物語と解説で書かれたマーケティングのエッセンスが詰まった本!『ウサギくんと少年ルッコラのマーケティングの物語』(小川亮著): ビジネス書のエッセンス(ビジネス書 書評ブログ)

2013年11月04日

物語と解説で書かれたマーケティングのエッセンスが詰まった本!『ウサギくんと少年ルッコラのマーケティングの物語』(小川亮著)



本書『ウサギくんと少年ルッコラのマーケティングの物語』はマーケティングに関する以下の項目を各章で取り上げ、そして各章では物語と解説で構成されている本である。本書で取り上げているマーケティングの項目とは以下の通り。

・コンセプト
・顧客満足
・商品
・価格
・流通
・広告
・競争戦略
・事業戦略
・サービス
・イノベーション


これらの項目はそれぞれ単体でも一冊の本が書けるほど奥深い内容だ。限られたページ数ではこれらの「エッセンス」をいかに抽出し、コンパクトがまとめるかが重要となる。本書に書かれている内容は、その「エッセンス」が非常に濃く、かつ分かりやすく書かれているのだ。

まず、これらのテーマを分かりやすくイメージさせるために、各章の最初に「ルッコラとウサギくんの物語」がある。ルッコラは「お母さんを楽にさせたい」と思っている発明が得意な少年。ウサギくんは月からやってきた、記憶喪失の欲望追求型ロボットである。ルッコラとウサギくんの物語は、自分達の発明品を多くの人に売ろうとしていく中で、先に書いたテーマに従って、「モノを売る上で考えないといけないこと、大事なこと」を示唆できるように書かれている。例えば、顧客満足の話では以下のように。

 そうやってルッコラの最初の発明品『ハンドくん』が完成した。ハンドくんは家の中にあるもの、本やリモコンやドライバーを所定の場所から持ってきてくれるロボットだ。
 「ハンドくんに欲しいものを言えば、何でもとってきてくれるのです。」
 ハンドくんは言葉を理解し、人と物を認識し、部屋の様子を記憶する、ルッコラの技術の結晶だった。ルッコラは自分の仕事に心から満足していた。
 ところが、実際に使ってみるとトラブルが発生した。ルッコラがリモコンをお願いすると、ハンドくんはグルグルと回りだしてしまった。リモコンが決められた場所に置かれていないことが原因だった。ハンドくんはグルグルとその場を回りつづけている。
 「リモコンはどこ?」
 ルッコラはハンドくんを助けるために、慌てながら部屋中を探し回った。早く!テレビの横にリモコンを置いてあげないと!
(中略)
 「ルッコラは『物を持ってきてくれる』道具を作ったんだね。」
 ルッコラはうなずいた。
 「じゃあ物を持ってきてもらいたい人が一番必要なことは何かな?」
 簡単なようで難しい。
 「本当に必要なことは、『自分が動かずに済むこと』なんじゃないかな。だからルッコラが動き回ったんじゃ、本末転倒だよ。ちなみにリモコンはここさ。」
 ウサギくんはちゃぶ台の裏に貼りつけてあったリモコンを取り出した。
 「物を作る人は作ること自体が目的になっちゃうから、使う人にとって何が必要かを見失うことが多いんだ。そしてルッコラもそうだったように、使う人自身も自分が何を必要かわかっていない。いやいや、欲ってものはホントに奥深いなあ。」
(本書より P40〜P45)


そして、先の物語をより具体的に解説した内容が次に来る。先にあげた顧客満足の話では、以下の解説が冒頭に書かれている。

1.顧客満足
 商品を開発し販売していくには、お客さんに満足してもらうことが何より大切です。
 お客さんが商品やサービスに大変喜んでくれ、その商品やサービスをまた使いたいと思ってくれることを「顧客満足」といいます。
(中略)
 なぜ、商品を開発・販売するうえで顧客満足が大切なのでしょうか?
 ルッコラくんのように好きなものを楽しく開発して、それをそのまま売るのではいけないのでしょうか?
 商品開発は、様々なきっかけからはじまります。
 「会社が新しい技術を発明したから」「研究者の『つくりたい』という思いから」、あるいは「ライバル会社が新商品を開発したため、それに対抗する商品を作る必要があるから」、などなど・・・。
 しかし、最終的には作り手の思いだけではいけません。「顧客満足」を満たす商品を作ることが大切なのです。
 なぜか?企業には継続性がなければならないからです。そのためにはできるだけ、失敗を避ける必要があります。単に好きなものを作っていると「失敗する可能性が高い」のです。
 この失敗を避ける方法の1つとして、顧客満足を目指すのです。
(本書より P48〜P49)


物語で商品を開発し販売していく上で大切なことを示唆し、そして解説でより具体的に「顧客満足とは何か?」について書かれている。その2つをセットで読むことによって読者に大事なことを印象付ける。このような編集の意図が読みとれる。
しかも非常に重要な要素を分かりやすく書いているので頭に残る!「マーケティングのエッセンスを勉強したい!」と思っている方には、そして実務をしている方にとっても、とても有益な本ではないかと思う。

それにしても、マーケティングとは奥が深い!!


【関連書籍】



ウサギくんと少年ルッコラのマーケティングの物語 50年後も変わらない、売れるモノをつくる10の基本

1)本書の内容
 
 第1章 こんなにすごいモノでも売れないよ?コンセプトの話
 第2章 ルッコラ、才能を無駄づかい?顧客満足の話
 第3章 ウサギくんの知らない価値?商品の話
 第4章 キーパーくん、いくらで売れるかな??価格の話
 第5章 キレイなお姉さんに任せてみよう?流通の話
 第6章 王様が教えてくれたこと?広告の話
 第7章 対決!キーパーくんのそっくりさん!?競争戦略の話
 第8章 ルッコラ、倉庫へいく?事業戦略の話
 第9章 ウサギくん、おうちに帰る?サービスの話
 最終章 50年後‐そして伝説へ?イノベーションの話

2)本書から学んだこと
 ・商品を開発・販売するために考える要素はたくさんある!
 ・マーケティングとは奥が深い!



ブログランキングに参加しております。よろしかったらクリックをお願いいたします。
人気ブログランキングへ
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村
そして「よい記事!」と思ってくださった方は、下の【Twitterでつぶやく】【facebook いいね!】【はてなブックマーク】等のボタンのクリックをお願いいたします!


posted by まなたけ(@manatake_o) at 22:11 | Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。