経済/ビジネス (2): ビジネス書のエッセンス(ビジネス書 書評ブログ)

2013年10月12日

行動するか?しないか?が大きな差となってあらわれる!?『プロフェッショナル ミリオネア』(江上治著)



年収1000万円ならサラリーマンでもスキルと実績があれば到達可能な数字である。だが、年収1億円となると、サラリーマンでは到達し得ない数字である。私も年収1億円の方とはお会いしたことがないだけに、その思考・行動は本を読むことでしか知り得ない。

そんな本でしか知り得ないミリオネアの思考・行動を、本書プロフェッショナル ミリオネア― 年収1億を生む60の黄金則は、著者が行った5人のミリオネアのインタビューを通じて得たエッセンスを示した本である。

本書の編集で特に印象に残ったのが可視化された数字である。本書ではプレジデント誌の特集で実施した「年収1500万円の人と年収500万円台の人の意識・行動の違い」を掲載している。例えば、以下のようにである。

●目的を実現するために必要なことを、「仕事」「プライベート」「健康」など項目ごとにリストアップしている
・年収1500万円以上 33.5%
・年収500万円台 16.6%


●得意なことを、「強み」として仕事に生かせている。
・年収1500万円以上 54.7%
・年収500万駅円台 40.6%


●「やらないこと、やりたくないこと」のリストをつくっている。
・年収1500万円以上 18.3%
・年収500万円台 4.3%


これらの数値を示すことで「年収1500万円以上の人と年収500万円台の人の意識・行動の違いを明らかにしている。これが1億円以上の人との違いとなると、さらに大きな差になるであろう。

本書で示した内容は、恐らく他のビジネス書でも示されている内容である。しかし、「それを徹底的にやっているのか?そうでないのかが大きな差となっている」ということを伝えたかったのではないか?と推察する。

それは第1章の最初に持ってきたタイトルからも分かる。
・01 行動の「結果」でしか、人は変われないと知っているか

実は、私が参加した朝活で、とある方が実践していた自分の読書法をプレゼンテーションされていた。それは「ビジネス書を実践活用するための読書法」である。

その方は楽読教室を開いているが、開業当初は月にわずか10万円前後の売上しかなかったとのこと。しかし、いろいろなビジネス書を読み、試しながら実践していったところ、売上が急上昇したとのこと。やはりビジネス書を読んで「知っているだけではダメ」なのだ。「実践してナンボ」なのである。

このお話を聞いたときに真っ先に浮かんだのが本書である。本書のメッセージと相通ずる話だと思ったからだ。

面白いと思うと同時に、「行動するか?しないか?が大きな差となってあらわれる!行動することがいかに大事か!?」ということを改めて認識されられた本である。


【本書のポイント】


■行動の「結果」でしか、人は変われないと知っているか

 稼ぐための第一歩は、行動を起こすことだ。しかし、頭では行動することの大切さを理解していても、実際に一歩を踏み出せない人は多い。
 勉強熱心で、ビジネス書やセミナーから知識やノウハウを吸収しようとする人のなかにも、そのような人たちは少なくない。知識やノウハウは、知っているだけでは役に立たない。それらを自分の血肉とするには、実際にあ試し、工夫や改善を加えながら、オリジナルに昇華させていく作業が必要なのだ。
 だが、もしいま、あなたが行動を起こす勇気がない人であっても、やり方次第で変わることが出来る。キーワードは「多少の強制力」と「小さな挑戦」である。
(中略)
 行動すれば、何らかの結果は出る。失敗もあるかもしれないが成功もある。その成功を自信にすれば、それが次の挑戦への意欲となる。
 有名な投資家であるウォーレン・バフェット氏が、マイクロソフト共同創業者のビル・ゲイツ氏との対談でこう話しているのを読んだことがある。
 「才能のある人がその能力を発揮できないのは、習慣や性格、考え方が邪魔をして合理性を発揮できないからである」
 成功する人には、成功する人の習慣が身についている。一方で、成功できない人は、成功できない人の習慣のまま、日々を漫然と送っている。
 Kくんは、強制力によって、新しい習慣の一歩を踏み出した。
 いきなり大きな挑戦をするのは勇気がいるだろう。もしいま、あなたが立ち止まっているのなら、まずは小さな挑戦から始めてみることだ。
 それが、とてつもない報酬への第一歩になるのだ。
(本書より P14〜P17)



■具体的なエピソードを語れるか、本質を突いたひと言が言えるか

 ビジネスにおいては、ときに使うだけで理解したようになってしまう言葉がある。
 とくに、英単語をそのままカタカナにしたような日本語に、それが多い。たとえば、スキームやコミットメントといった言葉がそうだ。
 これらの言葉は、適切な文脈のなかで使われる分には理解も容易だが、そうでない場合には、相手が何を言いたいのかを理解するまでにエネルギーを要してしまう。
だが、ビジネスにおいて相手が知りたいのは、
「それで、あなたは何ができるの?」
ということに尽きる。
 問われるのは、自分がこれまで具体的にどのような実績をあげてきたか。数字やエピソードを具体的に語ることができるかどうかだ。
 だが、たとえ実績があっても、具体的なエピソードでは真意が伝わりにくいときもある。モノゴトの本質や、普遍的な真実を伝えるには、具体的なエピソードよりも、本質を突いたひと言のほうがときには強いからだ。
(本書より P79〜P80)



■プロフェッショナルとして「領域」をもっているか

 「二十代のうちは、時間を銀行に預けたつもりで働きなさい」
 こう社員に教えているのは、アースホールディングスの國分利治社長だ。
 國分社長は、できるだけ多くの美容師をフランチャイズオーナーとして独立させるため、経営者の育成に力を入れている。現在、ホールディングス全体でのスタッフ数は二七00名。そのなかで経営者希望のスタッフに対しては、時間の使い方を徹底して教えている。
 まずは三年間、正月以外は休みなしで働くことを課している。
 二十代で基礎的な能力やスキルを集中的に身につけるためには、強制的に修行の環境をつくる必要があるという考え方である。
 さらに、開店の二時間前には店に出て、掃除や開店の準備をする。店が終わってからもマンションなどへのチラシやポスティングをしたり、カットをはじめ技術を磨くための練習をしたりする。
 プライベートを犠牲にして働いた分だけ、一0年後、二0年後の自分に大きな利息がついて返ってくるというわけだ。
(中略)
 はじめから自分が何に向いているのか、自分の得意分野は何なのかを自覚している人はいない。社会人になったばかりのころは、一人前にできることなど何ひとつない状態なのだから、会社から与えられた仕事を愚直にやるのがいい。
 それが自分にとってのプロフェッショナルな領域になっていくのである。
 プロとしての専門性は、一朝一夕で身につくものではない。だが、集中して取り組んだ体験と地道な継続によって、誰にでも備わるものでもあるのだ。
(本書より P117〜P119)



■戦略とは、捨てることと同義であると知っているか

 あなたにやりたいことがあるなら、その実現に向けてとことんやるべきだ。そのためには、それ以外のことを捨てる勇気が必要だ。
 人生の限られた時間のなかで、あれもこれも手を出していては、結局はすべてが中途半端で終わってしまう。
 たとえば、私にも「旅館の再生をやってみないか」といった話をはじめとして、意外な方面からのお声がけがあるが、すべてお断りしている。私の専門は、その人の人生に合ったライフプランと資産運用プランのアドバイスであるからだ。
 自分のやりたいことに忠実であるためには、むやみに手を広げてはいけない。できるだけ、やりたいことに時間を集中させることだ。
(中略)
 古いものを捨てれば新しいものが入ってくる。逆に言えば、捨てなければ新しいものは入ってこないのである。
 捨てられない人のなかには、「サンクコストの罠」にはまってしまう人もいる。
 サンクコストとは投下した費用のこと。つまり、捨てる選択が賢いとわかっていても、投下した費用をムダにするのが惜しいという気持ちが働く。そういう罠である。経営者にとって、失敗が目に見えている事業を、大金を投じたからという理由で捨てられないのは最悪だ。
 ムダな時間と努力を費やす前に、自分がほんとうにやりたいことを思い出し、捨てる勇気を持つことだ。
 成功している経営者ほど、何を残し、何を捨てるかを徹底している。戦略とはすなわち、もてる経営資源をいかに配分するか、その加減のことだからだ。

(本書より P179〜P184)



■人に尽くすことで、自分も上にいけることを知っているか

 上司を勝たせることができれば、自分も勝ち上がっていける。
 それが組織での賢い闘い方だと、サラリーマン時代に教わった。
 そのためには、まずは上司に尽くすことである。
 具体的には、自分でもできそうなことであれば、自分が代わりに引き受けるようにする。上司には、上司にしかできない仕事に専念してもらうのだ。それによって上司が出世すれば、部下である自分の株もあがることになる。
 これは独立して経営者となっても同じだ。社会で自分より上のポジションの人たちを勝たせることができれば、自分もまた引き上げられる。
 その意味で感じるのは、上司を勝たせることのない人間は、独立しても成功しないということだ。組織や社会の仕組みをわかっていないのだ。
(中略)
 人に尽くす人は、目上の人からかわいがられる。何かと目をかけてもらえたり、ほかの人を紹介してもらえたりする。交流会やパーティーといったハレの場にも、自然と呼んでもらえるようになる。
 一方で、年下の相手に尽くすことで、彼らからは、兄貴分、姉貴分として慕われ、頼りにされる。
 そのようにして、あるとき、それまでとは違うステージにいる自分に気がつくことになる。人に尽くし、人に引き立てることで、いつの間にか、自然と引き上げられた自分がいることに気づくのだ。
 ほかの人に尽くす人は、ほかの人からも、さらには社会からも自然と引き上げられる。いうまでもなく、社会とは人がつくるものだからだ。
 このことを知っているのもまた、成功している人たちの特徴だ。
(本書より P237〜P240)



【関連書籍】



プロフェッショナル ミリオネア― 年収1億を生む60の黄金則

1)本書の内容
 
 はじめに
 第1章 考える、失敗を積む
 第2章 学ぶ、人にあげてもらう
 第3章 己を知る、強みに気づく
 第4章 さらけ出す、信頼を得る
 第5章 捨てる、決断する
 第6章 運をつかむ、分かち合う
 年収1億を生む60の黄金則
 おわりに

2)本書から学んだこと
 ・「人生ヘの問いへの答え方」が「働き方」である!
 ・「魂の生活と一致する仕事」をすることが重要だ!
 ・一人になって、自分自身とゆっくり向き合う時間を持つ!



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2013年08月07日

顧客視点を取り入れた再生策の実現が商店街再生の鍵!『商店街再生の罠』(久繁哲之介著)



大都会の一部の商店街を除くと“シャッター商店街”と化しているところが多い。とくに地方都市ではその傾向が顕著である。地方自治体も「客足が戻るよう何とかしなければならない」と街の整備などいろいろな施策を打つが、客足は戻ってこない.....

「シャッター商店街をつくり出したのは大型店に客が奪われたからだ」とニュースで報じられている影響もあり、その論調が主流を占めている。しかし、その論調に対して「大型店に客を奪われた論は幻想である」と主張しているのが本書商店街再生の罠:売りたいモノから、顧客がしたいコトへ (ちくま新書)である。

本書は大きく3つの構成で書かれている。

1つめは「商店街再生の取組に対する検証」である。

一口に「商店街」といっても、それは「集客したい顧客」によって、そして「アピールポイント」によって異なってくる。本書では先に記載した観点から、商店街を以下に分類して検証を行うとともに問題点を提起している。

@テーマパーク商店街
一見の観光客を狙う
・レトロ商店街
・キャラクター商店街
・B級グルメ商店街
A地域一番商店街
地元のリピート需要を狙う

2つめは「公務員、そして商店主の取組や意欲に対する問題点」である。本書を読んで、著者が最も主張したい箇所がここであると推察する。本書の「はじめに」には本書の狙いが以下のように書かれている。

 商店街が衰退する本質は「公務員など商店街支援者と商店主の多くに、意欲と能力が欠けている」ことにあります。自分たちの能力と意欲の低さを隠蔽するため、大型店を悪い強者に仕立てあげて「商店街は大型店に顧客を奪われた可哀想な弱者だから、救済すべき」という幻想を生み出したのです。
(中略)
 本書は、商店街が衰退する最大の理由は「公務員と商店主の多くに、意欲と能力が欠けている」ことにある真実を明らかにして、商店街の再生は利用者が必要と願う商店街に限定して「再生策は利用者が創る」理念と方法を提案します。
(本書より P11〜P12)


「公務員と商店主の多くに、意欲と能力が欠けている」とはかなり厳しい言葉ではあるが、著者の講演会等でのやり取り、そして公務員や商店主の取組を見てそのように判断したのだと推察される。この点については、“公務員が地元の商店街を利用しないで再生策を作っている”、または“著者が提案した再生策に対して「そんな面倒なこと、できないよ」と言って行動を起こさない商店主”など、著者が体験、あるいは現場で観察した結果を事例として提示している。そして、これらの事例を用いながら「何が問題なのか?」を提起している。

3つめは「再生策は利用者が創る理念と事例」である。ここでは「シェア」「地域経済循環率の向上」「地域コミュニティ」をキーワードに、3人の起業家の取組を紹介している。

本書を通じて一貫して問題点として提起していることは「再生策を作る公務員、当事者である商店主の多くは“顧客目線に立って”物事を進めていない、あるは顧客目線が足りない」ということだ。それについては本書に登場する事例に限らず、多くの人が感じてることだと思う。

例えば、私の出身地の駅前商店街を例にとると、市が公共事業で商店街を整備した。商店街は見違えるようにきれいになった。だが、顧客は商店街に戻ってはこない。地元の人は相変わらず郊外にあるショッピングモールに買い物に行く。その理由はせっかく商店街を整備しても、肝心のお店に魅力がないからだ。

商店街の魅力があるかどうかは皮膚感覚で”感じるもの”だと思う。魅力ある商店街は、その場にいると「その場にいたい」と”感じるもの”であり、魅力のない商店街は「居心地が悪い」と”感じるもの”である。特に商店街の主要顧客である若者、そして女性は、そういった感覚には特に敏感である。だが、残念なことに、再生策を作る自治体や、それを支援する商工会議所などの支援組織はそういった”皮膚感覚”がないまま、似たような案を立案している。結局、”金太郎アメ”のような街がいくつも造られる。昨今の”ゆるキャラブーム”も似たようなものを感じる。著者は「一番大事な”皮膚感覚”で感じることをしないまま、街の再生策を立案・実行したところで上手くいくはずがない」と言いたいのだ。

その一方で、本書に登場する商店主には面白いお店もある。特に面白いと思ったのが、ゲゲゲの鬼太郎で有名な鳥取県境港市にある「靴とはきもの くぎたに」である。店の前にある”鬼太郎が履く一本歯の下駄”とポスターのキャッチコピーを見ると、誰もが「おもしろい!」と言うであろう。

※ポスターをご覧になりたい方は、こちらのリンクを参照してください。
http://www.sakaiminato.net/site2/page/point/shopping/others/kugitani/

本書に登場する「靴とはきもの くぎたに」のような魅力あるお店、そして女性や若者が創る魅力あるお店が増えたとき、商店街の再生、ひいては地域再生につながっていくものと本書を読みながら感じたのである。


【本書のポイント】


■地域密着が、商店街再生の鍵

 商店街の再生政策は本来、顧客が商店主を含む地域住民と「ゆるやかに繋がる」場所と機会を創りだす取組こそ注力すべきですが、あまり実践されていません。なぜでしょうか?
 商店街支援者は中高年男性の現役世代が多く、リタイア世代の高齢者や主婦の気持ちやライフスタイルを理解する意欲が欠けるからです。
 現役オヤジ世代の多くは多忙を理由に「日常の買物をしない、すなわち商店街を利用しない」し、職場等に仲間がいるから「話し相手が居なくて困る事もない」のでしょう。
 一方、リタイア世代は何か理由をつくって外出しないと「話し相手が居なくて困る」人が少なくありません。理由として最適な行動が日常の買物であり、商店街はその最適な場所と位置づけると、商店街再生の方向性が見えてきます。
 このように、顧客の気持ちやライフスタイルを理解する意欲がないまま、現役オヤジ世代だけで商店街活性化を計画すると、えてしてレトロ化など非日常的な施策にばかり目を奪われる罠に陥ってしまいます。
 ここに「再生策は利用者が創る」という本書の主張を見出だすことができます。
(本書より P31〜P32)



■補助金づけが商店主の行政依存を誘発

 私の実家は数年前まで、広島駅前の商店街で飲食店を営んでいました。当時の話ですが、自治体から「こんなモデル事業を始めるから使ってくれませんか?事業費は、ほとんど補助金だから、お金の心配は大丈夫です」等と、よく「補助事業の営業」を受けました。
 自治体が補助事業の営業を続けると、商いの感覚が麻痺する商店主が出てきます。すなわち「自分の商いなのに、自治体の都合のために、やってやる」感覚に変わっていくのです。
 感覚が麻痺した商店主は「商店街の売上や賑わいが悪くなれば、自治体が助けてくれる(補助金をくれる)」と言って、行政へ依存するようになります。
 今、商店街の補助金依存は全国に蔓延しています。商店街は補助金を投入しても、なかなか活性化しません。むしろ、補助金への依存が強まるほど、衰退する商店街が増えています。商店街が衰退した一番の理由は、大型店やインターネット通販などライバルとの差別化などを怠る商店主の努力不足にあります。
 しかし、商店主の努力不足を「自治体の(予算を獲得したい)都合」が加速させたのも事実です。端的に言えば、商店街の衰退は、自治体の補助金ばらまき施策が引き起こした産物なのです。
 自治体や御用学者は「商店街は大型店に客を奪われた可哀想な存在だから、救済すべき」と言いますが、本音は「役所の予算を獲得したい場合、役所の実績づくり」にあります。
(中略)
 補助金とは本来、衰退した産業が「ライバルとの差別化」(競争力の強化)を目的に、期間を限定して支給することで、自立を促すものです。
 商店街と農業の活性化を真剣に考えるならば、補助金ばらまき施策はやめて、自立を促す施策への転換を図る提案が出て然るべきです。商店街の場合、3つの大きな効果が期待できます。

@商店街は行政に依存しなくなり「自立する、自分で考える」ようにかわる。
A自治体の仕事が「予算の審査・分配」から「利用者と商店主の双方が豊かになる提案」に変わる。
B自治体の予算むだ遣いが大幅に減る。


 本書は、@とAの必要性を示すことで、Bの実現も目指しています。
(本書より P51〜P53)



■「理論の美しさ」でなく「自ら行動する」ことが重要

 この市役所が策定した商店街活性化計画書では「誰もが訪れたくなる○○な商店街」というスローガンを掲げています。○の部分には、歯が浮くような美しい言葉が入ります。
 このスローガンは「誰もが否定できない、非常に美しい理論」です。
 このように、公務員が作る計画書は「誰もが否定できない、非常に美しい理論」で作文されていますが「公務員自身が理論の通りに、行動する意欲が全くない」のです。公務員が机上で作成した理論的には美しい計画書が、全く実現しない理由がここにあります。
 この例(※公務員が自ら商店街を利用しない)で、商店街活性化が実現しない理由を整理しましょう。

@公務員が「自分は行く意欲のない商店街」を「誰もが訪れたい商店街」という詭弁→自分が利用したくないものを、市民が利用するはずがない。
A公務員が「自分は行っていない、知らない商店街」の活性化施策を立案する弊害→だから、成功事例の表面的な模倣しか頭に浮かばない。


(中略)
 商店街の再生を実現するには、商店街が「安さ、便利さ」とは違う魅力的な価値基準を、顧客と協働しながら創出することが必要です。公務員が地域再生および商店街再生を少しでも考えているならば、その協働に積極的に関わる当事者意識が強く求められます。
 にもかかわらず、東京から招いた講師との懇親会でさえ、職員食堂で「安く、便利に」済ませる公務員の行動は「モラル欠如」と言わざるをえません。
(本書より P131〜P133)

※は私が追記


■試行錯誤を繰り返して、取組を進化させる

 商店街や自治体のように、古い考えに固執する中高年男性が多い組織は、少しでも努力を要求する新しい提案に、反対と賛成の割合は概ね「80対20」になります。民主主義(多数決)の法則を採用すれば、新しい提案は必ず否決される運命にあります。
 自治体のように口先では「改革が必要」と言いつつ、改革を回避できる幸せな状況にあれば、民主主義の法則を採用して、少しでも努力を要求する新しい提案は必ず潰して、ひたすら現状のぬるま湯状態を維持する選択もありえるでしょう。
 しかし、衰退・瀕死の状況にある商店街の意思決定は、民主主義の法則ではなく、パレートの法則を採用して、改革を起こす必要があります。
 衰退した商店街を再生させるには、取組として何をやるかも重要です。しかし、衰退した商店街の組織であるが故に、何をやるにしても最初は、意欲の低い80%の商店主が反対・無関心なことは、火を見るより明らかです。
 意欲が低い80%の商店主も救済する「護送船団方式」支援は、もうやめましょう。
 瀕死の状況にある商店街を本気で再生しようとするならば、意欲の高い20%の商店主が集まった時点で「できる形(小さな形)で取組を始める」べきです。
 小さな形で結果を出して、参加者を増やし、試行錯誤する過程で取組を進化させるのです。だから、最初は「喜んでのできないけど、やってみる」くらいの感覚で良いのです。
 重要なのは「行動に移すこと、試行錯誤を繰り返すこと」です。
(本書より P175〜P176)



■まちを守るために、商店街の「再生策は利用者が創る」

 自治体が補助金を投入する商店街に関しては、不動産オーナーが店舗を「誰に貸すか、貸さないでシャッターを閉じてしまうのか」を自治体が責任をもって管理すべきです。自治体がそれを怠ると、商店街を救済する名目で補助金を使ったのに、まちを破壊する悲しい結果をもたらしています。
 商店街の衰退理由が「商店街を金融商品と考える不動産オーナーの私益追求行為」にあるのに、自治体が更に別の補助金を出し続ける実態は本末転倒と言えます。
 そういう観点から前著『地域再生の罠』では3つの提言の3番目に、次の理念と施策を提唱しています。

まちづくりは土地所有者(不動産オーナー)次第だから、土地の課税率は、用途の公益性に連動させる。自治体の公的支援は、市民の交流を促す公的空間に集中する。

 この提言は『地域再生の罠』刊行3年後の今でも、必要だと確信しています。しかし、顧客の意向を知らない自治体と商店主に任せていたら、商店街は再生しないし、無駄な補助金を垂れ流しし、市民が豊かになれない事実に直面しています。本書はここまで、その事実を描写してきました。
 自治体と商店主に任せる弊害が多い事実を踏まえて本書は、商店街の「再生策は利用者が創る」理念を掲げます。
(本書より P186〜P187)



【関連書籍】



商店街再生の罠:売りたいモノから、顧客がしたいコトへ (ちくま新書)

1)本書の内容
 
 はじめに
 第1章 レトロ商店街の罠
 第2章 キャラクター商店街の罠
 第3章 B級グルメ商店街の罠
 第4章 商店街を利用しない公務員
 第5章 意欲が低い商店主
 第6章 再生戦略@「シェア」で、雇用・起業を創出
 第7章 再生戦略A「地域経済循環率」を高めて、第一次産業と共生
 第8章 再生戦略B趣味を媒体に「地域コミュニティ」を育成
 おわりに

2)本書から学んだこと
 ・地域密着が、商店街再生の鍵!
 ・商店街の再生には顧客視点を取り入れることが必要!
 ・若者、女性の視点が街の再生には必要!



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2013年06月01日

【マインドマップ付き】元アップル社長が伝える「ビジネスパーソン」として身につけるべき40の項目!『「これからの世界」で働く君たちへ』(山元賢治著)



本書伝説の元アップル・ジャパン社長の40講義 「これからの世界」で働く君たちへは、IBM、EMC、オラクル、アップルと世界的に有名なIT関連企業を渡り歩き、アップル復活の舞台裏を知る“元アップルジャパン社長”である山元賢二さんが“これからの世界を生き抜く「新しい当たり前」”を40講義という形で書かれている。

そんな本書を読んで特に印象に残った言葉は「好奇心」「本気」「覚悟」「WHYで考える」「情熱」「集中力」「体力」である。自分の周りを見ると、(自分で事業を行っている人、会社員に限らず)何か物事を成し遂げようとしている人はこれらの言葉を体現している人が多いように思われる。

その中でも特に土台となる要素は「体力」と「集中力」だと思う。これら2つが無いと、いくら「好奇心」があっても、「覚悟」があっても、「情熱」があっても成果を出し続けることは難しい。ガス欠を起こしてしまうのだ。

本書では「「体力」がすべての土台である」そして「成果を左右するのは「集中力」である」であると書かれているが、正にその通りだと思う。周りを見て「凄い!」と思う人を見ると例外なく体力がある(事実、ジョギングなどで体を鍛えている)し、体力があるからこそ、る気力も充実し、集中力も発揮しているように思う。
本書には以下のように書かれている。

 若いうちは誰でも自分は体力には自信があると思っています。事実、そうでしょう。
 一般的には、仕事での重圧や責任の重さは年齢を重ねるのに比例して大きくなり、体力の消耗も激しくなってきます。
 係長や課長への昇進話があがってくる三〇代半ばごろから、体力の差が明確に出始めます。朝出社したときの目の輝き、全身からあふれ出るエネルギー、若いときにはそこまで感じなかった個人差が歴然と表れるようになります。
 これはその年になってみないとわからないと思いますが、体力がないと、気力があっても頑張れなくなるのです。そうして、体力がない人ほど「できない言い訳」を探すようになるのが常です。
(本書より P210)


近年、痛感しているだけに耳の痛い話しである。

私は「体力」「集中力」の話が特に印象に残っているが、著者の40講義の言葉に印象が残る個所は違うであろう。だた一貫して言えることは、スティーブ・ジョブズやラリー・エリソンといった“ビジネス界の巨人”と渡り合ってきたスティーブ・ジョブズやラリー・エリソンといった“ビジネス界の巨人”と渡り合ってきた著者の言葉だけに重みを感じるということだ。そして「なぜ必要か?」という書かれている理由も納得がしやすい。

とはいえ、「新しい当たり前」と書かれているが、周りの知人を見ると、全てではないにせよ、古い年代でも本書に書かれていることを身に付けている人は結構いるように思う。特に「独特のオーラ」を放っている人は気力はもちろん、それを支える体力もあるし、集中力もずば抜けている。好奇心も強い!また、日本国内でのビジネスにおいても身につけていなければならない要素も40講座の中にはそれなりにあると思う。

というわけで、「日本のビジネスパーソンが世界で渡り合うために何が必要か?」という観点で捉えるよりも、「(世界と渡り合うためにという括りにとらわれずに)ビジネスパーソンとして身に付けておかなければならない要素は何か?」という観点で捉えながら読んだほうが良いと思う。


【本書のポイント】


■変化を生み出すのは、いつだって「猛烈な好奇心」だ

 スティーブをはじめ、こうした猛烈な好奇心を持つ人たちに共通しているのは世の中を変えてきたことです。
 引っ繰り返せば、変化は好奇心がないと生み出せない、と言えます。
 コンピュータの世界でいうと、ソフトウェアには完成というのはありません。常に改良の余地があり、開発している人間は「もっとよくできるのでは」「もっと楽しくできるはず」と飽くなき追求を繰り返す。おそらく満足感は死ぬまで得られないのかもしれません。
 「もっと」という「問い」を抱く。その猛烈な好奇心が新たなモノやサービスを生み、それによって人の暮らし、そして社会そのものを変えていくのです。
 未来をつくるのは、いつだって現状に満足しないことであり、好奇心によって引っ張り出される「問い」なのです。
 チェンジメーカーに必要なことについて、この章で詳しく語っていこうと思っていますが、最初に「好奇心」をあげたのは、一見当たり前のことのように思えても、これ以上重要なことはないからです。
 自分が全身全霊で情熱を注げること、心から向き合え、「もっと良くするにはどうすればいいのか?」という問いを持てることが、すべての変化のエンジンです。
 猛烈な好奇心が未来をつくるのです。
 好奇心がビジョンを生み、世界を変えていくのです。
(本書より P28〜P29)



■成果を左右するのは「集中力」である

 世界で成功しているビジネスパーソンに共通するスキルには、動的な優先順位づけの他に「圧倒的な集中力」があげられます。
 世界で勝負するにはスピードが重要なのは間違いありませんが、それは効率性だけの問題ではありません。効率を考える必要はありますが、効率だけでは膨大な量の仕事をこなす上では無力です。スピードを上げるにも限界があるでしょう。
 グローバルリーダーたちは、もっと根本的な解決方法として、優先順位を見直し、どこに集中するかを見極め、圧倒的な集中力でやり遂げるという、「選択と集中」を重視しています。絶対にダラダラとやらずに、めりはりをつけて、アイデア出しでも問題の解決を考える上でも、一気に向き合うというスタイルでした。
(中略)
 集中力をドライブさせるものは、前項の「T」でも触れた「好奇心」です。それも単なる好奇心ではなく、猛烈な好奇心です。
 雑念を取り払うというのはそう簡単ではないでしょうが、好奇心に突き動かされる人は、周りから話しかけられても聞こえないくらい目の前のことだけに集中するものです。だからこそ、すべての原点には嘘偽りのない好奇心がなければ戦えないのです。
(本書より P113〜P115)



■「自分の中の達成感」を常に確かめる

 お金や会社の中での地位や名誉のために働く人もいれば、幸せな家庭を築くことを目的にしている人もいるでしょう。
 しかし、もっとも大切なことは、自分で自分の目指すべき方向性を自覚しているということです。
 みなさんは何をもって成功したと実感できるのでしょうか。そこが明確でないと結局何をやっても虚しいだけです。周りの成功イメージを真似するだけの人生になってしまいます。
 スティーブ・ジョブズは、いつもこう言っていました。
 「You should all know already」(みんな知っている)
 実は誰もが、やりたいことや、やるべきことをすでに知っていると言うのです。
 誰もが社長になる必要はありませんし、誰もが一番になれるわけではありません。けれど、誰もが何をしたいかは、本当はわかっていて、できない言い訳をいつも用意しているだけなのです。
 できるかできないかより、自分がもっとワクワクすることに情熱を注ぎ、自分が目指す方向性に近づける努力をすること。最大のポイントは「止まらない」ということです。
 いいなあと思ったことがあれば、とにかくやってみることです。動いてみて、話を聞いてみて、行動に移す。それを続けていけば、必ず世界は変わります。自分の情熱のありかがわかってくるのです。
 この世でもっとも強力な武器は「パッション」(情熱)です。
 精神論に聞こえるかもしれませんが、これまで数々のグルーバルリーダーを目にした結果、彼らの最大の武器は知識やテクニックなどではなく、やはりパッションでした。
 結局、スティーブがそうだったように、どれだけの熱量を持って向き合えるかが勝負であり、それを持っている人こそ最強なのです。
 ただ、情熱というのは形がないものなので、常に確認しなければいけません。自分に向き合い、自分がワクワクしているか、つまりワクワクすることに情熱を注げ、目指すべき方向に近づこうとしているのか、という「達成感」を確認するのです。
(本書より P137〜P139)



■「何を犠牲にするか」を決める

 グルーバルのビジネスでは、何事もresults Driven(結果重視)です。この世で天才と言われる人でも、常人では想像できないほどの努力や練習をしています。
 天才は努力を努力と思わず、好奇心が勝っていた様子はこれまでご紹介したとおりですが、それでも、スティーブがプレゼンの前に膨大な量の練習をしていた事実は変わりません。
 では、常人でも結果を出すために工夫するべきことは何でしょうか。
 最初に考えておくのは「時間の使い方」です。
 どんなグルーバルリーダーも時間の使い方には、ものすごくこだわっています。
 時間術には手帳を使ったノウハウなどもたくさんありますが、ここでもHOWは大した問題ではありません。どれだけ細かく時間の配分や管理を行っても、増殖するタスクをすべてこなすことなど最初から不可能だからです。また、タスク処理の技術とビジネスの成果は必ずしも一致しません。
 時間を効果的に使って成果に結びつけようとするなら、「優先順位」「犠牲にすること」の2点を何より意識することです。
(本書より P141〜P142)



■「体力」がすべての土台である

 世界の一流ビジネスパーソンは、例外なくみんな体力があります。きついスケジュールを軽やかにこなし、会いたいと言ってくれている人たちに会って話を聞き、会議があればファシリテーター役を買って出て、次から次へと浮上する課題を決断する体力が必要なのです。
 体を動かす、集中力を持ち続けるということだけでなく、体力がないと周りへの気配りもおろそかになりがちです。世界を舞台にすれば時差や移動の問題もありますし、休憩なしで外国人と話し続けるだけのエネルギーも必要になります。
 体力が大切などというと、何を今さらと思う人もいると思いますが、なぜ多くのグルーバルリーダーたちがあれだけ体を鍛え、健康に気を遣い、体力をつけようと日々努力しているかといえば、結局すべての土台が体力だからです。
体力がなければ、仕事だけでなく人生に対しても前向きに考えることができません。
(本書より P210〜P211)



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【関連書籍】



伝説の元アップル・ジャパン社長の40講義 「これからの世界」で働く君たちへ

1)本書の内容
 
 はじめに 世界標準の武器を教えよう
 Part1 世界を変える「チェンジメーカー」になれ!
 Part2 これからの世界を生き抜く「世界標準の武器」
 Part3 どこでも一生役立つ「サバイバル・スキル」
 Part4 「自分の価値観」に素直に世界を生き抜く
 Part5 これからのビジネスで何より大切なこと
 Part6 世界で戦う前に知っておきたいこと
 おわりに 平成の坂本龍馬になれ!

2)本書から学んだこと
 ・「猛烈な好奇心」が変化のエンジンとなる!
 ・最大のスキルは「WHY」で考えられる力!
 ・土台となるのは「体力」と「集中力」!



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posted by まなたけ(@manatake_o) at 18:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | 経済/ビジネス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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