「スペシャリテ」を持つこと!これが全ての出発点!『1つ3000円のガトーショコラが飛ぶように売れるワケ』(氏家健治著): ビジネス書のエッセンス(ビジネス書 書評ブログ)

2014年02月01日

「スペシャリテ」を持つこと!これが全ての出発点!『1つ3000円のガトーショコラが飛ぶように売れるワケ』(氏家健治著)



片手に乗るくらいの大きさのガトーショコラが1個3,000円と聞いて驚かれる方も多いと思う。しかし、この特撰ガトーショコラが大人気なのだ。『食べログ』が選出した「ベストスイーツ2013」において、チョコレート店全国ランキング第1位となったのが「ケンズカフェ東京」、そう、冒頭で紹介した1個3,000円の特撰ガトーショコラを販売しているお店だ。

ケンズカフェ東京の特撰ガトーショコラ.jpg

「ケンズカフェ東京」のガトーショコラは高級感あふれる箱に包まれている。開けてみると、そこには美味しそうなガトーショコラが!実際に食べてみると、控え目な甘さと、しっかしとしたチョコレートの甘さがほどよく調和した味わい。非常においしい....ってグルメレポートか(^^;)

さて、本題に戻して、1個3,000円のガトーショコラを販売している「ケンズカフェ東京」のオーナーシェフ・氏家健治さんが
・ガトーショコラを販売する経緯
・ブランディング戦略
・マーケティング戦略
について述べられた本が、本書1つ3000円のガトーショコラが飛ぶように売れるワケである。

本書で注目したいのは、「なぜ、氏家さんが1個3,000円の特撰ガトーショコラ1本で勝負する考えに至ったのか?そして、『食べログ』のチョコレート部門で全国第1位を取るほどまでになったのか?」という点である。

実は、ケンズカフェ東京で扱っている商品は1個3,000円の特撰ガトーショコラのみ!「取り扱っている商品が特撰ガトーショコラのみ!」と聞いて、驚く方も多いのではなかろうか?「ガトーショコラ1つで本当に大丈夫?」と考えるのが一般的であろう。しかし、氏家さんの考え方は逆だ。「一つに集中するからこそ最高の商品を提供できる」のだ。

だが、集中したからといって簡単に特撰ガトーショコラ1本で勝負できるものではない。氏家さんが特撰ガトーショコラ1本で勝負できるように「特撰ガトーショコラを育て上げた」と言ってもいい。そのキーワードを一言で言うと「ブランディング」である。ブランドが確立したからこそ、特撰ガトーショコラは1個3,000円で販売でき、「ブランド」として確立した。

「ブランディング」と書くと、何か「本人が輝くために行なうもの」というイメージがあるが、氏家さんのブランディングは、あくまで「商品が輝くために行なうもの」という考え方で行なっている。その前提となっているのが「スペシャリテを持つこと」である。そんな本書に書かれている氏家さんの「スペシャリテ」に対するこだわりは並大抵のものではない。スペシャリテを極めていったからこそ『食べログ』のチョコレート部門で全国第1位を取ったのだ。「スペシャリテ」を持つこと......ここに成長し、継続するための基本が集約されているような気がしてならない。ブランディングもマーケティングも全て「スペシャリテ」があるからこそ成立する。

個人的には本書を読みながら『成功できる人の営業思考』(太田彩子著)を内容を思い起こしていた。成功できる人にはある共通の「思考のくせ」がある。それが太田さんがいう「営業思考」である。本書に書かれている思考は、まさに「営業思考」と共通する。その太田彩子さんが特撰ガトーショコラを「スペシャリテ」として氏家さんに提案したという話も興味深い。

本書に書かれていることは、「ビジネスとして成立し、成長させるためにはどうすればよいか?」というキモである。それは、飲食業界に限った話ではない。どの業界においても、ひいて言えば「個人」においても適用できる。興味がある方は是非ご一読を!


●「ケンズカフェ東京」公式ページ
http://www.kenscafe.jp/


【本書のポイント】

■評判の店が自滅するパターン

 ブレイクの予感がすると同時に、不安も頭をもたげてきました。
 「このまま1500円で売っていたら、いつか立ち行かなくなる。評判のラーメン店が潰れるパターンに陥るかもしれないぞ」と思ったのです。
 美味しいと評判で行列ができるラーメン店が潰れることがあります。
 たとえば、780円で美味しいと評判になったラーメン店があるとします。そして、なにかのきっかけでブレイク。お客さんが殺到して行列ができる人気店になったとしましょう。
 行列してまで食べたいという通をうならせるラーメンを作り続けるためには、それなりのコストがかかります。お客様が飽きないように味をどんどん進化させる必要もありますし、味を真似するライバルが出てきてもそれを一蹴するような仕掛けも準備しなくてはなりません。いずれにしても確立した味と評判を守るためにはお金がかかるのです。
 ところが、ブレイクしてからだと値上げはしづらいもの。最高のラーメンを提供するために850円に値上げしても「ちょっと売れるようになったら、儲けに走るのか」とあらぬ誤解を受けないとも限らないのです。
 かといってコストを抑えるために材料を落とすと味が落ち、ファンになってくれたお客様がは離れていきます。「あの店は昔は美味しかったけど、最近は味が落ちたからダメだね」という話、よく耳にしますよね。
 こうして人気が出たばかりに潰れてしまう飲食店は少なくないのです。
(本書より P27〜P28)


■ブランド化の大前提は他が真似できないクオリティ

 ブランド化やコーポレートアイデンティティなどと大げさに構えてしまうと、ロゴから作ることからはじまると誤解している人もいるようですが、真っ先に取り組むべきは商品力の強化です。
 多くのお客様からトップブランドとして認められるためには、なによりも商品力が高くなくてはなりません。
 商品力、すなわちクオリティこそ、ブランド力を育てる大前提となります。
 世のなかには無名でもクオリティの高いものはあります。トップブランドのみが高いクオリティを誇るわけではありませんが、クオリティの低いトップブランドは世の中には存在しません。
 私のガトーショコラは、他が真似できないダントツのクオリティの高さにこだわりました。他よりも「ちょっと美味しい」ではダメなのです。「ダントツに美味しい!」と感動してもらえないとトップブランドとはい呼べないと思うのです。
(本書より P55〜P56)


■スペシャリテがないと凋落する

 1品ビジネスで成功させるには、その商品が他にはないダントツの魅力を持つスペシャリテ(看板商品)である必要があります。
 1品ビジネスで限らずとも、企業が生き延びるためにはヒット商品が求められます。トヨタ自動車なら『プリウス』、アップルなら『アイフォーン』、またユニクロなら『フリース』『ヒートテック』というヒット商品を持っています。
 そんなヒット商品を私はスペシャリテと呼んでいるのです。
 スペシャリテを出せない企業は凋落します。私が大好きだったソニーは『ウォークマン』や『プレイステーション』といったスペシャリテを出しながら、それに続くヒット作が出ないゆえに凋落を続けています。
(本書より P114〜P115)


■忘れられないようにカンフル剤を打ち続ける

 SNSやメルマガを通じてこれらの地道な活動は、「カンフル剤」だと思っています。メディアに出て一時的に話題を集めたとしても、「そういえばあの店どうなったの?」と消費者から忘れられるお店や商品は無数にあります。
 それを防ぐために欠かせないのがソーシャルメディアやメルマガを通じたカンフル剤。ブログ・マーケティングもその一助になります。
 私がフェイスブックで近況報告をつぶやくと、それがきっかけとなり静かな小石を投げ込むと波紋が広がるようにケンズカフェ東京や特撰ガトーショコラに関するつぶやきが増えてきます。
 もしも恋人や子どもの誕生日が近づいているとしたら「プレゼントはガトーショコラでいいじゃない。ネットで1本注文しておこう」という人も出てくるでしょう。でも、それは副次的な効果。「カンフル剤」の狙いはあくまで覚え続けてもらい、思いだしてもらうことにあります。
(本書より P154)


■逃げ道を用意しつつのチャレンジ

 私は壁にぶつかって悩んでいる飲食店のオーナーさんから相談を受けることがありますが、そんなときは必ずこういう話をします。
 「『資金が心配だ』『人手が足りない』とか言い訳をして現状維持に苛まれていると、業績はどんどん右肩下がりになります。市場には常時、新規参入がありますし、ひとの心は新しい刺激を求めているからです」
 壁にぶつかっているなら勇気を持って変革の一歩を踏み出さないと、なにもはじませんし、なにも変わりません。走りながら頭をフル回転させて考えて、走りながら修正する人だけが、チャンスをものにして”化ける”ことができる。これは飲食業界に限らず、ビジネス全般に共通する原理ではないかと思います。
(中略)
「ひとつが失敗したらすべてが終わり」という一か八かのチャレンジは、ただの無謀になりかねません。きちんと逃げ道を作っておき、戻れる場所を用意しつつ、変革してみるべきです。もとよりアイデアがあるのに、リスクを恐れるがためにチャレンジしないのはもったいないです。
(本書より P184〜P186)


【関連書籍】



1つ3000円のガトーショコラが飛ぶように売れるワケ 4倍値上げしても売れる仕組みの作り方 (SB新書)

1)本書の内容
 
 第1章 なぜ4倍値上げしてもお客が増えるのか?
 第2章 今より高く売る! ブランドの育て方
 第3章 ブランド力の伝え方
 第4章 “ありがたみ"を形にするサービスブランディング
 第5章 究極の1品ビジネス
 第6章 スペシャリテ(看板商品)の磨き方
 第7章 ダントツのネット活用術
 第8章 どん底だから勝機は見えてくる
 第9章 正しいチャレンジのしかた

2)本書から学んだこと
 ・「スペシャリテ」があるからこそビジネスは継続する!
 ・ブランディングもマーケティングも「スペシャリテ」が出発点!
 ・逃げ道を用意しつつ、チャレンジを!



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posted by まなたけ(@manatake_o) at 23:59 | Comment(0) | TrackBack(1) | 経済/ビジネス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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