「ハーモニー」が会社を活性化させる!『社員みんながやさしくなった(渡邉幸義著)』: ビジネス書のエッセンス(ビジネス書 書評ブログ)

2011年06月07日

「ハーモニー」が会社を活性化させる!『社員みんながやさしくなった(渡邉幸義著)』


社員みんながやさしくなった
  • 渡邉幸義
  • かんき出版
  • 1470円
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特例子会社アイエスエフハーモニーは2008年1月に設立された身体・知的・精神障がいのある方々を社員として雇用し、運営されている会社です。(社内では社員の方々をフューチャー・ドリーム・メンバー、FDメンバーと呼ばれているので、以下、FDメンバーと書かせていただきます)

そして、IT関連業務をメイン業務とし、2年目で黒字転換を果たした会社です。

今回取り上げた『社員みんながやさしくなった』には、本書の著者である(株)アイエスエフネットの渡邉幸義社長の
 ・アイエスエフネットハーモニーを立ち上げた思い
 ・アイエスエフネットハーモニーが与えた影響
が描かれております。

今回は上記2点を中心にレビュー記事を書きたいと思います。

【アイエスエフネットハーモニーを立ち上げた思い】
アイエスエフネットハーモニーの立ち上げの前に、アイエスエフネットが掲げる「大義」について書きたいと思います。

(株)アイエスエフネットが掲げる「大義」には「E&E(Eco & Employment )」と書かれております。これは 「限りある資源の有効活用と、意欲ある人たちの働く環境の創造をわれわれの使命とする」 (本書より)という意味です。
アイエスエフネットは、この「大義」を実現するために”5大採用”を行っております。なお、”5大採用”とは「障がい者、引きこもり、ニート・フリーター、ワーキングプア、シニア」の採用ということです。

彼らを採用する大きな理由の一つに渡邉社長のお母様の病気の際に発せられた医師の一言が今後の人生に大きな影響を与えております。

”私が26歳のとき、母は脊髄の病気にかかり、ほとんど半身不随になりました。60歳にもなていなかったのに、這ってトイレに行くような状態でした。いろいろな病院に行きましたが、どこも治せません。私はつらそうな母をみるたびに悲しくなり、自分の無力さを嘆きました。
 絶望的な状況のなか、すがるような気持ちで知人に紹介された東京の病院に行きました。始めて会った医師は、私にひとこと、
 「渡邉君、お母さん治るよ」
と言ったのです。そのときの喜びはなんと表現してよいかわかりません。あきらめかけていた母の病気が治る!絶望を希望に変えてくれた医師が、神様のように見えました。そのとき「これだ!」という思いが突然、湧いてきました。
「私も、絶望に直面している人に希望を与える人間になりたい」
と心の強く底から思ったのです。”(本書より引用)

この思いの実行が「大義」の実現である”5大採用”であり、”アイエスエフネットハーモニーの設立”です。

「障がい者、引きこもり、ニート・フリーター、ワーキングプア、シニア」の方々は、社会的に見ると弱者です。このような方々を積極的に採用をしていくことは社会的貢献につながっていきます。

しかし、企業である以上、利益を出し、会社を存続させていくことも企業の使命となっていきます。”アイエスエフネットハーモニー”の設立は、会社にとっても良い影響を与えているようです。

【アイエスエフネットハーモニーが与えた影響】
イギリスの科学雑誌『ニュー・サイエンティスト』が取り上げたようにアインシュタインがアスペルガー症候群だったというのは有名な話ですが、特別な能力を持っていると捉え方もできます。

FDメンバーでも前にいた会社では「仕事ができない」というレッテルを貼られていましたが、ハーモニーにおいては複雑なプログラミングの仕事に能力を発揮する方がおります。

人間はそれぞれ能力が違うものです。それぞれの能力、適正を見極めながら仕事を切り出し、与えていった結果、2年目で単年度黒字という結果に結びついたのだと思います。そして、この考え方はダイバーシティ戦略に通ずるものと思います。

ダイバーシティ戦略は「性別・国籍・社会的背景など、個々の社員が持つさまざまな違いを受け入れ、価値として活かすことで競争力の向上を目指す」考え方です。日本でも注目を集めましたが、実践できている企業はほとんどないと思われます。

しかし、ワークライフバランスの記事でも述べた通り、今後、日本の企業は社員の働き方を真剣に考えなければならない時期に差し掛かっています。例えば、高齢化が進む中で「企業を支えるミドル層が介護をしながら働かざるをえない状況」などが考えられます。戦力となるミドル層が介護のために今の制度の中で企業で十分働けなくなることも考えられます、そのとき、企業はどうするのか?今、企業が突き付けられた問題が垣間見えます。

アイエスエフネットハーモニーの事例は、ダイバーシティ戦略実践において、今後の企業における参考になるのではないかと思われます。

そして、これが一番大きな影響ではないかと思うのですが、「社員がやさしくなった」という言葉です。

職場では「あいさつがない!」「協力できない!」など、乾燥した空気が流れているように感じます。そしてそれが社員を内向きにさせているような感じがします。そうなると企業に活力がなくなってまいります。

「社員がやさしくなった」ということは「他人への思う心がある」ということです。そういう意味では意識が自分ではなく、他者に向いているということです。他者に向いているということは「他者が何を思っているのか」、ひいては「お客様が何を求めているのか」を感じ取ることができるということです。その意味では「”社員がやさしくなった”ことで”良いハーモニーがうまれてきている”のではないかと思うのです。

アイエスエフハーモニーも含め、ディズニーや星野リゾートなど注目を集めている企業は、「良いハーモニーが生まれている企業」ではないかと感じました。

社員みんながやさしくなった

1)本の内容
 1章:なぜ障がい者を雇用するのか
 2章:障がい者雇用にかける情熱
 3章:努力が支える感動の劇場
 4章:小さな取り組みが多くの人を動かす
 5章:社会に貢献する企業であり続けたい
 6章:雇用イノベーションを目指して

2)この本から学んだこと
・仕事への適正などを見極め、社員の個性を活かすことが大事!
・他人を思いやる心が顧客を思う心につながる!


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タグ:渡邉幸義
posted by まなたけ(@manatake_o) at 22:54 | Comment(0) | TrackBack(0) | 渡邉幸義 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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