「成功する人」はどのようなタイプか?『GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代』(アダム・グラント著): ビジネス書のエッセンス(ビジネス書 書評ブログ)

2014年02月23日

「成功する人」はどのようなタイプか?『GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代』(アダム・グラント著)



「GIVE & TAKE」という言葉を聞くと、「相手に利益を与え、自分も相手から利益を得る」という意味を連想する。今回紹介する本書GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代も、当初、タイトルを見たときは、「相手に与えることで、自分も相手から利益を得ることができる。だからどんどん相手に与えよう」ということを勧める本だと想像した。しかし本書はそのような本でなく、組織心理学の研究者である著者が「成功する人はどのようなタイプの人か?」を示した本である。

本書は人間を3つのタイプに分けている。

 ・ギバー:人に惜しみなく与える人
 ・テイカー:真っ先に自分の利益を優先させる人
 ・マッチャー:損得のバランスを考える人


この3つのタイプのタイプのうち、最も成功しやすいタイプは「ギバー」であると本書は主張する。そして、「成功しているギバー」の「人脈づくり、協力、人に対する評価、影響力」についてどのような行動を取っているかを解説している。

 まずはじめに、なぜギバーがもっとも成功するのか、その理由について説明したいと思う。
 ギバーは「お人好しで、他人にいいように使われる人」と思われがちだが、実は意外にも成功者が多い。(中略)
 そうはいっても、成功できないエンジニアや販売員がいることも忘れるわけにはいかない。人に利用され、うだつの上がらない人も確かにいる。では、いったい何がお人好しと成功者を分けるのだろうか。それは、生まれついた才能や素質というより、その戦略や選択に関係している。どうしてトップまで登りつめるギバーがいるのか、それを説明していくのが、彼らについてよくいわれている二つのこと−思いやりがあって、利他的である−が、実は必ずしもそうではないことがわかるだろう。
 そして三つ目に、ギバー特有の成功法を明らかにしていこうと思う。もちろん、ギバーも、テイカーも、マッチャーも成功することは可能だし、現に成功してもいる。しかしギバーが成功するときは、ギバー特有の現象が起こるのだ−その成功がまわりの人びとに波及していくのである。
 テイカ―が勝つ場合には、たいていほかの誰かが負ける。調査によれば、成功したテイカ―は妬まれやすく、何とかしてその鼻をへし折ってやろうと周囲から思われるという。それとは対照的に、ホーニックのようなギバーが勝つと、みんなやんやと声援を送り、雛うすることなどない。その成功が、周囲の人びとの成功を増幅させるからだ。
 ギバーは成功するから勝ちを得るだけでなく、価値も生み出す。それがテイカ―やマッチャーと違っているのだ。
(本書より P35〜P37)


本書に登場するギバーのうち、もっとも有名人はエイブラハム・リンカーンであろう。言わずと知れた第16代アメリカ大統領である。一見「お人好し」に見える彼が、第16代アメリカ大統領に就任したのは興味深い事例だ。

しかし、上記の引用にも述べられているように、「成功するギバー」と「燃え尽きるギバー」がいるのも事実である。それを分けるものはなにか?そのキーワードは「まとめて与える」「周囲からサポートを受ける」である。

 他者志向のギバーがサポートネットワークを築いて、助けが必要なときに頼ることができる。これが、まとめて与えるとともに、他者志向のギバーが自己犠牲をしているギバーよりも燃え尽きにくい理由なのである。
(本書より P280)


監訳者である楠木建一橋大学大学院教授が「世の”凡百のビジネス書”とは一線を画す一冊!」と言っている通り、本書は小手先のテクニックではなく原理原則が書かれた本だ。「ゆるくつながる」社会において”他者貢献”がキーワードとなりそうな中、本書の内容はこれからの時代において有益な本と言えそうだ。


【本書のポイント】

■ギバー/テイカ―/マッチャー

 「テイカ―」は常に、与えるより多くを受けとろうとする。ギブ・アンド・テイクの関係を自分の有利のようにもっていき、相手の必要性よりも自分の利益を優先する。テイカ―にとって、世の中は食うか食われるかの熾烈な競争社会だ。だから成功するには、人より上にいかなければならないと思っている。能力を証明するために自分を売り込み、また、費やした努力は必ず認められるようにする。たいていのテイカ―は冷酷でもなければ非常でもない。ただ用心深く、自己防衛的なだけである。自分の身は自分で守らねばならないと考えているからだ。
(中略)
 テイカ―が自分を中心に考えるのに対し、ギバーは他人を中心に考え、相手が何を求めているかに注意を払う。テイカ―なら、得られる利益が損失を上回る場合にかぎり、相手の有利になるように協力する。一方ギバーなら、いつ何時も、損失より「相手」の利益のほうが上回るように手を差し伸べるのだ。いいかえれば、自分が払う犠牲はあまり気にせず、見返りをいっさい期待することなく相手を助けるということである。仕事においてギバーである人は、自分の時間、エネルギー、知識、スキル、有益な人脈を惜しみなく分かち合おうとするだろう。
(中略)
 しかし、いざ職場となると、ギブ・アンド・テイクはもっと複雑なものになる。仕事においては、ギバーかテイカ―かにはっきりと分かれることはほとんどなく、たいていの人が第三のタイプになる。それが、与えることと受け取ることのバランスを取ろうとする「マッチャー」だ。マッチャーは常に”公平”という観点にもとづいて行動する。だから人を助けるときは、見返りを求めることで自己防衛する。マッチャーは相手の出方に合わせて、助けたりしっぺ返しをしたりしながら、ギブとテイクを五分五分に保つのである。
(本書より P27〜P29)


■「他者志向」になる

 テイカ―が「利己的」で、成功できないギバーが「自己防衛的」なら、成功するギバーは「他者志向的」といっていいだろう。
 自分を犠牲にして与えていれば、すぐにボロボロになっていまうだろう。「他者志向」になるということは、受け取るよりも多くを与えても、けっして自分の利益は失わず、それを指針に、「いつ、どこで、どのように、誰に与えるか」を決めることなのである。
 他者への関心に自己への関心がかなり結び付けば、ギバーは燃え尽きたりやけどしたりすることが少なくなり、成功しやすくなる。
(本書より P254〜P255)


■「与える人」は”その一歩先”を見る

 ギバーの頭の中では、成功の定義そのものがちょっと変わっている。
 テイカ―が成功を、人を出し抜いて優れた成果を達成することだと考えるのに対し、マッチャーは成功を、個人の行政きと他人の業績を公正に釣り合わせることだと考える。
 一方、ギバーは成功を、他人にプラスの影響をもたらす個人的なものだと考えるのだ。
 この成功の定義は、働く人の雇用スタイル、評価、報酬、昇進のやり方を根本から変えてしまう。個々の従業員の生産性だけでなく、この生産性が周囲の人びとに与える影響にも注意を払わなければならないということだ。成功のイメージが、「個人の業績+他人への貢献度」で成り立つとすれば、職場でもギバーになる人が増えるかもしれない。テイカ―もマッチャーも、個人と共同体両方の利益を高めるため、他者を思いやるをえないだろう。
(本書より P381)


【関連書籍】



GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代

1)本書の内容
 
 PART1 あなたは、まだ「ギブ&テイク」で人生を決めているのか
 PART2 「名刺ファイル」と「フェイスブック」を見直せ
 PART3 チームの総力を活かせる人
 PART4 荒野で“ダイヤモンド”を見つける法
 PART5 「パワーレス」の時代がはじまった
 PART6 「与える人」が気をつけなければならないこと
 PART7 気づかいが報われる人、人に利用されるだけの人
 PART8 人を動かし、夢をかなえる「ギブの輪」
 PART9 「成功への道」を切り拓く人たち―あとに続くのは誰だ

2)本書から学んだこと
 ・ギバーがもっとも成功するタイプである!
 ・「自己犠牲」のギバーではなく「他者志向」のギバーになる!
 ・「与える人」は”その一歩先”を見る!



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タグ:自己啓発
posted by まなたけ(@manatake_o) at 21:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | 自己啓発 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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