

2)この本から学んだこと
 ・「タコツボ化」が職場を壊す!
 ・職場環境の回復には「応答」「感謝」から!



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posted by まなたけ(@manatake_o) at 22:54 | Comment(0) | TrackBack(0) | 企業論/組織論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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