ビジョナリーカンパニー3(ジェームズ・C・コリンズ著)(その1): ビジネス書のエッセンス(ビジネス書 書評ブログ)

2011年03月07日

ビジョナリーカンパニー3(ジェームズ・C・コリンズ著)(その1)




今回は『ビジョナリー・カンパニー3 衰退の五段階』を取り上げます。


ビジョナリー・カンパニー3 衰退の五段階』は、これまでのビジョナリーカンパニーシリーズとは趣きが異なり、「偉大と称された企業が、なぜ没落したのか?」ということをテーマに扱っております。そして、没落した企業の中には、かつて『ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則』で”偉大な企業”と称された企業も含まれております。


調査方法は、基本的には『ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則』や『ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則』と同じで、「対象となる企業と比較対象企業との比較」により調査を行っております。ただし、今回の調査で導きだそうとする内容は「成功企業と衰退企業の違いを通して学べる点は何か?」(本書より)ということです。

その結果、衰退企業は以下の5段階を経て衰退し、最後は倒産、身売り、もしくは凡庸な企業になってしまったとしております。

その5段階というのは以下の通りです。

【衰退の5段階】※本書より抜粋
 第一段階 成功から生まれる傲慢
  ・傲慢になり、成功を続けるのは自分達の当然の権利かのように考える
  ・成功をもたらした基礎的要因を見失う

 第二段階 規律なき拡大路線
  ・規律ある想像性から逸脱し、偉大な業績をあげられない分野に規律なき形で
   進出する
  ・卓越性を維持しながら達成できる以上のペースで成長する
  ・この両者を同時に行う

 第三段階 リスクと問題の否認
  ・悪いデータを小さく見せ、良いデータを強調し、曖昧なデータは良く解釈する
  ・議論は低調になるか、まったく見られなくなる
  ・リスクを取ったときの結果を考えずに行動する
 
 第四段階 一発逆転策の追及
  ・一発逆転策にすがろうとする
   (カリスマ的な指導者、大胆だが実績のない戦略、劇的な企業文化の変革など)
   ⇒当初は業績が良くなったように見えるが、長続きしない

 第五段階 屈服と凡庸な企業への転落か消滅
  ・財務力が衰え、士気が低下し、経営者は偉大な将来を築く望みを全て放棄する


この流れを見ると「日本でも、かつて優良企業と評された企業においても当てはまる例は多いのではないか?」と思えてしまいます。

私がこの流れを見て、まず思ったのが「かつて栄華を誇った”銀行”」です。

例えば、”長銀”や”日債銀”といった銀行は、かつて誰もが羨むエリート銀行でした。しかし、バブル崩壊後、自律を失い、低迷し、そして外資に買い取られていきました。しかし、これらの銀行も、バブル時代は「土地さえあれば”ジャブジャブ貸し付け”をしていた」状況でした。こうしてみると、崩壊の第一歩は”栄華を誇ったバブル時代”にあったのかもしれません。上記の段階で見ると、「バブル時代が”崩壊への第一段階”」と言えると思います。

こうしてみると、「”かつて栄華を誇った企業がなぜ崩壊したのか”を上記の段階で見ることができるのではないか?」、そして「上記の階段を踏んでいる企業は、今どの段階におり、そこから脱出するにはどうすればよいのか?」という”反面教師”として使えるのではないか?と思いました。

次回は、第一段階から第三段階を、もう少し詳細に見ていきたいと思います。


今回の最後は、本書に書かれていた以下の言葉で締めたいと思います。

「組織は外形をみれば強力だと思えても、内部では病が進行していて、急速な衰退に向かう瀬戸際の危うい状態になっている場合がある」
(『ビジョナリー・カンパニー3 衰退の五段階』より抜粋)


ビジョナリー・カンパニー3 衰退の五段階

1)本の内容
・第一章:静かに忍び寄る危機
・第二章:衰退の五段階
・第三章:第一段階 成功から生まれる傲慢
・第四章:第二段階 規律なき拡大路線
・第五章:第三段階 リスクと問題の否認
・第六章:第四段階 一発逆転の要求
・第七章:第五段階 屈服と凡庸な企業への転落か消滅
・第八章:充分に根拠のある希望

2)この本から学んだこと
・ビジョナリーカンパニーでも衰退の危機が訪れる
・衰退は五段階のステップを踏む
・最初の危機は”成功ゆえの傲慢”から生まれる



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posted by まなたけ(@manatake_o) at 22:52 | Comment(0) | TrackBack(0) | ビジョナリー・カンパニー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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