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2012年12月14日

【マインドマップ付き】可能性の広がる「大きな田舎」をソーシャル人として歩んでいく!『ソーシャル人の仕事術』(松宮義仁著)



ソーシャル人の仕事術 facebook・スマホ・クラウドで仕事が変わるを読んでみました。

松宮義仁さんといえばソーシャルメディアの第一人者!フェイスブックでも「ソーシャル人.com」を拝読しております。その松宮さんが「ソーシャル人」として歩むためのノウハウが書かれた本書!「ここは出来ているな!」「これは知らなかったな!」など、自分がフェイスブックを使ってきたなかで経験したことなどを振り返りながら本書を読みました。

本書のご紹介に当たって、今回は、【本書のポイント】【感想】【マインドマップ】【関連書籍】の構成で書いていきたいと思います。


【本書のポイント】

本書のポイントを以下に掲載いたします。


■「ソーシャル人」って何だ!?

 この本では、ソーシャルネットワーキング(Social Networking Serviceの略、以下SNS)の中でも特にフェイスブックに焦点を当て、スマホとクラウドとの合わせワザで、「三種の神器を自分らしく使いこなし、仕事や人間関係を充実させる=ソーシャル人になろう」というコンセプトを掲げています。
 そもそも、「ソーシャル人」とはいったいどんな人をさすのでしょう。
 条件としては3つあります。

●ソーシャル人の条件
@スマホやiPadなどのタブレットPCなど何らかの持ち歩けるデバイスをいつでもどこでも活用している
AスマホやタブレットPCを使って、SNSやクラウドにアクセスし、情報収集と発信を行い、周りにシェアしている
BSNSを通じて得た人脈をリアルな世界につなげ、仕事やプライベートを充実させている

 つまり、どこでも気軽に情報にアクセスできるツールを使いこなしながら、積極的に情報発信・情報収集をし、自分自身が成長し、仕事やプライベートを充実させているのが「ソーシャル人」なのです。
 そして「ソーシャル人」になるには、ある道具が欠かせません。
それが、私が現代の「新・三種の神器」として考えている3つのツールです。

@「Facebook(以下フェイスブック)」
A「スマートフォン(以下スマホ)」
B「クラウドコンピューティング(以下クラウド)」


 SNSはスマホやクラウドとは切っても切り離せないツールであり、これら3つを融合させて用いることが、本当の意味で仕事に役立つと、痛感しています。
(本書より P20〜P21)



■フェイスブックは「大きな田舎」のイメージで捉える

 「顧客の心をつかむ〜」という類の本が巷に溢れています。しかし、それを読んで「顧客の心をつかめるようになった」という話は聞いたことがありません。なぜでしょうか?理由は2つ考えられます。
まず、著者自身が販促者目線で「顧客として、心をつかまれた経験が乏しい」からです。そして、顧客として心をつかまれた経験が乏しいまま、販促テクニックを習得することしか関心が無いからです。
このように、販売者目線のままでは、いくら一生懸命本を読んでテクニックを習得しても「顧客の心をつかむ」ことはできません。
(本書より P68)



■他人のフィルターを活用すれば集まる情報の質が変わる!


 それでは、ソーシャル人として、フェイスブックを使うにあたって、どのようなスタンスを持つべきなのでしょうか。
 よく私がセミナーで説明するのがフェイスブックは「大きな田舎として捉える」ということです。
 フェイスブックの投稿を見ていると、自分に見えている投稿や情報が「フェイスブックのすべて」と錯覚してしまうことがありますが、実際はそうではありません。
 フェイスブックのニュースフィードは、本当によくできていて、あなたと関係の深い人やページの最新情報を選んで流してくれるシステムになっています。
 もうすこし極端にお話すると、新しく友達になると、初めのうちは頻繁にその人の情報が流れてくるのですが、自分が「いいね!」を押したり、コメントをつけるなどの反応を示さないと、「興味がない人・情報」と見なされて、だんだんと流れてくる情報量が減っていくシステムになっているのです。
 これを繰り返していくと、ニュースフィードは完全に個人仕様にカスタマイズされていきます。
 フェイスブックというと、みんなが同じ画面や流れている情報をイメージするかもしれません。ところが実際は、システムによって、自分の好みや志向にあったニュースフィードに自然と調整されているのです。
 リアルな世界で、連絡を取らなければ疎遠になってしまうのと同じで、フェイスブック上でも自分の行動がそのまま反映された、リアルな人間関係が再現されていることが分かるでしょう。
そしてそのような仕組みを経て、生み出されるつながりは、リアルな世界で繰り広げられる以上に、親密で濃い人間関係に発展していきます。
 つまり、ほとんどの人が知り合いであり、知り合いが生活の中心である田舎社会と似たような性格をもっているのです。
(本書より P30〜P32)



■他人のフィルターを活用すれば集まる情報の質が変わる!

 フェイスブックをはじめとするSNSには常にたくさんの情報が流れています。
特に仕事に関する情報などを探す場合は、「○○さんのこのジャンルに関する情報は信頼できる!」という人を把握しておくと、最新情報のキャッチアップにも、情報収集時間短縮にも大いに役に立ちます。
 このように、あるジャンルで信頼のおける情報を発信する人のことを「キュレーター」と呼びます。『キュレーション』(スティーブン・ローゼンバウム著/プレジデント社)のサブタイトルにもあるように、キュレーターとは「収集し、選別し、編集し、共有する技術」を持った人のことを指しています。
 キュレーターを介して情報収集するメリットとしては次のようなものがあげられます。

@自分から探しにいかなくても情報が集まってくる
 情報をネットでイチから「検索」するのではなく、自分の興味のある分野のキュレーターとつながり、キュレーターが発信する情報を取り入れるというスタイルは、ソーシャル時代ならではの情報収集術といえるでしょう。

A情報に振り回されなくなる
 例えば、iPhoneなどの新機種が出るという噂に振り回されている人を見かけることがありますが、その度に情報元のサイトを見つけては時間がいくらあっても足りません。
 また、信頼性の低い情報に振り回されて、他の人にフェイスブック上で、間違った情報をシェアしてしまっては、自分の信用問題にも関わってきます。
 信頼できるキュレーターを一人確保すれば、誤った情報に振り回されるのを避けることができます。
(本書より P68〜P69)



■「影響力」「信用力」のある人を友達にする理由

 フェイスブックで誰と友達になるべきか、これは意外と難しい問題かもしれません。
今までのウェブマーケティングならば、何も考えずに「見込み客」のターゲット属性にあてはまる人々とつながっていけばよかったのですが、ソーシャルメディアでは、人を介して情報が広がっていくので、その人の属性だけでなく、「発信力」「影響力」のある人とつながることが大切になってきます。
 私が考える条件は次のようなものです。

・自分自身の投稿に、「いいね!」やコメントがたくさんついている。
・つながっている「友達」も「いいね!」やコメントをたくさんもらっている。
・毎日投稿している。(アクティブなユーザーである)。


 ここで大切なのは、すでに書いたように友達のいいね!やコメントがあって、情報が初めて拡散するということです。そして、大切なのは、「いいね!」の数やコメント数ではなく、誰が「いいね!」といったか、コメントをつけてくれたか、ということなのです。
 影響力の高い人であれば、1人分の「いいね!」で10人分の「いいね!」を広げられます。
また、信用力のある人からの「いいね!」を起点に広がると、実際に購買行動まで結びつく可能性が高いという訳です。
(本書より P132〜P133)



■誰もが「インフルエンサー」になりうる時代

 このような「信用力」「影響力」の高い人たちは、インフルエンサーと呼ばれ、人々の消費行動に影響を与えると考えられています。
 むしろ、SNSが広まった今、誰もがインフルエンサーになれる時代。ある一定の基準で「信用度」「影響度」があると判断できれば、100人に影響を及ぼす人を5人より、5人に影響を及ぼす人を100人見つけてくる方が結果的に効率がいいのです。
(中略)
 販促や集客を行う場合は、もっとも親しい5人を連鎖的に動かすことがベストです。つまり、「信頼度」「信用度」の高い身近な友達を5人作ることがスタートです。そして、フェイスブックで友達を作るときは、ただ数を増やせばいいわけではありません。広めたい情報を一緒に広めてくれる友達を増やすことが大切です。
(本書より P133〜P135)



■「○○○○」といったら「▲▲▲▲」さんをつくる

 ブランディングの手法についてはさまざまなものがあり、なかには難しいブランディング論もありますが、私が考えるSNSのブランディングは非常に簡単です。
 “「○○○」といったら「▲▲▲」さん”。つまり「フェイスブックといえば松宮さん」「ソーシャルメディアといえば松宮さん」。こういう状態をつくることが、フェイスブックをはじめとしたSNSを使ったブランディングのゴールです。
 ただ単に「いいね!」を増やすだけでは意味がありません。見た人の記憶にしっかり残り、自分が何者であるかを覚えてもらえるように、活動していく必要があるのです。
 それではどうすれば、周囲の人に“「○○○」といったら「▲▲▲さん」”というイメージを持ってもらえるのでしょうか。
 ポイントは、自分に「タグ付け」することです。ここでいう「タグ付け」とは、フェイスブック上で写真を投稿する際に、誰か認識できるように名前を入れる「タグ付け」とは少し違います。
 まさに自分自身に対して、どんな名前をつけるか、どんな風に認識してもらいたいかということを、分かりやすく言語化するということです。
ブランディングのための「タグ付け」については次のような方法があります。

・イベントや飲み会の自己紹介で、自ら「ソーシャル人の松宮です」と名乗る。
・プロフィール欄に、覚えてもらいたい自分についてのキャッチフレーズを入れる。
・ブログなど、そのほかのメディアと連携させる。


 このように、誰もが覚えやすいキャッチフレーズを繰り返し伝えたり、ことあるごとに自分の専門分野を話していると、誰かがあなたのことを第三者に紹介する時も「ソーシャル人の松宮さんです」と、自分がアピールしたい名前とともに、紹介してもらいやすくなります。
 最初のうちは、自分だけでキャッチフレーズを唱えていると、気恥ずかしくなることもあるかもしれません。
 まずは、できるところからでOKです。地域や業種、特技などを絡めて、フェイスブックの中だけで何かしら有名になったり、話題になることを目標にしてみましょう。
(本書より P156〜P158)



■書評ブランディング

 専門分野や趣味・志向を活かしたブランディングの方法がある一方で、特に趣味や興味関心がなくてもできるのが、「書評ブランディング」です。
 「書評ブランディング」とは文字通り、関心のあるテーマや気になる本を読んで、感想をフェイスブックに投稿していくというものです。
 ブランディングのステップは次のように進めます。

@読む本のテーマを決める(複数あってもいいが、多すぎると興味関心が分かりづらい)。
A感想はできるだけ短く、簡潔にまとめる。
B感想にオリジナルの視点を入れるようにする。


 最初は、本の内容を要約するだけでもよいかもしれません。まずは周囲に「こんなテーマに関心があるんだ」ということを知らせた上で、徐々にオリジナルの見解を付けるなどして、書評のレベルを上げていきます。
 書評をつけ続けると、見る側の認知が、「○○というテーマの本を良く読んでいる人(そのテーマが好きな人)」→「○○というテーマに関して詳しい人」→「○○というテーマに精通している人」と、変化していくのが分かります。
 SNSは、特定のコミュニティでの情報発信に長けているので、一般のビジネスパーソンであっても、書評ブログからスタートして、ブロガーとして有名になる人もいます。
 やってみたい業務がある場合は、関連テーマの本の書評をアップすると、上司に対するキャリアアップのアピールとしても使えるかもしれません。
(本書より P166〜P167)



【感想】

私がフェイスブックを始めたのは2010年8月でした。このブログを開設する直前のタイミングです。

当時、ツィッターにはまっていた私は、ソーシャルメディアの動向に詳しい知人から「ツィッターの次はフェイスブックだよ」と教えてもらい、始めたのがキッカケでした。その頃はフェイスブックに関する本もほとんどなく、いろいろなサイトの情報を駆使しながら使っていましたが、当時はフェイスブックの面白みがよく分かりませんでした。

しかし、使い続けるにつれ、フェイスブックの面白みがだんだんと分かるようになっていきました。そして、今では情報収集・情報発信・友達との交流・グループ機能を活用した勉強会運営など、フェイスブックは私にとって、ツィッター以上に身近なツールとなっています。

とはいえ、使い方、活用の仕方にはまだまだ改善の余地はあると思っております。そんな折りに本書を読んだことは有益でした。本書を読むことで、私自身が再確認できた内容、また、私自身が初めて知った内容など、フェイスブックを更に活用する上で参考になったことが多々あったからです。

特に印象に残ったことは「フェイスブックを捉える概念」です。

本書では「フェイスブックを大きな田舎として捉える」(本書より P30)と述べております。これは、「リアルな世界で、連絡を取らなければ疎遠になってしまうのと同じで、フェイスブック上でも自分の行動がそのまま反映された、リアルな人間関係が再現されている」ことから、「知り合いが生活の中心である田舎社会と似たような性格を持っている」という主旨で述べております。これを読んだとき、「なかなか上手い表現だな!」と思いました。

実際にフェイスブックを使っていくと、たとえ友達が数多くいたとしても、だんだんと頻繁にやり取りする仲間との情報が中心に流れてくることを、そして、頻繁にやり取りする仲間との目に見えない「グループ」を形成されていく感じがいたします。そのグループは、「興味が似通っている」などの何らかの共通項を持っているのが特徴です。そのため、自分が欲しい情報、興味関心がある情報が入りやすくなります。このような似通った属性で自分を中心につながった目に見えない「グループ」を、著者は「大きな田舎」と表現したのでしょう。

また、「大きな田舎」と表現している意図の1つに、「いままで知らなかった自分と似たような属性の人と更に多くつながる可能性、そしてつながった人たちと“リアル”で祭りを起こす可能性を秘めている」ことも伝えたかったのではないかと思います。

このようにフェイスブックの特徴や可能性を「大きな田舎」というワンフレーズで端的に表すことで、次章以降に書いてある
 ・情報収集
 ・スケジュール・マネジメント
 ・人脈構築
 ・ブランディング
 ・学習
に関するノウハウをイメージとして捉えやすくしています。「大きな田舎」という表現には、「フェイスブックの特徴や可能性」を表すとともに、次章以降に書かれているノウハウへの「導線のような役割」も果たしています。

全体を通して読むと、本書は「フェイスブックを使い始めたが、ソーシャル人として、さらに活用していくにはどうすればいいのだろう?」とフェイスブックで更に上手に波乗りをこなしていきたいと考えているユーザーに向けて書かれたものと思います。アクティブゆーざーにとっては「既に分かっている」と思う内容もあるかもしれません。しかしその一方で、本書を通して新たな発見もあると思います。

フェイスブックは使ってなんぼ!本書に書かれている内容を確認、もしくは新たに行ってみることで、フェイスブックで更なる波乗りスキルの向上につながるのではないか?そして、それがソーシャル人としての活躍につながるのではないか?本書には、著者のそのような思いが表れているように感じます。


(追伸)
本書の中で「書評ブランディング」について書かれていたので、私が思ったことを以下に記載いたします。

ご承知の通り、私は主にビジネス書の書評を中心にブログに書いております。本を買うとき、その本がどのようなテーマや内容が書かれているのか、タイトルを見て買ったものの「自分が期待した内容ではなかった!」ということはありませんか?私がマインドマップをブログに掲載し始めた理由は先に書いた悩みを、読者は同じように思っているのではないか?と思ったことからです。

とはいえ、ブログに本の内容を全て掲載するのは難しい。1枚で本全体の概要を捉えるにはどうすればよいか?ということから、マインドマップで1冊の本を表現することを始めました。洗練されていないマインドマップではありますが、私が書いたマインドマップが、記事として取り上げた本の概要を捉える、または気づきを与えるキッカケとなれば、私にとって、この上なく嬉しいことです。

そして、(本書の表現を用いると)「マインドマップ書評ブロガーといえば、まなたけさん」と言われるよう、ブログでレビューを発信していきたいと思います。

また、同時にfacebookページでも、ブログとはまた違った視点で情報の発信を行ってまいりますので、そちらもご覧になっていただければ嬉しいです。なお、facebookページには、右サイドバー上部のリンクよりアクセスしてください。


【マインドマップ】

image.png
拡大表示は以下のリンクをクリック!
なお、スマホでは綺麗に表示できないかもしれませんが、ご勘弁を(^^;)
ソーシャル人の仕事術.html

そして、スマホの方は以下のリンクをクリック!マインドマップの内容を階層構造で表しました。
ソーシャル人の仕事術.mm.html


【関連書籍】





ソーシャル人の仕事術 facebook・スマホ・クラウドで仕事が変わる

1)本書の内容
 第1章 ソーシャル人って何だ!?
 第2章 「新・三種の神器」を使う前に知っておきたいこと
 第3章 ソーシャル人の仕事術 情報収集編
 第4章 ソーシャル人の仕事術 スケジュール・マネジメント編
 第5章 ソーシャル人の仕事術 営業・人脈編
 第6章 ソーシャル人の仕事術 ブランディング編
 第7章 ソーシャル人の仕事術 学習編
 第8章 ソーシャル人の仕事術 モチベーション管理編

2)本書から学んだこと
 ・フェイスブックを「大きな田舎」と捉える!
 ・今まで知り合えない人と知り合うなど、フェイスブックの活用で様々な可能性が開ける!
 ・ブランディングは小さなところから一番を取る!



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2012年03月31日

この本は、インターネット関連の本の中でも歴史に残る名著である!『フェイスブック 若き天才の野望』(デビッド・カークパトリック著)


フェイスブック 若き天才の野望 (5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた)
  • デビッド・カークパトリック
  • 日経BP社
  • 1890円
Amazonで購入


フェイスブック 若き天才の野望 (5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた)を読んでみました。

ず〜っと「読みたい!」とは思っていたものの、今のいままで読まずにおりました。フェイスブック社のIPO申請のニュースを機会に読んでみましたが、想像以上に面白い本でした。それと同時に、「これは貴重な本だ!」と思ったのでした。

今回は、シンプルに【感想】【関連書籍】の構成で書いていきたいと思います。(といっても、かなりの長文ですが....)

【感想】

読みごたえがありました!

本書の素晴らしさは、単に「フェイスブックがどのようにでき、発展してきたのか?」ということを述べているにとどまらず、以下の点も考察された内容となっているからです。

 1)フェイスブックがインターネットの歴史において、どのような役割を果たしてきたのか?
 2)フェイスブックは世の中にどのような影響を与えてきたのか?また、どのような可能性を与えるのか?


本書の素晴らしさを、解説の小林弘人さんが以下のように述べております。

 本書の魅力は、2種類の要素が高次に組み合わさっている点にある。ひとつめは急成長を遂げつつあり、全米のみならず全世界が注目すべき新興企業の生い立ちとその成長に関する内幕を迫った筆致。ふたつめは、ソーシャルネットワーク、ひいては過去・現在、そしてこれからのインターネットの在り方について示唆に富んでいる点である。著者のデビッド・カークパトリック氏はフォーチュン誌のシニア・エディタとして長い間テクノロジーを追いかけてきたベテランである。彼の取材量とストーリーテリングもさることながら、インターネットの歴史の中でフェイスブックがどういう文脈に位置するのかといった優れた考察が融合し、本書を成功に導いている。
(本書より)


小林弘人さんの述べている1点目の「フェイスブックの生い立ちとその成長の筆致」について、私は最初に、映画『ソーシャルネットワーク』を思い起こしました。



「失うもの失くして5億人の友達は創れない」という映画のキャッチコピーに表れている通り、この映画では「マーク・ザッカーバーグとエドゥアルド・サベリンとの友情、そしてマークの裏切り」、「マーク・ザッカーバーグとウィンクルボス兄弟の法廷闘争」を中心に描かれております。そして、マーク・ザッカーバーグは映画の中で、「金のためなら仲間を裏切る男」というヒールな人物として登場します。

しかしながら、本書のマークの言葉を読むと、「われわれの会社はガスや水道と同じ公益事業なんです」(本書より)と言っているように、お金儲けのことを考えない実直な青年の姿がうかがえます。そして、そんなマークを支えたのが、映画ではあまり目立った存在ではなかったダスティン・モスコヴィッツであり、ヒール役で描かれたショーン・パーカーでした。特に、ショーン・パーカーはベンチャーキャピタル(VC)の裏側も知り、煮え湯を飲まされてきた経験を生かしてVCとの交渉をまとめあげました。VCより引き出した巨額な投資は、しばらくの間、収益がほとんどあがらなかったフェイスブックの運営に欠かせないものとなってまいります。ショーン・パーカー自身は自らのスキャンダルによってフェイスブックの社長を退くことになりますが、恐らく、ショーン・パーカーの存在がなければ、フェイスブックは「資金が湯水のごとく消えていった巨大な運営費」に押しつぶされ、現在は存在していなかったかもしれません。

映画や、映画の原作となった『facebook』(ベン・メズリック著)では描かれなかった創業時から2010年頃までのフェイスブックの成長の経緯が、本書には詳しく掲載されております。フェイスブック社について、関係者のインタビューを交えながら、これほど詳しく書かれた本は、恐らく他にはないと思われます。このため、小学生、中学生、高校生が成長し、数年~10年後に「フェイスブックの成長の歴史を知りたい」と思ったとき、代表的な本として名前があがる本だと思っております。

2点目の「ソーシャルネットワーク、ひいては過去・現在、そしてこれからのインターネットの在り方について示唆に富んでいる点」について、「透明性と、それによって引き起こされたプライバシーの問題」、「贈与経済」のことなど、「フェイスブックの成長とともに明らかになってきたこと」が本書の中で書かれております。フェイスブックの成長の歴史をつづった本と思っていた私は「贈与経済への示唆など、まさか、そこまで書いているとは思わなかった」というのが正直な思いでした。本書に書かれている以下のマークの言葉を読むと、「本書は、新興企業の単なる成長物語ではない!」ということが分かります。

 ザッカーバーグは、今やフェイスブックやインターネット上のほかの勢力は、贈与経済が大規模で機能していくのに十分な透明性を生み出していると言う。
 「もっとオープンになって誰もがすぐに自分の意見を言えるようになれば、経済はもっと贈与経済のように機能し始めるだろう。贈与経済は、企業や団体に対してもっと善良にもっと信頼されるようになれ、という責任を押しつける」
 この透明性、共有、寄付のいずれにも社会に深く浸透する含蓄がある。
 「本当に政府の仕組みが変わっていく。より透明な世界は、より良く統治された世界やより公正な世界をつくる」
 これは彼の核心をなす信念である。
(本書より)


 透明性をいっそう高めることを必然とする信念の一方で、ザッカーバーグは当然そこから導かれる問題を懸念していた−誰がユーザーの情報を制御するのか。彼は言う。
 「世界がますます透明な方向へ動いていくことは、次の10年、20年に起きる変革のほとんどを後押しするトレンドになるだろう。ただし大規模な暴力行為や政治崩壊がないことが前提だ。しかし、どうやってそれが起きるかという大きな疑問が残る。誰かに透明性についてどう思うかを聞くと、頭の中にマイナスイメージを浮かべる人もいる−監視社会の光景だ。本当に陰惨な未来を描くことだってできる。果たして透明性は、集中した権力を分散化するために使われるのだろうか。ぼくは、透明性が高まっていくトレンドは不可避だと信じている。もっとも、この側面〔われわれが常に監視される社会になる〕かどうかは、正直なところぼくにはわからない」
(本書より)


このように、本書のマークの言葉には、インターネットやSNSのあり方について示唆する言葉がたくさん登場してまいります。

様々な示唆を与えてくれる内容となっているのは、「マスコミ嫌い」で有名なマーク・ザッカーバーグ、そして、フェイスブックの運営に携わったダスティン・モスコヴィッツ、ショーン・パーカー、ピーター・シール、ジム・ブライヤー、シェリル・サンドバーグなどが一度ならず何度もインタビューに応じ、自ら語ってくれた言葉が本書の中でちりばめられ、それが本書を構成する重要な要素となっているからだと思います。

「インターネットの歴史に残る企業の成長の過程の詳細な内幕と、果たしてきた役割、そして未来への示唆」が描かれている本書は、「インターネットに関連する本の中でも歴史に残る名著」だと思いました。

最後に、著者のデビッド・カークパトリックさん、本書の翻訳を手掛けた滑川海彦さん、高橋信夫さん、解説の小林弘人さん、そして本書の編集を担当された中川ヒロミさんに、「このような素晴らしい本を世の中に出していただきありがとう!」と申し上げます。

そして、4月5日に発売される小さく賭けろ!―世界を変えた人と組織の成功の秘密』(ピーター・シムズ著)も、翻訳を滑川海彦さん、高橋信夫さんが、そして編集を中川ヒロミさんが担当しております。こちらの本にも期待したいと思います。


【関連書籍】


facebook
  • ベン・メズリック
  • 青志社
  • 1680円
Amazonで購入


フェイスブック 若き天才の野望 (5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた)

1)本書の内容
 プロローグ
 第 1章 すべての始まり
 第 2章 パロアルト
 第 3章 フェイスブック以前
 第 4章 2004年、以前
 第 5章 投資家
 第 6章 本物の企業へ
 第 7章 2005年、秋
 第 8章 CEOの試練
 第 9章 2006年
 第10章 プライバシー
 第11章 プラットフォーム
 第12章 150億ドル
 第13章 金を稼ぐ
 第14章 フェイスブックと世界
 第15章 世界の仕組みを変える
 第16章 フェイスブックの進化
 第17章 未来へ
 あとがき


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2012年03月13日

【マインドマップ付き】ソーシャルメディアの活用術を図でイメージできる本!『図解アメリカのソーシャルメディア・ビジネスのしくみ』(有元美津世著)


図解アメリカのソーシャルメディア・ビジネスのしくみ
  • 有元美津世
  • あさ出版
  • 1575円
Amazonで購入


図解アメリカのソーシャルメディア・ビジネスのしくみを読んでみました。

実は、あさ出版様というと、どうしても『日本でいちばん大切にしたい会社』(坂本光司著)というイメージが強く、ソーシャルメディアの本を出版するとは思ってもいなかったのです。「あさ出版様が出版したソーシャルメディアの本は、どんな内容なんだろう?」と興味を持って読んでみたのですが、非常に面白い、かつ、分かりやすい本でした。

本書のご紹介に当たって、今回は、【本書のポイント】【感想】【マインドマップ】【関連書籍】の構成で書いていきたいと思います。


【本書のポイント】

本書のポイントを以下に記述します。


■ソーシャルメディアの特徴を理解することが大事!

本書は「フェイスブックじゃ儲からない!」という衝撃的なタイトルで始まります。

このタイトルは、ソーシャルメディアが「『すべての市場で万人に役立つツールではない』この点をしっかり把握する必要がある」(本書より)ことを示すために、挙げております。

例えばfacebookの現在の利用状況を見ると
・日本におけるfacebookの利用者は約680万人
(日本の全人口の約5%)
・利用者が首都圏に集中している
・利用者の約6割が35歳未満
という現況です。

●関連リンク
都道府県別のFacebook利用者数と人口に対する比率(2011/12/17)
日本におけるFacebook利用者数の増加と男女、年齢別分布

現在の日本のfacebook利用状況を見ると、「首都圏以外の地域で地域に根差したビジネスに活用する、または中高年市場をターゲットにしたビジネスに活用するのは時期尚早ではないか?」と本書では述べています。

だからといって「ソーシャルメディアは役に立たない!」というこを著者は言っているわけではありません。むしろ、「ソーシャルメディアは無視できない存在」(本書より)と述べております。

大事なことは「『流行っているから、すぐ飛び付く』のではなく、目的に応じて活用すること」なのです。

 まずは、何のためにソーシャルメディアを使うのかを明確にしなければならない。
 ソーシャルメディアの目的、それは企業(または部門)目標を達成するためのものであって、それが定まっているのが前提だ。企業・部門目標には、売上増、ブランド価値の向上、企業イメージの向上、新規顧客獲得、顧客サービス向上などが考えられるが、それを達成するためには、ソーシャルメディアをどう利用できるかを明確にするということだ。
(本書より)



■ソーシャルメディアの種類

本書には、ソーシャルメディアの種類とその特性について詳しく書かれております。以下に、本書にかかれているソーシャルメディアについて掲載いたします。


●ソーシャルメディアの種類
フェイスブック(Facebook)
実名登録制の世界最大のSNS

ツイッター(Twitter)
140文字で「つぶやく」コミュニケーションツール

グーグルプラス(Google+)
グーグルのSNS。新機能を次々に取り入れ、利用者増加中

リンクトイン(LinkedIn)
人材採用に特化かつB2B用のSNS

ユーチューブ(YouTube)
世界最大の動画共有ネットワーク

フリッカー(Flicker)、ピンタレスト(Pinterest)
写真共有SNS

ユーストリーム(Ustream)
動画ライブ配信サイト。視聴者とのチャットや投票も可能

フォースクエア(Foursquare)
位置情報SNS。地域に根差した商売向き

グルーポン(GROUPON)
格安クーポン共同サイト

スタンブルアポン(StanbleUpon)
ウェブサイト発見・口コミ共有サービス

ブログ(Blog)
ウェブサイトより情報更新がしやすい

掲示板・フォーラム
書き込みを通じ情報交換・交流

ミクシィ
日本最大級のSNS

ニコニコ動画
日本最大級の動画投稿サイト。ライブの配信も可能

スカイプ(Skype)
音声やチャットで交流
(各ソーシャルメディアの概要は本書より引用)


なお、各ソーシャルメディアの特徴の詳細は、本書をご覧ください。


■米国企業の活用例

本書には、米国企業のソーシャルメディアの活用事例が図解入りで掲載されております。図を見ると、その企業がどのような形でソーシャルメディアを利用しているのかが、感覚的にわかります。

なお、本書に事例として紹介されている企業は以下の通りです。

●米大企業の活用例
1)ディズニー
2)コカ・コーラ
3)ビクトリアズ・シークレット
4)リーバイス
5)ベストバイ
6)フォード
7)デル

●米中小企業の活用例
1)クリームビュリュレカート
2)エマーソンサロン
3)AJボンバーズ
4)エクイン・プラクティス
5)ハッピーイングリッシュ
6)トライアンバイレイト
7)ブレンドテック
8)スティールマスター
9)アイデアペイント
10)ジョワ・ド・ヴィーブル
11)ニーナペーパー
12)スレッドレス
13)リブ・ストロング
番外編)ムザちゃん


■マトリックス活用の基本パターン

本書には、米国企業の事例を元にまとれられた「マトリックス活用の基本パターン」の体形が掲載されております。

●マトリックス活用の基本パターン
1)基本型(オフラインイベント利用)
2)地域密着利用(フォースクエア・グルーポン・ツイッター利用)
3)オンラインコミュニティ

企業の特性や目的に応じて組み合わせを考えるための雛形として、利用することが可能です。


【感想】

「ビジネスにおけるソーシャルメディアの活用」はここ1年ほど叫ばれており、数多くの本が出版されております。私も多くの本を読んでまいりました。

その中で、本書は「ビジネスにおけるソーシャルメディアの活用」について書かれた本に関し、私の中ではトップレベルに値する本だと思いました。

そう思った理由は以下の通りです。

1)ソーシャルメディアをビジネスに活用する用途を明記の上、多くのソーシャルメディアの特徴や活用方法をしっかりと書いている。

2)ソーシャルメディアを組み合わせて活用しているアメリカ企業の事例や特徴を、分かりやすく記述している(特に、図解で企業のソーシャルメディア戦略を書いているので、どのように活用しているかをイメージしやすい)

3)PART2で書かれた企業の事例を汎用モデル化し、図解で示している。そして、「ソーシャルメディア活用のポイント」を分かりやすく、かつ、踏み込んで書いている


ソーシャルメディアをビジネスで活用する本というと、「twitter」や「facebook」とSNS単位で書かれている本が大半でした。

しかし、実際にビジネスで活用しようと考える場合、ソーシャルメディアを単体で使うことはほとんどなく、「目的に応じて、SNSの特徴を考慮しながら、Webページ、ブログ、twitter、facebook、YouTubeなどを組み合わせて使っていく」というのが実情だと思います。

ただ、数多く出版されているSNSの本のなかで、「顧客を着地場所にランディングさせるために、ソーシャルメディアをビジネスモデルとして提示してくれた本」は、ほとんどありませんでした。私が読んだ中では『〜Twitter、Ustream.TV、Facebookなど、ソーシャルメディアで世界一成功した男〜ゲイリーの稼ぎ方(ソーシャルメディア時代の生き方・考え方)』(ゲイリー・ヴェイナチャック著)くらいでしょうか?

ソーシャルメディアは、もはや無視できない存在となっております。多くの企業は「ソーシャルメディアを上手く使っていこう」と思っていると思います。しかし、「どのメディアを、どのように使っていったらよいのか分からない」という企業も多いのではないでしょうか?

そういう意味で、本書は「ソーシャルメディアを上手く活用するためのモデルを分かりやすく提示してくれる貴重な本」だと思います。

本書で示されたソーシャルメディアの活用モデルを図でみると、ヒラメキが得られると思いますよ!


※2012-03-20追記
【マインドマップ】

image.png
拡大表示は以下のリンクをクリック!
なお、スマホでは綺麗に表示できないかもしれませんが、ご勘弁を(^^;)
図解アメリカのソーシャルメディア・ビジネスのしくみ.html

そして、スマホの方は以下のリンクをクリック!マインドマップの内容を階層構造で表しました。
図解アメリカのソーシャルメディア・ビジネスのしくみ.mm.html

※追記ここまで


【関連書籍】


〜Twitter、Ustream.TV、Facebookなど、ソーシャルメディアで世界一成功した男〜ゲイリーの稼ぎ方(ソーシャルメディア時代の生き方・考え方)
  • ゲイリー・ヴェイナチャック
  • フォレスト出版
  • 1575円
Amazonで購入


図解アメリカのソーシャルメディア・ビジネスのしくみ

1)本書の内容
 はじめに
 PART 1 フェイスブックとツイッターを始めても、ビジネスがうまくいかない理由
 PART 2 アメリカの最新事例に学ぼう!
 PART 3 ソーシャルメディアでビジネスを成功に導くためにマトリックス活用の基本パターン
 おわりに

2)本書から学んだこと
 ・ソーシャルメディアはそれぞれ特徴がある!
 ・ビジネスの目的に応じてソーシャルメディアを活用することが重要!



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posted by まなたけ(@manatake_o) at 23:51 | Comment(2) | TrackBack(0) | メディア/SNS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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