大前研一 (2): ビジネス書のエッセンス(ビジネス書 書評ブログ)

2010年12月23日

お金の流れが変わった!(大前研一著)


1)本の内容(今回取り上げた範囲)
・第1章:超大国「G2」の黄昏
・第2章:お金の流れが変わった!
・第3章:二十一世紀の新パラダイムと日本
・第4章:新興国市場とホームレス・マネーの活用戦略

2)この本から学んだこと
・お金はBRICsのみならずVITAMINにも流れている
・少子高齢化の日本は今のままでは成長はありえない
・今後の日本が成長していくには新興国にもっと目を
 向けるべき
・日本独自の技術をもっと海外で活用すべき

今回はR+さんからの献本である大前研一氏の最新作『お金の流れが変わった!』を取り上げます。 


大前氏は最近精力的に著書を出版されております。
その中で展開している論調を簡単にまとめると以下のような内容になります。
 ・世界はアジア、アフリカの新興国に熱い視線を
  そして”ホームレス・マネー”を注いでいる
 ・現在の日本はますます内向きになっている
 ・少子高齢化の日本は今のままでは成長は難しい
 ・日本はもっと新興国に注目し、進出すべき


本書の内容も、最近の他の著書と同様、上記の論調におおむね沿った形で書かれております。

その中で注目した内容は
 ・お金の流れが”VITAMIN”へ注がれている
 ・政権交代は間違いだった?
 ・少子高齢化の日本の成長戦略

です。

それぞれどのようなものかをご紹介したいと思います。

【お金の流れが”VITAMIN”へ注がれている】
日本でよく知られている新興国といえば”BRICs”ではないでしょうか?
BRICsとは”ブラジル”、”ロシア”、”インド”、”中国”の英語の頭文字をとって付けられた名前です。これはゴールドマン・サックスが2001年の投資家向けレポートで初めて使ったのが由来となっております。しかし、最近は”BRICs”に負けず劣らず注目されている国があります。それが”VITAMIN”です。

”VITAMIN”とは”ベトナム”、”インドネシア”、”タイ”、”トルコ”、”アルゼンチン”、”南アフリカ”、”メキシコ”、”イラン”、”イラク”、”ナイジェリア”の英語の頭文字を取ったものです。ちなみに”VITAMIN”は大前氏の造語です。

”VITAMIN”が注目される理由として、”BRICs”に続く注目の新興国としてゴールドマン・サックスが”NEXT11”として発表しております。その”NEXT11”とは”イラン”、”インドネシア”、”ベトナム”、”エジプト”、”韓国”、”トルコ”、”ナイジェリア”、”フィリピン”、”メキシコ”、”パキスタン”、”バングラディシュ”です。

なぜ、これらの国々が世界から注目されるのでしょうか?
主な理由は
 ・5000万以上の人口を抱えていること
 ・平均年齢が25〜30歳前半であること
 ・低賃金でしかも優秀な頭脳を持つ労働力があること

です。

一方のいわゆる先進国は
 ・少子高齢化が進んでいる
 ・賃金が高い
 ・政策金利が低いため投資に向かない

といった事情を抱えております。

従って、先進国は新興国に目を向け、投資し、現地の優秀な労働力を使って生産し、その国で消費してもらわないと成長できない状況にあるわけです。

【政権交代は間違いだった?】
恐らく大前氏も民主党政権が誕生する前は”積極的な政権交代支持者”だったと思われます。
なぜなら、古い自民党政権下ではいろいろなしがらみがあり、大前氏が描く成長戦略を実現するのはほぼ不可能だからです。

そして、2009年の衆議院選の結果を受け、鳩山内閣・民主党政権が誕生しました。

しかし、その結果は?
 ・普天間基地問題をきっかけとしたアメリカとの亀裂
 ・それに伴う尖閣諸島、北方領土問題の複雑化
などでやったことといえば
 ・事業仕分けといったパフォーマンス
くらい。
しかし、大前氏の指摘した大きな問題は
 ・92兆円超の過去最大予算の計上と、44兆円超の赤字国債の発行
です。このような大幅な赤字国債の発行を続けていくと日本国債の信用低下につながります。そして、もし格付けが下げられた場合、それは長期金利の上昇につながり、雪だるま式に借金が増えていくことを意味するのです。

こうなった場合どうなるか?
そう、ハイパーインフレになります。

このような政策の結果を見て大前氏はどのように本書で語っているのか?
それは以下の文に現れております。

ずばりいおう。多くの国民がいま口には出せないが心のなかで感じていることを。「政権交代は誤りだった!」


みなさんはどう思いますか?

【少子高齢化の日本の成長戦略】
言わずもがな、日本は少子高齢化が進んでおります。
当然、人口は減る一方。そして働き手が少なくなる。。。。
稼ぐお金も減ってくるわけです。

このような状況の国の中で需要を創出し、国内の消費だけで成長戦略を語るのは無理があります。

したがって、海外に目を向けざるを得ないわけです。

また、日本には海外の人々に観光客として来てもらい、国内で消費してもらう必要があります。

そのために何をすべきか?

我々日本人の”知恵”が試されるときに差し掛かっています。


本書は、今まで他の著書の中で展開してきた大前氏の主張を新書にまとめた内容となっております。
しかし、”VITAMIN”という新しい造語や”民主党政権に対する検証”など、最近の出来事を踏まえた形で書かれております。

そして、本書の中でも大前氏独自の視点から、成長戦略が語られております。
そのアイディアには「なるほど〜」と思わせるものもあります。

大前ワールドを堪能するには、読みやすい構成となっている一冊です。

お金の流れが変わった! (PHP新書)


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2010年11月09日

慧眼(大前研一著)


慧眼 <問題を解決する思考> (大前研一通信 特別保存版 Part.W)

慧眼 <問題を解決する思考> (大前研一通信 特別保存版 Part.W)

  • 作者: 大前研一
  • 出版社/メーカー: 日販アイ・ピー・エス
  • 発売日: 2010/11/12
  • メディア: 単行本



1)本の内容
・第1章:教育・ビジネス編
・第2章:経営戦略編
・第3章:政治・経済編
・第4章:観光編

2)この本から学んだこと
・『慧眼』は”本質を見抜く眼力”である
・我々は諸問題に対し『慧眼』を養う必要がある
・型を身に付けるには”守・破・離”が必要である


R+から献本として届いた『慧眼』を読んでレビューを書きました。


本書は、大前研一氏が「過去に執筆した記事」「大前ライブで配信された内容」をもとに各章のテーマにそって編集された内容となっております。

ところで、なぜ大前氏は『慧眼』という本を執筆したのでしょうか?
それは
 ・山積する諸問題を解決できない根本原因は
  「問題解決力を身に付けていない」こと
 ・本書で具体例を示すことで「問題解決の
  トレーニング」をしてもらいたい
という思いからと考えます。
そして、
 ・「問題解決力を身に付けた人材を育成する」
  ことはBBTを創設した大前氏の責務
と考えているところもあるのでしょう。

『慧眼』とは「本質を見抜く鋭い眼力、鋭い洞察力という意味(本書より)」という意味があります。

本書では各章に該当したテーマに対し、我々に「この問題にどのように対応しますか?」と問いかけております。問題への対応策を考えるにあたり「この問題の本質は何なのか?」という”本質を見抜く眼”を求めております。そして、大前氏が「この問題の対応策はこうなんだ!」と回等例を示しております。大前氏の回等例を見るにつけ、「この問題の本質はこうなんだ!」と再度考えるようになります。

型を身に付けるには”守・破・離”が必要です。本書では、提示された問題を考え、大前氏の回答を見たうえで再度離れて考える。この繰り返しで『慧眼』を養っていくことができるものと思います。
(中には”我々が及びもつかない考え”も出てまいりますが。。。)

では、本書に登場した問題の一つを以下に記載します。

『あなたが菅直人とすればイギリスのDAVID CAMERONが言ったbig societyに啓発を受けて"great society”を通じて予算を削減するためのビジョンを如何に練り上げて発表するか?ビジョナリー指導者になりきって演説してみよう!(本書より)』

あなたならどう回答しますか?

大前氏の回答は”本書”をご覧ください。


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2010年10月29日

サラリーマン「再起動」マニュアル(大前研一著)(後編)


サラリーマン「再起動」マニュアル

サラリーマン「再起動」マニュアル

  • 作者: 大前 研一
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2008/09/29
  • メディア: ハードカバー



1)本の内容
・[実践編]「中年総合力」を身につける
・[事業分析編]”新大陸エクセレントカンパニー”の条件
・[メディア編]「ウェブ2.0」時代のシー・チェンジ

2)この本から学んだこと
・ウェブ2.0時代にはアイディアあれば”ブレークスルー”が可能
・まずは”情報収集・整理・分析”に長けることが重要

最後までこの本を読んでみると「結局”サラリーマン「再起動」マニュアル”というのは”ウェブ2.0時代”を生き抜くための心構えを書いた本なのかな?」という印象でした。

前半は「立ち回りをうまく行い、残業代を稼いで生活しているたるんでいる”日本のサラリーマン”に渇!!」という側面が強い内容だっただけにちょっと拍子抜けをしてしまいました。

なぜなら、「感性が鋭い人なら知っている(あるいは肌で感じながらトライしようとしている)」ことを書いているからです。逆に言うと「”ウェブ2.0時代”の時代に無頓着な人が多い」ということかもしれません。

例えば「ソニーのウォークマンのライバルがアップルになる」なんて誰が予想したでしょうか?
でも、デジタルデバイドを活用すれば十分考えられるビジネスモデルであり、それに気がついたアップルが実際にやったため、構図が変わったのです。

このように「ウェブ2.0やデジタルデバイド社会では”今まで考えられなかった企業がライバルになる”」ということが頻繁に起きることを示しております。

では、このような時代に対応するにはどうすればよいでしょうか?

この本に書いている通り、チャンスは「旧大陸の外」にあるものと思っております。
それは「アイディア次第では個人がネットで繋がっている大多数の人間を相手にビジネスができるチャンスがある」ということです。

そのためには”情報収集・整理・分析”する力が必要です。

「”YahooやGoogleで検索されるキーワードを分析し、コンシューマーにアプローチする”といったSEO対策を行った結果、売上が何倍にも跳ね上がった」というのは、”ウェブ2.0時代のチャンスを活用した”よい例でしょう。このように「情報を活用し、発信することによってチャンスは生まれる」と考えております。

幸いにして、今はTwitterやFacebookといった”個人と個人が繋がるためのツール”が用意されております。

この本にも書いているように「我々もシー・チェンジが必要」な時代になってきております。
そして「シー・チェンジ」したものが(ブレークスルー大学院大学に行かなくとも)”ブレークスルー”を起こすことができるものと感じています。

このような時代の中、どんな”ブレークスルー”を起こすことができるのか?

楽しみな時代になってまいりました!!

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タグ:大前研一
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