コミュニケーションの枠組みを捉えながら書かれた「本気でほめる」ための本!『あたりまえだけどなかなかできない ほめ方のルール』(谷口祥子著): ビジネス書のエッセンス(ビジネス書 書評ブログ)

2012年10月12日

コミュニケーションの枠組みを捉えながら書かれた「本気でほめる」ための本!『あたりまえだけどなかなかできない ほめ方のルール』(谷口祥子著)



あたりまえだけどなかなかできない ほめ方のルールを読んでみました。

谷口祥子さんは、現在、CTI認定コーチとして、パーソナルコーチングを中心に多方面にてご活躍されております。特に「ほめる」ことについて、本書以外にも何冊も著書を出されております。また、『コーチングフェスタ2012 in TOKYO 〜響き会う〜』でも登壇者として名を連ねております。

ただ、谷口祥子さんの本は書店ではよくお見かけしたものの、まだ読んだことがありませんでした。コーチングフェスタでの登壇をキッカケに実際に読んでみようと思い、本書を手に取ってみました。

本書のご紹介に当たって、今回は、【本書で印象に残ったメッセージ】【感想】【関連書籍】の構成で書いていきたいと思います。
※今回はマインドマップはありません。


【本書で印象に残ったメッセージ】

今回は本書で印象に残った個所を以下に掲載いたします。


■相手の才能を引き出すことができる

本書の第1章には「ほめるメリット」について書かれております。その中で特に印象に残ったのが、ナポレオン・ヒル博士について書かれたエピソードです。このエピソードを読むと、「ほめる」行為がいかに重要かが分かります。

 あの自己啓発プログラムの大御所、ナポレオン・ヒル博士に、意外な過去があるのをご存じでしょうか?世界100ヵ国以上に普及しているナポレオン・ヒル・プログラムの生みの親であるヒル博士は、鉄鋼王アンドリュー・カーネギー氏からの依頼で、なんと20年もの間、ヘンリー・フォード氏を始めとする成功者を取材し続け、成功哲学として体系化した人です。このような偉大な功績を残したヒル博士ですが、幼い頃には『札つきのワル』と呼ばれていた時期があったそうです。
 彼が『札つきのワル』だった少年時代を経て成功者となりえたポイントは、何だったと思いますか?実は彼の成功は、実母が亡くなってきた継母の愛情豊かなコミュニケーションのたまものだったのです。
(中略)
 自分の可能性を信じてくれる人の存在というのは大きいですね。ヒル少年は継母の『可能性を信じる』教育で、自らの才能に意識を向けることができ、新聞記者になりました。その仕事についたおかげで鉄鋼王カーネギーに見初められ、世界に名だたる成功プログラムを作り上げるに至ったのです。
 相手にマイナスのレッテルを貼ることは、本人が「何くそ」と、それをバネにして成長するきっかけにもなりますが、本人に成長したいという気持ちがなければ、その望ましくない状態をいたずらに助長してしまう危険性があります。
 それに対して『ほめる』という行為は、本人が自分の強みや魅力に意識を向けプラスの循環を引き起こすための、強力な起爆剤になります。相手の才能を引き出し成長を促すために、これを活用しない手はありません。
(本書より P22〜P23)



■相手に意識を向けよう

相手をほめるためには相手の良いところを見つけなければなりません。そのためには、「相手に意識を向ける」ことが必要です。「相手に意識を向ける」ことで、相手の気持ちを感じ取ることができます。

 社会的に成功している人たちは、『人が何を望んでいるのか』ということにとても敏感です。そうすることで多くの人たちが求める商品やサービスを生み出し、事業を成功させています。
つまり人のニーズをつかんで成功するには、自分にではなく他人に意識を向けることが絶対に不可欠なのです。
 ほめた時に最大の効果が発揮されるのは、それが相手のストライクゾーンに入る内容だった時。つまり相手が一生懸命取り組んできたことだったり、誇りに思っていることだったり、人から認められたいと強く願っていることをキャッチした時です。そんな風に相手の心にズバッとはまる言葉を選ぶには、いったいどうすればいいのでしょうか?
 最初のステップは『相手に意識を向ける』ことです。相手に意識を向けるといろんなことが分かります。どんな話題に興味があって、逆にどんな話題に興味がないのか。話すのがすきなのか、聴くのが好きなのか。話の中心でいたいのか、盛り上げ役に回ることを好むのか、など。
 逆に前述のように「何を話そうか」などと自分の中で考えごとばかりしていると、そういった相手のパーソナリティや傾向に気づくことができません。相手に意識を向けてその人の気持ちをしっかりと感じ取ることができると、相手のストライクゾーンに響く言葉でほめることができるのです。
(本書より P37)



■具体的にほめよう

相手に意識を向けることで、相手の良いところが具体的に見えてまいります。見えてきた良いところを「具体的にほめる」ことで、「私はあなたに気にとめていますよ」という相手へのメッセージとなります。

 日頃相手のことを気に留めてよく観察し具体的にほめていると、何か頼みごとがある時や、叱った時などにも相手に受け入れてもらいやすくなります。
 日頃あまり気にかけてくれない上司に「キミだからこそお願いしたい仕事なんだ」と言われたらどうでしょうか。それが面白みの少ない面倒な仕事だったら、押しつけられた感じもするかも知れませんね。でも、日頃から自分の働きぶりをしっかり観察してほめてくれている上司からのお願いだったらどうでしょうか。「この人の頼みなら引き受けてあげよう!」と思う可能性が高いはずです。
 相手とのキョリが近ければ近いほど、より具体的にほめることで「キミのことを気にかけているんだ」というメッセージとして相手に届くのです。
(本書より P109)



■「叱る」と「怒る」の違いを知ろう

「叱る」と「怒る」、この似たような2つの言葉には、とても大きな違いがあります。

 『絶妙な「叱り方」の技術』(明日香出版社)の著者である藤崎雄三氏は『叱る』ということを「上司や先輩として相手に期待し、善意の気持ちを持って相手に対峙すること」と定義しています。
人に何らかの改善要求をしたいと思う時には、不満や怒りが伴って当然です、しかしそのままただ感情的な言葉を相手に投げつけるのは、単に自分の感情をスッキリさせるための『怒る』という行為であり、相手を委縮させたり反発を招いたりする可能性があります。相手に期待し善意を持って『叱る』ためには、冷静になって効果的なアプローチを行う必要があります。そうすることで相手の成長を促したり、状況を改善したりすることにつながるのです。
(中略)
相手に期待し、善意を持って相手に向き合うために、ぜひ『怒る』のではなく『叱る』ことを実践しましょう。
(本書より P194〜P195)



【感想】

本書を一言でいうならば「本気でほめるために必要なことが書かれた本」です。

うわべだけで相手をほめても「ああ、この人は本気でほめていないんだな!」と相手に伝わってしまうもの!ほめるには「本気でほめる」、つまり「心から相手のことをほめる」ということが必要です。

では、こころから相手のことをほめるためにはどうすればよいのか?本書のテーマはここにあります。

本書を見てみると
 ・相手に意識を向ける
 ・相手の話を聴く
 ・相手に質問する
 ・etc...
など、一見「ほめる」とは関係のないように見えることも出てまいります。

しかし、「相手を本気でほめる」ためには「相手の理解」が前提です。「相手を理解」するためには、上記に書かれた「相手とコミュニケーションを取る行為」が必要となってまいります。本書が「人とよりよい関係を作るためのコミュニケーションスキル」という大きな枠組み(本書より P5)で捉えて書かれているのも、「本気でほめる」ためには「相手に意識を向け、相手とのコミュニケーションを取ることが必須」となるからです。「ほめるテクニックを単に述べたのではない。人とよりよい関係を作るためのコミュニケーション・スキルを述べている本」なのです。

ところで、著者の谷口さんは「ほめる」ことに関する本を多く出版されております。それは「ほめる」コミュニケーションを身に付けたことで、著者の人生を大きく変えたからだと思われます。そのことを推察できる文章が、本書の「まえがき」に書かれております。

 私は「どうすればもっと人から信頼されるんだろう?」「どうすればもっと人と仲良くなれるんだろう?」と20代の頃から思考錯誤してきました。
 そんな私が36歳の時にコーチングに出会って、180度人間関係が変わりました。
 それまで<どう話すか>ということばかりに意識を向いていた私が人の話にちゃんと耳を傾けるようになり、短時間で相手から信頼され心を開いてもらえるようになったのです。
 <どう話すか>ということばかり考えていると、意識が自分の方に向いてしまいます。ところが<相手の話を聴こう>と思うと、自ずと意識が相手に向くようになります。すると相手の表情や身振り手振り、声のトーンなどを通じて、さまざまな情報をキャッチすることができるのです。
 それらの情報の中には、こだわりや生き様といった相手の人間的魅力がいっぱい詰まっています。私は日常的に好奇心を持って相手の話を聴き、それらをキャッチすることで、相手を認める言葉やほめ言葉を会話に織り込むことができるようになりました。
 ほめ言葉には相手の人生を変えてしまうほどの大きな力があります。この度、私が2冊目の本を出版するご縁を頂けたのも、この「ほめる」コミュニケーションを身につけ、周りの人たちとの信頼関係を築くことができるようになったからだと思っています。
(本書より P4〜P5)


「ほめるコミュニケーション」を身につけることで人生を大きく変えることができた著者の「ほめ方」の本。それは、単に「ほめる」という行為のみだけではなく、「相手とのコミュニケーションをしっかりとる」ことを考えさせられる内容の本です。


【関連書籍】



あたりまえだけどなかなかできない ほめ方のルール

1)本書の内容
 1章 ほめるとどんなメリットがあるのか?
 2章 ほめ方の基本ルール
 3章 相手の何をほめるのか?
 4章 相手をどうほめるのか?
 5章 ターゲット&関係別のほめ方
 6章 変化球のほめ方
 7章 効果的な叱り方
 場面別ほめ言葉集 100フレーズ

2)本書から学んだこと
 ・「本気でほめる」ためには、相手に意識を向けることが必要!
 ・コミュニケーションを取ることで「ほめる事柄」が見えてくる!
 ・「ほめるコミュニケーション」は相手を変える大きな力を持っている!



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タグ:コーチング
posted by まなたけ(@manatake_o) at 01:54 | Comment(1) | TrackBack(0) | コーチング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
小笠原さん、こんなに濃厚な書評を書いてくださったのは、小笠原さんがはじめてです!!!ありがとうございます!!

小笠原さんの「いいものを多くの人に広めたい」という意気込みが伝わってきてとても感動いたしました。おかげさまでこの「あたりまえだけどなかなかできない ほめ方のルール」は私の著作の中でも一番ヒットしておりまして、20000部を突破しております。

この本を必要としている方のもとに情報が届きますことを心より願っております。

コーチングフェスタ、盛り上げてきますね^^
本当にありがとうございました。


心より感謝をこめて。

         ほめ方の伝道師・谷口祥子
Posted by 谷口祥子 at 2012年10月12日 21:42
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