【マインドマップ付き】意志力を強化するには、まず「自己の観察」から!『スタンフォードの自分を変える教室』(ケリー・マクゴニガル著): ビジネス書のエッセンス(ビジネス書 書評ブログ)

2013年01月11日

【マインドマップ付き】意志力を強化するには、まず「自己の観察」から!『スタンフォードの自分を変える教室』(ケリー・マクゴニガル著)



世のほとんどの人は「自分を変えたい!」と思っているのではなかろうか?実は私もその一人である。

自分の欠点はいろいろと気になるものだ。例えば、「ムダ遣いをやめよう!」と思って、お金の使い道を手帳につけて、チェックする。だが、そのチェックが続かない....三日坊主で終わってしまい、結局、元の自分に終わってしまう....そのとき、「なんて自分は意志が弱い人間なんだ!」と嘆く自分がいる!

とまあ、自分の過去の経験をまず書いてみたが、このような「意志の弱さを嘆く経験」を多くの方はお持ちではなかろうか?

そんな方にお薦めなのがスタンフォードの自分を変える教室である。本書は心理学、経済学、神経科学、医学の最新の見解と豊富な実験結果をもとに、「意志力−注意力や感情や欲望をコントロールする能力−」について、そして自己コントロールを強化するための「自己観察」と「戦略」が書かれている。

特に着目すべきは、「自分を観察し、自分で戦略を探し出す」ことに重きを置いて書かれている点である。本書のIntroductionにはその理由が書かれているが、面白いので紹介したい。

 私は科学者になるための教育を受けましたが、その中で最初に学んだことのひとつは、理論がいくら優れていようと事実(データ)に勝るものではないということでした。
 ですから、みなさんもどうぞ本書を読みながら実験を行ってください。自己コントロールに対する科学的なアプローチは、なにも研究室のなかだけで行なうべきものではありません。みなさんは生活のなかで自分を研究対象にすることができるのであり−ぜひともそうしていただきたいのです。
 本書を読み進めながらも、私の言葉をうのみにはしないでください。まず、私がポイントを説明しそれに対する根拠を述べますので、みなさんはそれを生活の中で試してみてください。そのような実験の結果を見ながら、自分にはどのような方法が適しており、どれが効果的なのかを発見してください
(中略)
 この本を読み終えるころには、あなたは自分自身の問題を以前よりも深く見抜けるようになり、自己コントロールのための新たな方法を見いだしているでしょう。
(本書より P22〜P25)


 それにしても「私の言葉をうのみにしないでください」と言い切ったのには驚いた。科学者は大抵、自説にはプライドを持って主張するものだが....「理論がいくら優れていようと事実(データ)に勝るものではない」と述べているように、著者の姿勢は、あくまで「実験重視」なのである。それゆえ、「まず、私がポイントを説明しそれに対する根拠を述べますので、みなさんはそれを生活の中で試してみてください。そのような実験の結果を見ながら、自分にはどのような方法が適しており、どれが効果的なのかを発見してください」と述べているのであろう。

とはいいながらも、本書で説明しているポイントも、なかなか興味深いものがある。特に冒頭で述べた「意志の弱さを嘆く経験」については鋭い指摘だと思った。

本書によると、「変わろうとする決心と挫折の繰り返し」を「いつわりの希望シンドローム」というそうである。「変わるんだという期待感だけは思う存分味わって、そのあとの大変なことから逃げてしまえば、ずっとラクだし楽しい」(本書より P228)ので、「決心することを楽しんでいるだけ」の状態だそうだ!この文章を、そして「「決心するだけ」を楽しんでいませんか?」(本書より P229)という問いかけを読み、私はドキっとした。私のようにドキっとする方も、恐らく多くいるのではなかろうか?

著者が説明したポイントをもとに自分の観察のための問いかけが「マイクロスコープ」、そして、その問いかけに対して自分なりの答えを見つけるために行う実験が「意志力の実験」である。本書は10週間のプログラムで「マイクロスコープ」と「意志力の実験」を通じて「自己コントロールを強化するための戦略を発見する」ことを目的として書かれている。その説明も分かりやすいし、面白い!

繰り返し行うことで「最適な自己コントロール法」が発見できると同時に「今まで気が付かなかった自分」も発見できるかもしれない?そんな期待を抱かせる内容の本である。


【本書のポイント】

本書のポイント以下に掲載いたします。


■やる力、やらない力、望む力

 「やる力」と「やらない力」は、自己コントロールのふたつの側面を表していますが、意志力はそのふたつだけでは成り立ちません。ノーと言うべきときにノーと言い、イエスと言うべきときにイエスと言うためには、もうひとつの力、すなわち、自分がほんとうに望んでいることを思い出す力が必要なのです。
 「だけど、私はほんとうに欲しいのはあのブラウニー(3杯めのマティーニ、1日の休暇)なのに!」という、あなたの声が聞こえてきそうです。でも、誘惑に目がくらみそうになったり、物事を先延ばしにしたくなったりしたら、あなたがほんとうに望んでいるのは、スキニージーンズをはけるようになること、昇進すること、クレジットローン地獄から抜け出すこと、離婚(もしくは刑務所入り)を避けることだと、思い出さなければなりません。
 そうでなけれな、誘惑を目の前にしながら、どうやって踏みとどまれるでしょうか?このように自制心を発揮するには、肝心なときに自分にとって大事なモチベーションを思い出す必要があります。これが「望む力」です。
 意志力とはつまり、この「やる力」「やらない力」「望む力」という3つの力を駆使して目標を達成する(そしてトラブルを回避する)力のことです。これから見ていくように、私たち人類は幸運にも、こうした能力を備えた脳を授かることができました。実際、この3つの力―「やる力」「やらない力」「望む力」―こそが、人間とは何かを定義するものとさえ言えるかもしれません。
(本書より P30〜P31)



■意志力の保有量にはさまざまな要素が影響する

 意志力の保有量には、さまざまな要素が影響します。
食べるもの(植物ベースの加工されていない食品がよいでしょう。ジャンクフードはダメです)から住むところ(空気が悪いと心拍変動が低下します)まで、さまざまです。あなたの心やストレスを与えるものは何であれ、自己コントロールの生理機能を妨げ、ひいては意志力を損ないます。
 不安、怒り、憂うつ、孤独なども、すべて心拍変動の低下や自己コントロールの弱さと関連しています。また、慢性の痛みや病気も、体や脳の意志力の保有量を減らしてしまう原因になるでしょう。
 しかし、体と心を自制心を発揮できる状態にもっていくための方法もたくさんあります。第1章で学んだ「瞑想」は脳を鍛えるだけでなく、心拍変動も上昇させます。
 その他、ストレスを減らして健康を保つためにすることは何であれ、あなたの意志力の体内保有量を増やすのに役立ちます。「エクササイズを行なう」「睡眠をたっぷりとる」「体によい食事をする」「友人や家族とかけがえのない時間をすごす」「信仰やスピリチュアル関係の集まりに参加する」などです。
(本書より P74〜P75)



■ほんとうの報酬とまやかしの報酬を見分ける

 報酬を期待したところで喜びを得られるとはかぎらず、かといって、報酬もまったく期待しなくなれば喜びも感じにくくなります。報酬への期待が高すぎれば誘惑に負けてしまいますが、報酬を期待する気持ちがなければ、やる気も起きません。
 このジレンマに対しては、かんたんな答えはありません。人生に興味をもって取り組んでいくためには、報酬への期待が欠かせないのは明らかです。運さえよければ、報酬システムはずっとそのために働くでしょう―これで、害になることさえなければありがたいのですが。
 私たちの暮らしはテクノロジーで彩られ、広告であふれ、24時間絶えず何かを求め続けながらも、満たされることのない日々を送っています。そんな私たちが、もしいくらかでも自制心を手にしたいと思うなら、人生に意義を与えてくれるようなほんとうの報酬と、分別をなくして依存症になってしまうようなまやかしの報酬とを、きちんと区別しなければなりません。そのような区別をできるようになることが、私たちにできる最善のことなのです。
 これは必ずしもかんたんなことではありませんが、脳のなかで起きていることを理解すれば、少しは容易になるでしょう。オールズとミルナーのラットが必至にレバーを押し続ける姿を思い描くことができれば、たとえ誘惑にかられても、脳がつく大きなウソにだまされない分別をもてるのではないでしょうか。
(本書より P198〜P199)



■「いつわりの希望シンドローム」が起こす快楽

 ポリヴィとハーマンはこの(※変わろうとする決心と挫折の)繰り返しを「いつわりの希望シンドローム」と名づけました。これは「自分を変える戦略」としてはうまくいきません。これは「気晴らしの戦略」であって、このふたつは同じものではないからです。とにかくつかのまでも希望を感じたいというなら悪い手ではないのかもしれませんが。
 変化をもたらす過程で最もラクで気分がいいのは、変わろうという決心するときです。そのあとは苦しいことが続きます。自制心を発揮して、やりたいことを我慢し、やりたくないことをやらねばなりません。実際に自分を変える努力をしているときの気持ちは、うれしさを感じるかという点からすれば、自分は変わるんだと想像するときのわくわく感とは比べものになりません。
 となると、変わるんだという期待感だけは思う存分味わって、そのあとの大変なことから逃げてしまえば、ずっとラクだし楽しいのです。
 ですから、多くの人は自分を変えるための目標に向かってねばり強く努力を続けるよりも、「かんたんに目標をあきらめてはまた決心する」ということを繰り返してしまいます。あざやかに変身した自分の姿を想像すれば最高の気分に酔えるので、なかなかやめられないのです。
 自分を変えるために必要なモチベーションは、かえって目標を妨げるような非現実的な楽観主義とは異なるものです。私たちは、自分はきっと変われると信じていなければなりません。そういう希望をもたなければ、ただ現状に甘んじるしかないからです。けれども、自分の行動を変えるためでなく、とにかく落ち込んだ気分を明るくしたいために、変わるんだという期待をいたずらにいだくような、そんなありがちなワナにはまることは避けなければなりません。
さもないと、私たちは意志力をふりしぼっているつもりが、こんどこそ報酬が手に入るとしんじてレバーを押し続けるラットのごとき存在になってしまうでしょう。
(本書より P228〜P229)
※は私が追記



■自分自身をじっと見つめる

 自己コントロールを強化するための秘訣があるとすれば、科学が示しているのはただひとつ、注意を向けることができる力です。
 言い訳をして物事を先延ばしにしたり、よいことをしたのをいいことに自分を甘やかそうとしているのに気づくこと。
 報酬の予感は必ずしも報酬をもたらすとは限らない、そして将来の自分はスーパーヒーローでもなければ赤の他人でもないと認識すること。
 身の周りのどんなものが−販売戦略からソーシャルプルーフまで−自分の行動に影響を与えているかを見極めること。
 いっそ分別など捨てて誘惑に負けてしまいたいようなときに、ぐっと踏みとどまって自分のなかの欲求を静かに見つめること。
 そして、自分がほんとうに望んでいることを忘れず、どうすれば心からうれしく思えるかをわきまえていることでもあります。
 このような自己認識は、自分が困難なことや最も大事なことを行うときにつねに力を貸してくれます。それこそ、意志力とは何たるかを最もよく表しているでしょう。
(本書より P337〜P338)



※2013-01-19追記
【マインドマップ】

image.png
拡大表示は以下のリンクをクリック!
なお、スマホでは綺麗に表示できないかもしれませんが、ご勘弁を(^^;)
スタンフォードの自分を変える教室.html

そして、スマホの方は以下のリンクをクリック!マインドマップの内容を階層構造で表しました。
スタンフォードの自分を変える教室.mm.html

※追記ここまで


【関連書籍】



スタンフォードの自分を変える教室

1)本書の内容
 
 Introduction 「人生を変える教室」へようこそ
 第1章 やる力、やらない力、望む力
 第2章 意志力の本能
 第3章 疲れていると抵抗できない
 第4章 罪のライセンス
 第5章 脳が大きなウソをつく
 第6章 もうやけくそだ
 第7章 将来を売りとばす
 第8章 感染した!
 第9章 この章は読まないで
 第10章 おわりに

2)本書から学んだこと
 ・意志力には「やる力」「やらない力」「望む力」の3つの力がある!
 ・意志力とは自分自身を守るために発達した生物的な本能である!
 ・「観察」と「実験」の繰り返しで、自分に最適な「自己コントロール法」が見つかる(かも?)



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タグ:自己啓発
posted by まなたけ(@manatake_o) at 22:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | 自己啓発 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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