図書館の自由が侵される時、我々は団結して、あくまで自由を守る!『図書館戦争』(有川浩著): ビジネス書のエッセンス(ビジネス書 書評ブログ)

2013年04月29日

図書館の自由が侵される時、我々は団結して、あくまで自由を守る!『図書館戦争』(有川浩著)



普段は小説を読まないのだが、今回はレビューを書きたいと思った。書きたいと思ったのは、図書館戦争 図書館戦争シリーズ(1) (角川文庫)である。

そのキッカケは、4/27(土)に公開された映画『図書館戦争』を見たからだ。



非常に面白い映画であった。しかし、それと同時に考えさせられるものもあった。現実の世界でもインターネットをはじめ、「表現の自由」に対する規制の動きが見え隠れし、危なっかしい状況が続いているからである。それゆえに、著者は、図書館を「表現の自由の象徴」として描き、そして「現実の世界で本を読む自由を奪われそうになったとき、激しく抵抗する」という思いを「図書館の自由が侵される時、我々は団結して、あくまで自由を守る!」という一文に込められている気がしてならない。

映画の中で榮倉奈々さん演じる笠原郁が、石坂浩二さん演じる稲嶺和市・関東図書基地司令に「どうしてこんな世界になってしまったんでしょう?」と聞いたとき、稲嶺和市は「それは無関心が引き起こしたものだ」(確か)と答えた。著者は「表現の自由、本を読む自由を守るために、我々はそのような動きに対して無関心であってはならない」と訴えたかったのではなかろうか?

 最後に、現状では色々危なっかしいながらも存在しない建前になっている検閲が、これから先も断固として拒否される世の中であることを祈りつつ。
(本書より P371)


上記の著者の思いに私も同感である。


【本書のあらすじ】

昭和最後の年に「メディア良化法」が成立した。そして法務省内にメディア良化委員会を、各都道府県に執行機関として良化特務機関を設置。公序良俗に反する書籍・映像作品・音楽作品を検閲し、取り締まった。そして、取り締まりに当たっては武力の行使もも許されていた。

一方、メディア良化法への対抗手段として既存の図書館法に以下の文を付け加える方たちで成立したのが通称「図書館の自由法」である。

「図書館法第四章 図書館の自由
第三十条 図書館は資料収集の自由を有する
第三十一条 図書館は資料提供の自由を有する
第三十二条 図書館は利用者の秘密を守る
第三十三条 図書館はすべての不当な検閲に反対する
第三十四条 図書館の自由が侵されるとき、我々は団結して、あくまで自由を守る」

正化11年、「日野図書館」が襲撃され、図書館側に死者12名を出す大惨事が起きた。後に「日野の悪夢」と名づけられた大惨事である。この事件をきっかけに、図書館を防衛する組織「図書隊」が全国10地域に設立された。

こうして「メディア良化委員会」と「図書隊」との抗争が始まった....

主人公の一人である笠原郁は、高校生の時に本屋で購入しようとしていた童話の新刊を「良化隊」の検閲で奪われそうになったところを図書隊員の「堂上篤」に救われる。だが、郁は図書隊員の顔を覚えていない。そんな郁は、憧れの図書隊員を「王子様」と呼び、自らも「図書隊員」を志願する。

正化31年、郁は図書特殊部隊に配属され、毎日軍事訓練に励んでいるところから物語は始まる....


【関連書籍】



図書館戦争 図書館戦争シリーズ(1) (角川文庫)

1)本書の内容
 
 一、図書館は資料収集の自由を有する
 二、図書館は資料提供の自由を有する
 三、図書館は利用者の秘密を守る
 四、図書館はすべての不当な検閲に反対する
 図書館の自由が侵される時、我々は団結して、あくまで自由を守る。


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