大前研一 (3): ビジネス書のエッセンス(ビジネス書 書評ブログ)

2010年10月28日

サラリーマン「再起動」マニュアル(大前研一著)(前編)


サラリーマン「再起動」マニュアル

サラリーマン「再起動」マニュアル

  • 作者: 大前 研一
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2008/09/29
  • メディア: ハードカバー



1)本の内容
・[イントロダクション]志のあるサラリーマンは、きつい仕事を厭わない
・[現状認識]なぜ今「再起動」が必要か?
・[基礎編]「再起動」のための準備運動

2)この本から学んだこと
・「新大陸」の出現により、「新大陸」に適応することが求められている
・その準備運動として以下の3点を行う
  @タイム・マネージメント
  A英語
  Bお金の使い方

正直いってハンマーで殴られた感覚をいたしました。
なぜなら、自分も「フリーズしてるため”再起動”が必要!」と思ったからです。

この本では、以下のキーワードとなる言葉が出てまいります。

 ●フリーズ
  本来はコンピュータが何らかの原因で動かなくなる状態のことをさす。
  これに類して、本書では「”ぬるま湯”に浸って何もしようとしない
  サラリーマン」を指す。

 ●再起動
  本来は動かなくなったコンピュータの電源を入れなおし、再度起動する
  ことを指す。これに類して、本書では「何もしようとしなくなったサラ
  リーマンが”新大陸”でも適合できるようにする」ことを指す。

 ●旧大陸
  元来のサラリーマン社会を指す。うまく立ち回っていき、問題を
  起こさなければ出世できる”エスカレーター”式の社会。

 ●新大陸
  世界の人口の約5分の1がURLをもち、約3分の1がネットにつながって
  いる「サイバー」社会。この社会では中間管理職の役割が意味をなさなく
  なり、油断すれば給料がさがり、リストラされる。

恐らくこのホームページを見ている大半の方は感じていると思いますが、今、我々は”大きな転換点”の狭間にいると感じています。本書の言葉を借りると「パソコンとインターネットが一般に普及しはじめ、何もかもがアナログからデジタルへ、リアルからバーチャルへ、モルタル(現在の店舗)からクリック(サイバービジネス)へと急速に移行していった。そして、それ以降の25年を細分化すると、5年周期に大きな転換期を迎えており、現在は、旧世代の残滓が一掃される最終段階の激変期に突入している。(本書より)」という状況です。

そして、プロジェクト・ベースの組織が主流になりつつあります。

プロジェクト・ベースの組織とは、プロジェクト毎にマネージャーがおり、マネージャーがメンバーの選抜も含め、プロジェクト遂行の全責任を負います。

したがって、プロジェクト・マネージャーはメンバーを使って稼ぎ頭となり、プロジェクト・マネージャーに選抜されないサラリーマンは徐々に淘汰されるようになります。

そしてこの変化に対応できない年代が30代後半〜40代といわれております。

これに対応するための準備運動として大前氏が提唱しているのが
  @タイム・マネージメント
  A英語
  Bお金の使い方
です。

「再起動」の具体的内容は次回に書くとして、大前氏は今の日本の現状に非常な危機感を覚えております。世界の周りの国が急成長を遂げていく中、日本人に対し「ぬるま湯につかりフリーズしている」という言葉で表現をしております。

自分自身に対し危機感を覚えていたことが、この本にズバリと書かれておりました。

そのため、冒頭で「ハンマーで殴られた」と書いたのです。

はたして再起動するためには?
このことについては次回に書きたいと思います。

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2010年10月19日

大前研一の新しい資本主義の論点(大前研一編)(後編)


大前研一の新しい資本主義の論点

大前研一の新しい資本主義の論点

  • 作者: 大前 研一
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2010/08/06
  • メディア: 単行本



1)本の内容
・経済と金融
・企業
・グローバリゼーションと新興経済
・技術と環境

前編でも書きましたが、本書は
 ・経済と金融
 ・企業
 ・グローバリゼーションと新興経済
 ・技術と環境
という4章で構成され、ハーバード・ビジネス・レビュー誌に掲載された論文のうち、”ニュー・ノーマル”という観点から書かれた論文を大前研一氏が編著した形となっております。

掲載された論文の著者を見ると
 ・2008年のノーベル賞経済学賞を受賞したポール・R・グルーグマン氏
 ・行動経済学の第一人者であるダ・アリエリー氏
といったメンバーが名を連ねております。

本書に掲載された論文の特徴を総じて言うと
 ●経済と金融
   「市場は最終的には合理的な判断を下す」といった”市場論理主義”の論調は影を
   ひそめ、「ある程度の規制は必要だ」という”規制された資本主義”を焦点とした
   論文が多い。
 ●企業
   ”株主主義”を否定し、「企業の信頼を回復するためにはどうすればよいか」とい
   った提言の論文が目立った。その中で、マッキンゼーが近未来を予測するレポート、
   およびインターネット社会となった今では避けては通れない”プライバシー問題”
   に関する論文が掲載された。
   特に”プライバシー問題”に関する論文は、本章の多くのページをさいており、
   重視する姿勢が見られた。
 ●グローバリゼーションと新興経済
   本書で最も多くのページを割いているのがこの章である。それだけ新興国の経済
   成長に注目していることが伺える。単に新興国の成長性を述べただけでなく、その
   ”構造の変化”について述べられている論文が多い。そしてその構造の変化は”国
   家資本主義”など、今まで先進国の常識とは違った要素を持ち、それに対し「先進
   国はどのように対処すべき」かが述べられている。
   また、アフリカに注目が集まっていることについて触れられている論文も多い。
 ●技術と環境
   ウェブ新時代、環境、バイオ、エネルギー問題といった現在注目を集めている問題
   に対する企業行動を提言する内容が多い。
   ただし、この章は本書の中で最もページ数が少ない章。
といったところでしょうか?

内容はさておき、私が本書を読んでみて感じたことは、「本全体からのメッセージがいまいちぼやけている」ということです。


それは
 ・論文を集めた構成となっているため、本全体のストーリが無い
というところにあるような気がします。

「この論文では言いたかったことはこういうことなんだ」と、パーツ・パーツでは分かるのですが、全体と通してみると「はて?タイトルにある”新しい資本主義の論点”って結局なんだったの?」という気持ちになってしまいました。

”論文を集めた”構成となっているため、これはある意味仕方が無いのかもしれません。

ただ、「本を読む限りにおいて、”この本のメッセージはなんだったのか”というものを感じたい」という気持ちは読み手にはあるものです。

このため、この本を読んで一番面白かったのは大前氏が書いた”序章”という、なんとも不思議な気持ちにされられた本でした。

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2010年10月18日

大前研一の新しい資本主義の論点(大前研一編)(前編)


大前研一の新しい資本主義の論点

大前研一の新しい資本主義の論点

  • 作者: 大前 研一
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2010/08/06
  • メディア: 単行本



1)本の内容
・序 ポスト金融危機の経営戦略

2)この本から学んだこと
・金融危機の落ち着きを取り戻した現代は「ニュー・ノーマル」という
 新たなる秩序が形成されつつある
・金融危機後も中国・インド・ブラジルといった新興国は成長をつづけている
・特に中国は世界の勢力図を塗り替える勢いである
・日本は退路を断って新興国市場にシフトする必要がある。
 でないと、国とともに共倒れする。


本書はハーバード・ビジネス・レビュー誌に掲載された論文のなかから”金融危機後の資本主義のあり方”を論じた論文を大前研一氏が編集した内容となっております。

本書は
 ・経済と金融
 ・企業
 ・グローバリゼーションと新興経済
 ・技術と環境
という視点で大前研一氏が選んだ論文が掲載されております。

しかし、今回取り上げたいのは、大前氏が自ら書いた”序章”についてです。

序章では”ポスト金融危機の経営戦略”について、大前氏の見解が述べられております。

序章のポイントは以下の点です。
 ・金融危機後に今までの常識とは違う”ニューノーマル”が登場した
 ・世界経済の成長エンジンは先進国から”内需の強い新興国”に移っている
 ・新興国の成長を支えるのは、先進国では投資の行き場がなくなった
  ”ホームレスマネー”である
 ・世界経済地図はアメリカ、EU、中国の3体制に変化する
 ・日本が決断すべきことは”成長市場へのシフト”である
  (日本国内に留まっていても成長は見込めない!)
 ・新興国に乗り込み腰を落ち着け、地道な活動を続けられる人材が社内に
  いるかが、日本企業の盛衰を分けることになる

私はこの序章だけでも読むに値すると思いました。
現在の状況を端的にまとめられているからです。

特に注目したいのは成長市場である新興国に対する企業への提言です。大前氏は日本企業および日本人に対し、以下のことを述べております。

「少子高齢化に歯止めがかからず、もはや国内市場の成長が見込めない日本企業は、退路を断って成長する新興国に出て行かなければ生き残れない。(中略)・・・しかし日本人の多くは、そんな発想、決意がまったくできていない。企業は海外市場に尻込みするどころが、むしろ撤退傾向にある。バブル期に華々しく世界に出て行った銀行、百貨店も、いまはほとんど日本に戻っている。若者たちの間でも海外留学を望む者は減っているし、商社や外資系企業に就職しながら海外赴任を拒否する者も少なくない。個人資産は相変わらず国内の銀行に積まれたままで、めぐりめぐって国債を消化するための原資になっている。日本人全員が内向き、下向き、後ろ向きになっているのだ。(本書より)」

「日本国内に留まっていても成長は見込めない!」というのは今や日本人は誰もがわかっていることなのですが、それに対する行動をとらない日本人に対し、警告を発しております。

現に、大前氏の警告は一部の企業から別の形でメッセージとして我々に突きつけられております。

それは”英語の社内公用語化”というメッセージです。

報道の通り、楽天では「英語を社内公用語として用いる」ことを発表しました。
それは「今後企業として成長していくためには国内に留まるだけではだめで、海外に積極的にでていかなければならない。そして、海外の人間とコミュニケーションをとりながらビジネスを進めなければ生き残っていけない」というメッセージと受け取りました。

今後、”英語の社内公用語”化は他の企業にも広がっていくでしょう。

日本が今後成長していくためには...その問いかけが我々日本人に突きつけられている...

そのような思いで読んだ序章でした。

次回は
 ・各カテゴリーに記載された論文
について書きたいと思います。

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