【マインドマップ付き】日本人に違った見方と勇気を与える日本経済の本!『なぜ日本経済は世界最強と言われるのか』(ぐっちーさん著): ビジネス書のエッセンス(ビジネス書 書評ブログ)

2012年11月03日

【マインドマップ付き】日本人に違った見方と勇気を与える日本経済の本!『なぜ日本経済は世界最強と言われるのか』(ぐっちーさん著)



なぜ日本経済は世界最強と言われるのかを読んでみました。

著者のぐっちーさんはプロの投資銀行家。有料メルマガも人気があり、投資の世界では注目を集めている方です。そのぐっちーさんの初の著書となったのが本書です。日本悲観論が蔓延する中で本書が注目を集めている同書を読んでみました。

本書のご紹介に当たって、今回は、【本書のポイント】【感想】【マインドマップ】【関連書籍】の構成で書いていきたいと思います。
※当初はマインドマップを掲載する予定ではなかったのですが、本書の概要を示したいと思い、追記することにいたしました。


【本書のポイント】

本書のポイントを以下に掲載いたします。


■日本救世主論

 今年(2012年)の春先にシアトルでビル・ゲイツの寄付金を運用するファウンデーションや、ITベンチャーの経営者連中などと、連日さまざまなミーティングを致しました。アメリカにおける日本に対する評価の問題です。
 いったい誰がバイアスをかけているのか極めて不明確なのですが、要するに日本経済のことをだめだとか、債務が多くて倒産しそうで終わっている国などと思っている人は誰もいないのですよ。アメリカは。
(中略)
 「財政赤字を減らさないと日本の信用がなくなる・・・・なんて誰がいいだしている冗談なのか」とビルのファウンデーションの連中はいうわけです。倒産するとすれば間違いなくアメリカが先だと。「だって、だから円が高いんだろ」・・・・はい、その通り(笑)。冷静に考えればわかることですが、リーマンショックでアメリカが飛びかけて、そのあと欧州危機があり、中国がよたよたし始めたこの時代にアンカーになっているのは日本なのです。
(本書より P14〜P16)



■日本は相対的に美人

 前述のように金利差とか成長率の差など、全く当てにならないことは過去が証明しています。むかしは日米金利差3%以上ならドル高とかよくいったわけですが世界の為替のトレーダーはそんなものは見ていません。為替とはなにかを突き詰めると、結局美人投票でしかないのです。
 となると、誰がいま一番美人かを突き詰める方がはるかに有益でしょう??
 私がここ数年「ドル安円高」といっているのはまさにそういうことなのです。美人度から見たときにどうも日本が相対的にきれいに見えますね。
(中略)
 よく考えていただきたいのですが、スイス・フランが戦後あの低金利であれだけの強さを保ったのは預けたカネの氏素性が絶対にばれない・・・・・・という極めてダークな理由が原因だったわけです。
 それに比べれば日本はずいぶんと「上品」で、真実の価値を産み出し(現在価値)、今後も産み出し続けるという期待値が極めて高く(国民性、教育水準など)、借金も全部自分で賄っているわけですから、どう見てもこの国の通貨が弱くなる理由がありません。
 心配なのは政治力。
(本書より P50〜P54)



■新聞記事に騙されるな

 2012年2月2日の朝日新聞1面に以下のような記事が掲載されました。これが1面ですよ。

 銀行最大手の三菱東京UFJ銀行が日本国債の価格急落に備えた「危機管理計画」を初めて作ったことがわかった。数年後に価格が急落(金利が急騰)して金利が数%にはね上がり、損を少なくするために短期間に数兆円の国債を売らざるを得なくなることもある、としている。国債の有力な買い手がいよいよ「急落シナリオ」を想定し始めた。
 日本政府の借金総額は約1千兆円あり、このうち国債を発行して投資家から借りているのは約750兆円(昨年9月末時点、日本銀行調べ)。国債の9割兆は国内で買われ、4割を銀行が持っている。とくに三菱東京UFJ銀行はゆうちょ銀行を除いて最大の42兆円を持ち、国債を売買する債券市場への影響力が大きい。
 計画は昨年末にまとまった。日本の経済成長率や経常収支、為替など30指標をチェックし国債急落につながる変化があれば損失を軽くするために売却などの対応をとる。


 結論から申し上げると、これは極めて「筋の悪い」記事です。
 まず、何兆円も国債を保有している日本の大手銀行が、金利が上昇したときの対処法、リスクシナリオを想定するのは当たり前で、そんなことは何十年も前からやっているに決まっているではないですか。
 もしそうでなければ毎年やっている金融庁検査というのは、なにを見ているのでしょうか。
(中略)
 どう見ても、前後して発表されることになった「政府債務の金額が巨額である」ということを強調し、「消費税を上げないと大変なことになるぞ。大銀行でさえ急落シナリオに備えている!」という、誰かに指示されたマッチポンプ記事であることは明らかで、まあ「誰かに書かされた」記事といえるでしょう。
(本書より P126〜P128)



■日本崩壊の「神話」

本書の最終章では「日本はうまくいっている」ということを『2012年1月14日 ニューヨークタイムズ』に掲載された記事を用いて紹介しております。

 多少の楽観的な数字はあるものの、高失業率の継続など、この国(アメリカ)の行き詰まり感は明らかだ。
 繰り返し、なにが正しい道筋かという議論はあるものの、アメリカ人たちは日本を経済運営に失敗した悪しき前例だと、しばしば教えられる。例えばCNNのディヴィッド・グリーンなどが「日本はすでに脱落した国で、状況はどんどん悪くなっている」などと表現している。
 しかし、私にいわせると、それはまさに「伝説」の世界だ。ありとあらゆる尺度で見て日本軽罪は所謂「失われた10年」といわれる期間でさえ大変よくやってきたし、それは1990年の所謂「バブル崩壊」から見てもそうだ。むしろ最重要な尺度だけ見るなら、日本はアメリカよりも極めてよくいわざるを得ない。
 日本はリーマンショック以降でさえ、極めて裕福な生活水準を提供することに成功してきた。そしてすべての時代において、この期間(時代)は特筆すべき成功した期間として捉えられるだろう。
(本書より P243〜P244)



【感想】

暗いニュースが飛び交う中、話題の著書なぜ日本経済は世界最強と言われるのかを読んでみました。

著者のぐっちーさんはベアー・スターンズにてCDO(Collateralized Debt Obligation)を担当しております。CDOというと、サブプライムローン問題で一躍有名になったデリバティブ商品です。その組成には原資となるローン、債券、ソブリン債、クレジット・デリバティブなどを取り巻く状況(経済、政治等)を把握し、リスク算定した上で組み込むことが必要となります。それを考慮した上で組成されたCDOは3つのクラスに分けられ、販売されます。
 ・シニア債(安全性は高いが、利回りは低い)
 ・メザニン債(シニア債とジュニア債の中間ぐらい)
 ・ジュニア債(安全性は低いが、利回りは高い)
もっとも、リーマンショック以降は死んだも同然の商品なのですが....

そのような金融商品であるCDOの組成する中で政治・経済を見てきたぐっちーさんが書いた本書には
 ・世界最強通貨・円(YEN)
 ・世界一安全な日本国債
 ・韓国経済を生かすも殺すも日本次第
など、理路整然と「日本経済世界最強」論が書かれております。

例えば本書では「iPodの部品の40%が日本製だとか、ボーイング787の部品の45%が日本製だというのはアメリカではかなり常識的な知識として通っています」(本書より P15)とあります。半導体メーカーである東京エレクトロンのCMは、それを表す一例とも言えるでしょう。

・東京エレクトロン CM 「井戸端世界会議」篇


また、本書の最終章でも『2012年1月14日 ニューヨークタイムズ』に掲載された記事を用いて日本の立ち位置を紹介しております。

 日本の現在の圧倒的優位な立場を語るうえでは、その主要な競合相手であるドイツ、韓国、台湾そしてもちろん中国が、日本抜きでは存在できないことを見ればより明らかだろう。世界はこの20年間においては、東アジアにおける工業の革命的急成長のおかげで存在したといっても過言ではない。そして日本はそれらのなかで、いまだに貿易収支の黒字を増加させている。
 つまり日本はお手本として捉えられるべき存在であって、決して警告などと捉えられるべき存在ではない。もしある国が日本のようにあらゆる意志を統合する方向に導くならば、どんな絶望的な状況も有利な状況に変革することが可能なはずだ。
(本書より P253〜P254)


それを支えているのが「日本的価値観」です。本書に述べられている例をあげると
 ・1円1銭も間違えない
 ・丁寧な接客
 ・納期を守る気持ち
など。これらは日本人にとっては当たり前のことですが、「このような日本文化の支えがあるからこそ、世界がわざわざお金を出して買ってもらえる」と本書で述べているのをみると、日本人として誇らしく思えます。

ところが、日本のマスコミが流す情報を見ると「日本悲観論」一色です。

昨日(2012年11月1日)、シャープ、ソニー、パナソニックの決算発表が大きなニュースとなりました。特にシャープとパナソニックの巨額の赤字、パナソニックの株価がストップ安というニュースは、暗いニュースが多い中で「日本の製造業はもうダメなのか?」という印象を与えました。しかし、先のシャープ、パナソニックのような製造業を代表する企業が大赤字である一方で、JR東日本などの内需関連企業は健闘を見せております。

★決算集計(10月29日-30日発表分)

★決算集計(10月31日発表分)

だが、こういった情報はマスコミからはなかなか流れてまいりません。そのため、ますます暗い気持ちが蔓延してまいります。だが、本当に日本は悲観的な状況なのか?ぐっちーさんの見方は違います。本書の「あとがき」には以下のように書いております。

 毎日さまざまな経済ニュースが出てまいりますが、皆さま状況をしっかり把握されているでしょうか?
 本書を読み終えられたいま、メディアに対する見方がかなり変わったのではないではなかなと期待しております。
 さらに申し上げますと、日本人の強みを一番知らないのが日本人というのが、海外の共通認識です。皆さんが勝手に悲観論になっているだけで、アメリカにしても中国にしても、日本人の評判はものすごくよいのです。
 不幸なことに震災ではっきりしましたが、いまや日本経済なしに立ちゆく企業は世界中にないのです。
 世界中の債権の大多数を保有し、にもかかわらずどこかの国のように恫喝したりなにかを強制したりしない日本。一方では「あほ」といわれるかもしれませんが、この世知辛い世界にそういう国が1つっくらいあってもいいのではないでしょうか。
 そういう国の国民であることに誇りを持ち、毎日楽しく暮らせばよいことです。
(本書より P261)


本書が話題になり、ベストセラーとなっているのも「日本人に今までとは見方を示してくれる本」であると同時に、「日本人に勇気を与えてくれる本」だからではないでしょうか?

「なぜ日本国債は世界一安全なのか?」など書いている内容によっては金融マーケットや金融商品の知識がないと読み解くことが難しい個所もありますが、今までとは違った経済の見方を得ることができる面白い本だと思います。

(追伸)
「日本国債暴落」について、参考として以下のリンクを掲載いたします。識者によって見方が違うことがよく分かると思います。

村上龍が聞く金融経済スペシャリストからの回答
Q.1280
 ギリシャの債務危機以来、日本国債暴落のリスクが語られることが多くなった気がします。そもそも長期金利がどのくらい上昇すれば、「暴落」なのでしょか。またどんな状況において、「暴落」が起こると考えられるのでしょうか。


※2012-11-04追記
【マインドマップ】

image.png
拡大表示は以下のリンクをクリック!
なお、スマホでは綺麗に表示できないかもしれませんが、ご勘弁を(^^;)
なぜ日本経済は世界最強と言われるのか.html

そして、スマホの方は以下のリンクをクリック!マインドマップの内容を階層構造で表しました。
なぜ日本経済は世界最強と言われるのか.mm.html

※追記ここまで


【関連書籍】



なぜ日本経済は世界最強と言われるのか

1)本書の内容
 第1章 2013年、日はまた昇る
 第2章 世界最強通貨・円(YEN)
 第3章 世界一安全な日本国債の威力
 第4章 日本の投信、年金、株の真実とマスコミの嘘
 第5章 中国バブル崩壊 韓国の生殺与奪権
 第6章 日本神話、いまだ健在

2)本書から学んだこと
 ・円は現在「世界最強通貨」!
 ・日本神話、いまだ健在!
 ・マスコミ情報には注意が必要!



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posted by まなたけ(@manatake_o) at 00:42 | Comment(0) | TrackBack(1) | 経済/ビジネス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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