コーヒーとサンドイッチの法則(竹内正浩著)(後編): ビジネス書のエッセンス(ビジネス書 書評ブログ)

2011年01月20日

コーヒーとサンドイッチの法則(竹内正浩著)(後編)


1)本の内容(取り上げた範囲)
・第4章:喫茶店でサンドイッチを
     売っているのはなぜか?
     ・範囲の経済戦略
・第5章:保険引受で赤字の保険会社が
     利益を出すのはなぜか?
     ・キャッシュフロー戦略
・第6章:なぜ、多くの会社が
     提携するのか?
     ・戦略的提携

2)この本から学んだこと
・「範囲の経済戦略」は身近なところで
 行われている戦略である
・6つの戦略の要諦を知ることにより、
 ビジネスの基本を知ることができる

今回も前回に引き続き『コーヒーとサンドイッチの法則』を取り上げます。


前編では以下の3点
 1)顧客収益性戦略
 2)顧客維持戦略
 3)製品ライン戦略
について本書を見ましたが、後編は
 4)範囲の経済戦略
 5)キャッシュフロー戦略
 6)戦略的提携
について見てみたいと思います。


【範囲の経済戦略】
まず、「範囲の経済」とありますが、これは何を指すのでしょうか?本書では「既存の資源を活用するため、費用を節約しつつ、売上を増加させること」と定義しております。

例を用いて説明しましょう。

スターバックスやドトールといったコーヒーショップではコーヒーのみならず、サンドイッチも売っております。コーヒーショップにおいて顧客の滞在時間は長いもの。売上をあげるためには回転率を高めるのが効率的なのですが、コーヒーショップでは回転率を高めることを行うと顧客の「落ち着いていきたい」という心理に相反することになるため、そのような戦略はとりづらい。従って、取りうる戦略は「滞在時間の長い顧客に、いかに多くのものを買ってもらうか?」ということになります。
そのためにはメニューの拡充が不可欠。そこで飲み物だけではなく、コーヒーショップにあったサンドイッチやホットドックといった商品を置くことによって、「売上の最大化を図る」という戦略に出ております。

本書を読んで思ったのが「マクドナルドの”セットメニュー”も範囲の経済戦略を用いたものではないか?」ということです。以下は私の仮説で書いております。

マクドナルドの場合、顧客の大半はセットメニューを注文します。
ここで注意したいのが「セットメニューの内容はハンバーガーとポテトとドリンクの組み合わせ」ということです。

「原価ベースで見るとハンバーガーの原価はポテトやドリンクの原価に比べると、圧倒的に高い」と思われます。従って”原価の高い商品と原価の低い商品を組み合わせ、値段の上で割安感を出すことによって、一度の商機で複数の商品を同時に注文させることにより、顧客1人あたり最大限の売上と利益を確保している”ものと思われます。これは「範囲の経済戦略を用いた典型的な例」です。

このように見ていくと、日常の生活で接するお店のなかでも範囲の経済戦略を用いた例は多いと言えそうです。


【キャッシュフロー戦略】
経営の上で重要になってくるのが”キャッシュフロー戦略”になります。

通常の商売の場合、掛取引が一般的です。
仕入れの”代金支払い”から売上の”代金回収”まで間が開くことが一般的です。
このため、「間をつなぐための資金が必要」になるわけです。

しかし、この資金調達がうまくいかないと、「黒字であっても倒産する」という事態が発生します。

よって、キャッシュフロー戦略が重要となってくるわけです。

本書で紹介されているキャッシュフロー戦略としては以下の3つです。

 1)キャッシュフローの第一原則
  (在庫を抑え、支払いを延ばし、回収を早める)
 2)バーター(例:ストックオプション)
 3)フロート(代金回収を代金支払いよりも先に行う)

今回は”3)フロート”についてご紹介します。

”フロート”の戦略を行っている代表的な例は”デルモデル”です。
デルの基本モデルは受注生産です。流れとしては以下の通りです。

 @Webや電話で顧客より注文を取る
 A顧客の代金支払い
 B製造の開始
 Cサプライヤーに部品代の支払い 

この流れをみるとAで顧客から代金を受け取り、Cでサプライヤーに代金を支払っております。本書によると、その期間(AからCの間)は36日。その間、顧客から受け取った代金は”フロート”となることを意味しております。ちなみに、日本の企業の場合、AとCが逆になるケースが多く、その期間は約1ヶ月ほど。いかにデルのキャッシュフローがよいかが分かります。


【戦略的提携】
最後は戦略的提携です。よく行われているので”言わずもがな”なのですが、ちょっと見てみましょう。

本書では、戦略的提携のメリットとして、以下の4つをあげています。

 1)競争的優位
 2)コスト削減
 3)売上増加
 4)信頼性の獲得

ここでは”4)信頼性の獲得”の代表的な例を本書で見てみます。

本書では、その代表的な例として「IBMとマイクロソフトの提携」をあげております。

1980年、IBMはパーソナルコンピュータ分野への参入を決めます。このとき、CPUやOSといった基幹部分を”外部調達”によってまかなおうとしました。そして、CPUはインテルより、OSはマイクロソフトより調達しました。

当時、マイクロソフトはまだベンチャー企業。しかし、IBMのパソコン市場の成功と共に、”信頼性”という無形資産を獲得し、現在のような世界有数のソフトウェア会社になっていったのです。


「売上をいかに最大化するか?」「利益をどのように確保するか?」という視点から見ると、さまざまな工夫がされていることが分かります。おそらく本書に書いている内容は基本的な概念なのでしょうが、このことを知っていると知らないのとではビジネスモデルを見る見方が大きく変わっていくでしょう。

基本的な戦略を知るには分かりやすい本ではないかと思いました。

コーヒーとサンドイッチの法則

本書のキーワードをFreeMindでマインドマップにまとめました。
コーヒーとサンドイッチの法則.png
また、以下のリンクをクリックすると、拡大表示されます。
コーヒーと サンドイッチの法則.html


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タグ:竹内正浩
posted by まなたけ(@manatake_o) at 16:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | 竹内正浩 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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