謎多き企業”アマゾン・ドット・コム”ついて書かれた初の「半公式」の本!『ジェフ・ベゾス 果てなき野望』(ブラッド・ストーン著): ビジネス書のエッセンス(ビジネス書 書評ブログ)

2014年01月24日

謎多き企業”アマゾン・ドット・コム”ついて書かれた初の「半公式」の本!『ジェフ・ベゾス 果てなき野望』(ブラッド・ストーン著)



アマゾン・ドット・コム......言わずと知れた世界最大級のオンラインショッピングサイトである。同社はオンライン書店としてスタートを切ったのち、音楽・映画・家電と取り扱い商品を拡大していった。そして近年は電子書籍と電子書籍リーダーであるKindle、クラウドサービスのアマゾンウェブサービス(AWS)の提供など、テクノロジー企業としての側面も見せている。

だが、世界最大級のオンラインショッピングサイトにも関わらず、アマゾン・ドット・コムという企業、そして創業者のジェフ・ベゾスについて書かれた本は、他の有名なスタートアップ起業家のそれと比べると圧倒的に少ない。それゆえにアマゾン・ドット・コムは「謎多き企業」として有名だ。ジェフ・ベゾスのマスコミ嫌いも影響しているのだろう。しかし、今回、初のアマゾン・ドット・コムの企業史とも言える内容の本が登場した。それが本書ジェフ・ベゾス 果てなき野望である。

謎多き企業「アマゾン・ドット・コム」のついて書かれた本書の価値は、解説の滑川海彦さんの以下の言葉からも推しはかることができる。

 謎の鍵はアマゾンの創業者、大株主、CEOとして20年間にわたって絶対的に君臨するジェフ・ベゾスにある。これまでジャーナリストやアナリストが、アマゾンとジェフ・ベゾスについて、さまざまな分析を試みてきた。しかし、ベゾスの秘密主義に阻まれて、本人はもちろん、社員、関係者からも証言をほとんど得られなかった。
 ところがそのベゾスが、本書の著者、ブラッド・ストーンには「本書の支援を約束し、経営幹部、家族や友だちへの取材も許可してくれた」という。ほかのジャーナリストには与えられたことがない破格の扱いだ。本書は、アマゾンとベゾスについての初の「半公式」な伝記と言えるだろう。
(本書より P481より)


新興ヘッジファンドのD・E・ショー勤務時代に思いついたアマゾンのアイデア、シアトルでの起業、1995年のサイトオープン、ワンクリックのアイデア、異常とも思える「利益なき」急成長路線、ジャーナリストそして金融アナリストとの対立、ドットコムバブルの崩壊に伴う会社の窮地と社内の対立、宇宙への思いとブルーオリジン、クラウドサービスAWS、電子書籍とKindle、ザッポスの買収など、今までアマゾンに関する大きな話題が、アマゾン関係者の証言やエピソードが多々織り交ぜられながら書かれている。1998年のホリデーシーズンに設けた「やってみよう賞」の賞品が「ぼろいスニーカー」というようなエピソードは、他書ではお目にかかることはないだろう。

そんなアマゾンに関するエピソードが満載の本書で興味を引いたのが「エブリシング・ストア」というビジョンである。これはインターネット上にあらゆる商品を取り扱うことができる空間を作るというビジョンである。「なぜ、アマゾンは”負の経営循環”とも言える経営手法を取りながら、貪欲なまでに成長路線を続けるのか?」「なぜ、えげつないとも言える手法で他社を買収するのか?」「なぜ、ベゾスは例え世界を敵に回しても、自分の信念を貫き続けるのか?」アマゾン創業から20年間変わっていないこのビジョン、そしてビジョン実現に対するブレないスタンスを本書で知ったとき、その理由が垣間見えた気がする。

本書では、多くの混乱を招きながらも、単なるオンライン書店企業からプラットホーム企業に変貌した様子が描かれている。しかし、ベゾスからみるとまだまだ道半ばであろう。今後アマゾンがどのような姿に変貌するのか?そのとき、小売業はどのように変化しているのか?本書に書かれたアマゾンの20年の歴史を知るとこで、今後も目が離せない企業であることを改めて再認することは間違いない。


【関連書籍】



ジェフ・ベゾス 果てなき野望

1)本書の内容
 
 プロローグ 優秀な技術系創業者の物語/けたたましい声で笑う男
 第I部 信念を貫く
  第1章 アマゾンは金融工学の会社から生まれた
  第2章 冷たい目を持つ聡明な男
  第3章 ベゾスの白昼夢と社内の混乱
  第4章 宿敵アナリストに打ち勝つ
 第II部 書店サイトだけでは終わらない
  第5章 ロケット少年
  第6章 混乱続きの物流システム
  第7章 テクノロジー企業であって小売企業ではない
  第8章 キンドル誕生
 第III部 伝道師か、金の亡者か
  第9章 グーグル、アップルと並ぶ会社になる
  第10章 ご都合主義
  第11章 疑問符の王国



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posted by まなたけ(@manatake_o) at 23:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | IT/Web | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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