ビジネスモデル: ビジネス書のエッセンス(ビジネス書 書評ブログ)

2013年07月27日

Outlook『ビジネスモデル・ジェネレーション』(アレックス・オスターワルダー/イヴ・ピニュール著)



ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書のまとめも今回で最後!
今回は最終章にあたる「Outlook」についてまとめてみた。

この章では大きく分けて5点について書かれている。
 1)公共や非営利団体におけるビジネスモデルの検証
 2)コンピュータモデルを使ったビジネスモデルデザインの可能性
 3)ビジネスモデルとビジネスプランの関係
 4)ビジネスモデルを実行する際の問題点
 5)ビジネスモデルとITの連携


特に3)〜5)はビジネスモデル実行において、避けては通れない考慮すべき点になると思う。


【本章のポイント】


■収益を超越した非営利ビジネスモデル

キャンバスで起用されるのは何も、営利団体のみに適用されるわけではありません。非営利団体、慈善団体、公的機関、およびソーシャルベンチャーにも、簡単にその技法を適用することができます。
あらゆる組織は、たとえ「ビジネス」という定義がされていないものでも、必ずビジネスモデルを持っています。組織が生き残るためには、価値を創造し、提供することによって、その費用をカバーするだけの収益を生み出す必要があるからです。異なるのはフォーカスだけです。営利事業の目的は収益の最大化であり、一方、以下で説明する組織では、環境問題、社会問題、および公共サービスに焦点を当てた、収益以外の任務を持っています。こうした組織には「エンタープライズモデル」という用語を適用するよう、優れた起業家であるティム・クラークは提案しています。
(本書より P264)



■コンピュータ支援システムを使ったビジネスモデルデザイン

 ビジネスモデルのプロトタイプをスプレッドシートへと入力するのは時間がかかり、ひとつでも変更すると手作業での調整が必要となります。コンピュータ支援システムを使えば、これが自動的に処理でき、素早くビジネスモデル全体のシミュレーションを行うことができます。さらに、コンピュータを使えば、作成、保存、操作、トラッキング、モデルの共有がずっと簡単に行えます。このようなコンピュータによるサポートは、地理的に離れたチームとの共同作業に、必須と思えるはずです。
 大陸間で共同して、飛行機をデザイン、シミュレートしたり、ソフトウェアを開発しているのに、ビジネスモデルではできないということはないはずです。新しいビジネスモデルの開発と管理に、マイクロプロセッサのスピードとパワーを活用してもよいころでしょう。革新的なビジネスモデルを発明することは、確かに人間の創造性を必要としますが、コンピュータ支援システムは、より高度で複雑な方法でビジネスモデルを操作するのに、役立つ可能性があります。
(中略)
 コンピュータ支援ビジネスモデルのデザインシステムは、おそらくインターフェイスの改良とともに進化していきます。壁サイズのタッチスクリーンでビジネスモデルを操作できるようになれば、直感的な紙ベースのアプローチに近くなり、ユーザビリティも向上するでしょう。
(本書より P266〜P267)



■ビジネスモデルとビジネスプラン

ビジネスプランの目的は、営利、非営利を問わず、そのプロジェクトがどのように実行できるかを記述し説明するものです。ビジネスプランには、潜在的な投資家や内部のステークホルダーに対して、プロジェクトを「売り込む」という動機が潜んでいることもあります。ビジネスプランはまた、実行するためのガイドとしても利用できます。

 独自のビジネスモデルをデザインし熟考することは、強力なビジネスプランを書くための基盤になります。ビジネスプランには、チーム、ビジネスモデル、財務分析、外部環境、実行のロードマップ、リスク分析といった5つの項目に分かれます。
(本書より P268)


ここでは「構築したビジネスモデルを実際に実行するための計画の策定、そして計画の策定には作成したビジネスモデルが基盤となる」ことを訴えている。ビジネスプランの策定に当たり、本書では「チーム」「ビジネスモデル」「財務分析」「外部環境」「実行のロードマップ」「リスク分析」の項目で以下の視点を示している。

○チーム
・マネジメントのプロフィール
・ビジネスモデルはどのように機能するか

○ビジネスモデル
・ビジョン、ミッション、価値観
・ビジネスモデルはどのように機能するか
・価値提案
・ターゲット市場
・マーケティング計画
・リソースと主要活動

○財務分析
・損益分岐点分析
・販売シナリオと予測
・設備投資
・運営コスト
・資金調達の要件

○外部環境
・経済状況
・市場分析と主要トレンド
・競合分析
・ビジネスモデルの競争優位性

○実行のロードマップ
・プロジェクト
・マイルストーン
・ロードマップ

○リスク分析
・制約条件と障害
・重要な成功要因
・リスクと解決策
(本書より P269)



■組織におけるビジネスモデルの実行

ビジネスモデルの実行において必要なのは組織の実行力である。

本書ではビジネスモデルを持続可能な企業へ変えていく方法や、既存の組織でビジネスモデルを実現する方法としてジェイ・ガルブレイスが提唱しているスターモデルを用いて「戦略」「構造」「プロセス」「報酬」「人々」の5つの領域にて組織設計の考察を促している。以下に、5つの領域から、本書に書かれている組織設計において考慮すべき点を記載する。

○戦略
・戦略上のゴールは何ですか?
・ビジネスモデルをどのように動かしますか?

○人々
・どんなスキルを持った人材が必要ですか?
・どんなタイプのマインドセットが必要ですか?

○構造
・どんなタイプの組織構造が必要ですか?

○プロセス
・どのような情報の流れ、プロセス、ワークが必要ですか?

○報酬
・どんな報酬システムが必要ですか?
・どうすれば従業員を動機づけできますか?
(本書より P271)



■ITとビジネスの連携

情報システムをビジネスのゴールへと連動させることは、企業の成功に欠かせません。CEOであれば誰しも、最高情報責任者(CIO)へ次のように尋ねるでしょう。適切なITの仕組みをもっているだろうか。どうやってそれを知るのだろうか。どうすればビジネスと技術システムを連携させられるだろうか。
 IT調査・アドバイザリー企業であるガートナーは、「適切なITを実装する:ビジネスモデルの利用」と呼ばれる報告書で、こうした論点を強調しています。そして、ビジネスモデルキャンバスは、経営の細かなところに囚われることなく、ビジネスがどのように機能しているか素早く把握できる強力なツールであると断言しました。ガートナーは、ビジネスとITについて、戦略的な方針に基づく意思決定に役立つからです。
 そこでキャンバスを、エンタープライズアーキテクチャのアプローチと組み合わせると便利だということに気づきました。エンタープライズアーキテクチャでは企業を、ビジネスの視点、アプリケーションの視点、技術の視点という3つの視点から説明しています。キャンバスは、ビジネスの視点を導くために利用し、その後、アプリケーションや技術の視点へと連動させていくといいでしょう。
(本書より P258)



【関連書籍】



ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書

1)本書の内容
 Canvas キャンバス
 Patterns パターン
 Design デザイン
 Strategy 戦略
 Process プロセス
 Outlook 展望

2)本書から学んだこと
 ・ビジネスモデルイキャンバスは非営利団体においても役に立つ!
 ・ビジネスモデルのデザインは、ビジネスプランを書くにあたっての基盤となる!
 ・ITとの連携はビジネスモデルの実行において重要な考慮点となる!



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2013年07月24日

Process『ビジネスモデル・ジェネレーション』(アレックス・オスターワルダー/イヴ・ピニュール著)



ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書のまとめもあと2つ!
今回は第5章にあたる「Process」についてまとめてみた。

本章では本章ではビジネスモデルのデザインプロセスについて述べられている。デザインプロセスとは、「リソースの集結」、「理解」、「デザイン」、「実行する」、「管理する」の5つである。

本書の記述を用いながら、デザインプロセスの各項目のポイントを以下に記載する。


【本章のポイント】


■リソースの集結

ビジネスモデルデザインプロジェクト成功への準備


最初のフェーズですべきことは、プロジェクトの目的を決め、初期のアイデアをテストし、プロジェクトを計画し、チームを結成することです。

目的がどのように設定されるかは、プロジェクトによってさまざまですが、通常、論理的根拠、プロジェクトスコープ、主要な目的などが含まれます。また、当初の計画を作るには、ビジネスモデルデザインのリソースの集結、理解、デザインのフェーズが欠かせません。これに続く実行と管理のフェーズは、ビジネスモデルのディレクションに関する3つのフェーズの成果に強く依存しているため、あとからでないと計画することができません。

この最初のフェーズにおける重要な活動に、プロジェクトチームを結成し、正しい人と情報にアクセスすることがあります。プロジェクトはそれぞれユニークなものなので、完璧なチームへとトレーニングするためのルールはありませんが、広いマネジメントと業界の経験、新鮮なアイデア、適切な人脈、そしてビジネスモデルのイノベーションに対する深いコミットメントを持つ人たちを集めるといいでしょう。

(中略)

どんな場合でも、ビジネスモデルキャンバスをデザインのための共通言語として、確立してください。これは、初期のアイデアをより効果的に構築し表現する手助けとなりますし、コミュニケーションも円滑にします。ビジネスモデルアイデアを、テストするためのいくつかのストーリーへと紡ぎあげたくなるでしょう。
(本書より P250)



■理解

ビジネスモデルデザインの取り組みに必要な要素を調査、分析する

この第2フェーズでは、ビジネスモデルを進化させる文脈について、理解を深めていきます。

ビジネスモデルを取り巻く環境を調査するためには、市場調査や顧客の研究、その領域の専門家へのインタビュー、競合他社のビジネスモデルのスケッチといった活動を組み合わせることになります。プロジェクトチームは、ビジネスモデルの「デザイン空間」を深く理解するために必要な素材や活動へとしっかり取り組まなければなりません。

しかし、市場調査には、必然的に調査をしすぎてしまうリスクを伴っています。最初に、こうしたリスクがあるということをチームに気づかせ、過度な調査を避けるという共通認識をもたせることを確実に行いましょう。早いタイミングで、ビジネスモデルのプロトタイピングを行うことによって、この「分析への麻痺」を回避できます。これにより、すぐにフィードバックを収集できるのです。前述した通り、研究、理解、デザインは同時進行していくので、その境界はあいまいです。

調査中、顧客への知識を得ていくプロセスは、細心の注意が必要な領域です。当たり前のようですが、特に技術が特化したプロジェクトでは、無視されることが多いです。顧客の共感マップは、構造化された顧客調査を支援する強力なツールとして機能します。共通の課題は、顧客セグメントは、最初から必ずしもはっきりしているわけではないということです。「まだ解決すべき問題を探している」段階の技術は、いくつかの異なる市場で適用できるかもしれません。
(本書より P252)



■デザイン

デザインフェーズでの課題は、大胆な新しいアイデアを生み出し、こだわっていくことです。幅広い思考は、ここでは重要な成功要因となります。画期的なアイデアを生み出すために、チームのメンバーは、現状を放棄する能力を身につける必要があります。探索に重点をおいたアイデアを探求する時間を、しっかり取る必要があります。なぜなら、異なる方法を探すプロセスこそが、最善の選択肢にたどり着く、最も可能性の高い方法だからです。

早いタイミングで、あるアイデアと「恋に落ちる」ことは避けてください。複数のビジネスモデルのオプションを考えるには、それなりに時間がかかるからです。たとえば、別のパートナーシップモデルを採用すれば、別の収益の流れを模索し、複数の流通チャネルを探っていくことになります。新たな可能性を探求しテストするためにも、異なるビジネスモデルのパターンも試してみてください。

外部の専門家や将来のクライアントへビジネスモデルをテストするには、それぞれの立場でのストーリーを作り、フィードバックを求めます。これは、一人ひとりのコメントに応じてモデルを変更しなければならないということではありません。批判的なフィードバックも聞くことにはなりますが、それは潜在的な障害をあらかじめ示してくれるものです。さらなる探求によって、モデルを洗練していくことができます。
(本書より P254)



■実行する

最終的なビジネスモデルデザインが完成したら、今度は実行デザインへと翻訳を始めます。ここには、関連プロジェクトの定義、マイルストーンの
指定、法制度の整備、詳細な予算とロードマップの整備などが含まれます。実施段階では多くの場合、ビジネスプランの中に概要が示され、プロジェクトマネジメントの文書に項目別に説明されます。

特に注意が必要なのは、不確実性をどのように管理するかということです。このためには、リスクと報酬の期待値が、実際の結果に比較してどのように推移しているか、詳しく計測することになります。これはまた、市場からのフィードバックにあわせて、迅速にビジネスモデルを適応させる開発メカニズムでもあります。
(本書より P256)



■管理する

成功している組織では、新しいビジネスモデルの創造や、既存のモデルの再考は、1回限りでは終わらない、継続的な活動です。この管理のフェーズでは、外部要因によって長期的にどのような影響を受けるかを理解するために、継続的なモデルを評価し、環境を調査していきます。

組織戦略チームの少なくともひとりは、ビジネスモデルの長期的な進化についての責任を負うべきです。ビジネスモデルを評価するため、クロスファンクショナルチームとの定期的なワークショップの開催も検討しましょう。ビジネスモデルについて、調整や見直しを判断するのに役立ちます。

ビジネスモデルの改善について、トップマネジメントだけが夢中になるのではなく、従業員が毎日頭を悩ましていることが理想です。新たなビジネスモデルのアイデアはしばしば、組織の思ってもみない場所から生まれるからです。

市場の変化に対して、積極的に対応することもまた、重要性を増しています。ビジネスモデルの「ポートフォリオ」を管理することも意識してください。成功したビジネスモデルの寿命が急速に短くなっている現在、継続的なビジネスモデル創造の中に生きていると言っていいでしょう。伝統的な製造ライフサイクル管理と同様、未来の市場の成長モデルと、現在、現金を生み出しているビジネスモデルをどう置き換えるか、考える必要があります。
(本書より P258)



【関連書籍】



ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書

1)本書の内容
 Canvas キャンバス
 Patterns パターン
 Design デザイン
 Strategy 戦略
 Process プロセス
 Outlook 展望

2)本書から学んだこと
 ・ビジネスモデルイノベーションには以下の4つの目的がある!
  (1)すでに市場に存在する未解決のニーズを満たすため
  (2)市場に新技術、製品、サービスを導入するため
  (3)既存市場を、よりよいビジネスモデルによって改善、変革するため
  (4)まったく新しい市場を作り出すため
 ・ビジネスモデルのデザインプロセスには5つのフェーズがある!
  (1)リソースを終結する
  (2)理解する
  (3)デザインする
  (4)実行する
  (5)管理する
 ・デザインプロセスはポイントが絞られるまで不確実性にあふれている!



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2013年07月23日

Strategy『ビジネスモデル・ジェネレーション』(アレックス・オスターワルダー/イヴ・ピニュール著)



今回はビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書の第4章にあたる「Strategy」についてまとめてみた。本章では構築したビジネスモデルが機能する環境なのかを戦略的に調査・評価するための観点を記述している。

以下に本章のポイントを記載する。


【本章のポイント】


■ビジネスモデル環境

ビジネスモデルは、特定の環境の中で実行されます。そのため、組織を取り巻く環境について理解を深めることは、競争力のあるビジネスモデルを着想するのに役立ちます。
継続的な環境調査は、以前より重要になっています。なぜなら、経済環境が複雑になり(たとえばネットワークでつながるビジネスモデル)、不確実性が高まり(たとえば技術イノベーション)、激しい市場の変化があるからです(たとえば経済不安、破壊的な新しい価値提案)。こうした環境変化を理解することは、変化し続ける外部の力に対して、モデルを効果的に適用させるのに役立ちます。

このためには、外部環境を一種の「デザイン空間」と捉えるといいでしょう。こうすれば、ビジネスモデルを文脈にあわせて調整しようと考えるようになり、多くのデザイン要因(たとえば新しい顧客ニーズや新しい技術など)を考慮することができるようになります。こうした環境は、創造性を制限することはなく、またビジネスモデルを事前に定義してしまうこともありません。デザインの選択に影響を与え、よく情報を得た上での判断ができるようになるのです。そして革新的なビジネスモデルを通じて、あなたは環境を変化させ、産業の新しいスタンダードを作り出すことになるでしょう。

ビジネスモデルの「デザイン空間」を認識するために、環境の主要な4つのエリアについて、簡単にマッピングすることをお勧めします。これには、(1)市場における圧力、(2)産業における圧力、(3)重要なトレンド、(4)マクロ経済の圧力があります。ここで扱うシンプルなマッピングよりも深い展望分析を行いたい場合には、4つのエリアそれぞれについて、より多くの文献と専門の分析ツールによって、実証していけばよいでしょう。
(本書より P200)


先の4つのエリアについて、本書で提示された視点を以下に記載する。

(1)市場における圧力(市場分析)
・市場の論点
・市場セグメント
・需要と供給
・スイッチングコスト
・収益の魅力

(2)産業における圧力(競争分析)
・競合(既存企業)
・新規参入
・代替品・代替サービス
・サプライヤーおよび他のバリューチェーンの企業
・ステークホルダー

(3)重要なトレンド(未来予測)
・技術のトレンド
・規制のトレンド
・社会的、文化的なトレンド
・社会経済のトレンド

(4)マクロ経済の圧力(マクロ経済学)
・グローバル市場の状況
・資本市場
・原料やほかのリソース
・経済インフラ


■詳細なSWOT分析 それぞれの構築ブロックへの評価

ビジネスモデル全体の整合性を評価することは非常に重要ですが、一方で、その要素を詳細に見ていくことでも、イノベーションにつながる興味深い道筋を発見できます。これを行うための効果的な方法は、ビジネスモデルのキャンバスと、古典的な分析手法である強み、弱み、機会、脅威(SWOT)分析を組み合わせることです。ビジネスモデルキャンバスは構造化された議論を可能にしてくれる一方、SWOT分析はビジネスモデルの要素を評価するための4つの視点を提供します。
(中略)
SWOT分析では、4つの簡単な質問をします。最初の2つは、組織の強みと弱みです。これは、組織についての内部的な評価です。次の2つは、その組織に訪れている機会と直面している潜在的な脅威です。これは、環境内での組織のポジションについての評価です。これらの4つの質問のうち、2つはプラスの分野(強みと機会)、もう2つはマイナスの分野を指摘します。ビジネスモデル全体と9つの構築ブロックそれぞれについて、この4つの質問をするとよいでしょう。さらなる議論や意思決定、最終的にはビジネスモデルに関するイノベーションの基礎を提供してくれるでしょう。
(本書より P216)



■ブルーオーシャン戦略におけるビジネスモデル

ブルーオーシャン戦略は、提供している価値やビジネスモデルに疑問を投げかけ、新しい顧客セグメントを見つける強力なメソッドです。ビジネスモデルキャンバスは、ビジネスモデルの一部を変えることで他の要素にどのようなインパクトが生まれるかを理解しやすくする、ビジュアル化された全体像を提供して、ブルーオーシャン戦略を補強します。
ひとことで言えば、ブルーオーシャン戦略とは、確立されたモデルにひねりを加えることで、既存の産業で競争しないような根本的な差別化により、完全に新しい産業を作るためのものです。既存の評価軸で競合を出し抜くのではなく、バリューイノベーションと呼ぶ方法を使って、競争のない新しい市場空間を作り出すのです。これはすなわち、新しいベネフィットとサービスを省くことによってコストを下げることを意味します。注目すべき点は、差別化とコストダウンはトレードオフであるという伝統的な見方を否定している点です。
バリューイノベーションを達成するために、キムとモボルニュは、4つのアクションフレームワークによる分析ツールを提案します。ここでなされる4つの重要な質問は、業界の戦略的なロジックと確立されたビジネスモデルに挑戦するものです。

1.業界では当たり前とされるどの要素を取り除くべきか
2.どの要素を、業界標準以下へと減らすべきか
3.どの要素を、業界標準よりも増やすべきか
4.業界でこれまで提供されていないどの要素を付け加えるべきか


(中略)
このバリューイノベーションというコンセントと4つのアクションフレームワークに、ビジネスモデルキャンバスを組み合わせることによって、強力な新しいツールを作り出すことができます。ビジネスモデルキャンバスでは、右側の価値創造を表し、左側はコストを表します。これは、価値を増やしコストを減らすというバリューイノベーションのロジックとよく適合するのです。
(本書より P226)



【関連書籍】



ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書

1)本書の内容
 Canvas キャンバス
 Patterns パターン
 Design デザイン
 Strategy 戦略
 Process プロセス
 Outlook 展望

2)本書から学んだこと
 ・ビジネスモデル環境は以下の4つのエリアから評価する!
  (1)市場における圧力(市場分析)
  (2)産業における圧力(競争分析)
  (3)重要なトレンド(未来予測)
  (4)マクロ経済の圧力(マクロ経済学)
 ・ビジネスモデルの評価にはSWOT分析が有効である!
 ・ブルーオーシャン戦略とビジネスモデルキャンバスを適合させてみる!



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