ビジネス書のエッセンス(ビジネス書 書評ブログ)

2014年07月07日

読者に「元気」と「勇気」と「前に進む力」を与えてくれる本!『人生は見切り発車でうまくいく』(奥田浩美著)



本書人生は見切り発車でうまくいくをひと言で言うと、「読者に寄
り添い、読者の背中をやさしく押してくれる本」
である。

自己啓発の多くの書は「やりたいことを決めよ!」という指導書的な記述が多いが、本書はそうではない。もちろん本書にも、厳しい言葉もあるが、基本的には著者の「大丈夫だよ!」という愛のメッセージが散りばめられているように感じる。そんな「大丈夫だよ!」というひと言が、読み手に「元気」を与え、「勇気」を与え、そして「前に進む力」を与えてくれる。それが端的に表れた文章を以下に紹介したい。

 私は生きているうちにどれだけ「ありがとう」の数を集めたかで、人間の価値は決まってくると思います。かならずしも「勝利」「成功」の総量だけで決まるものではないのです。
 以前、元力士の高見盛の出演する缶コーヒーのCMが話題になったことがありました。「誰もが、勝利者になれるわけではない。ただ・・・・・・この惑星には、愛されるという勝ち方もある」というナレーションが入ったCMです。
 私はこれを見て、まさにその通りだと思いました。能力の上下、地位の上下といった旧来の価値以外に、仕事の世界でも、いや仕事の世界だからこそ「愛された回数」「感謝された回数」といった基準を持ちこんでみてもいいと思うのです。
(中略)
 では、愛されるということはどういうことでしょうか。感謝されるとは、どういうことでしょうか。
 果たして、「いい子」でいることでしょうか?
 そうではありません。「いい子」でいようとするから苦しくなりますし、「こうでなければならない」という価値観に苦しめられている若い人はたくさんいます。
 それは親の価値観や周りの価値観に染まっていて、導かれる正解・あるべき姿が一つだと思っているからではないかと思います。親や周囲が描いた舞台の中で主役でいられれば成功!という風に刷り込まれているのだと思います。
 そもそも、親が描いた舞台・会社が絵が描いた舞台があなたの生きていくべき舞台でしょうか?その舞台で主役になることを本当に目指すべきなのでしょうか?
 そういったことからまず考えてみると、舞台を変えるきっかけができるかもしれません。
(本書より P227〜P229)


この上記の言葉には、著者が、自身の人生の邂逅から感じた思いも含まれているように思う。本書に書かれている著者の人生を見ると、必ずしも「能動的」に動いてきたばかりではない。「受動的」に動かざるを得ない状況からスタートしたことも赤裸々に語られている。その中には、苦い経験や辛い思い、そして痛みもあったと思う。それゆえに、著者は人と接することを通じて、困っている人がいたらアドバイスを送り、そして助けながら生きてきたのだと思う。ITスタートアップの界隈では、著者は「女帝」と呼ばれているが、それは「多くの方に愛されているゆえの呼称」なのであろう。

私の知人の多くは著者を知っている方が多いが、残念ながら私は著者とは面識はない。しかし、本書を読むと、著者の”愛”や”やさしさ”を感じる。それゆえに、読み終えたときには、本書に書かれている言葉がスッと自分自身の中に入り、自分自身を自然体で見つめ直す示唆を与えてくれる。そして、著者のメッセージである「見切り発車こそが、やりたいことを実現する最短ルート」であると感じさせてくれる。

誰もが先見えぬ不安を感じているときがある。しかし、そんなときだからこそ、自分の本当の想いの種を見つけることができる。本書は、先見えぬ不安に、違った視点と気付きと光を見出させてくれる本であると感じたと同時に、じっくりと向き合いながら継続して読んでいきたいと思った本でもある。


【本書のポイント】

■悩むくらいならさっさと試そう

 「選択に費やす時間を検証の時間に振り替えよう」というのが、私の口癖です。
 選択とは、「Aにしようか、Bにしようか・・・・・・ああ、どっちにしようかなあ」と悩むことです。「選択する」ためには、「悩む時間」が必要なのです。
 私はこの、選択に悩むことに時間を取られるくらいなら、「行動と検証の時間」に振り替えたほうがずっと効率的だと思っています。
 たとえば、赤い服と青い服と黄色い服があるとします。どの服が似合うのかな・・・・・・と悩んでいる暇があったら着てみようということです。
 たとえ洋服のようにすぐ試せないものでも、まずはやってみる。何か試すという行動を起こすことで、自分の軸が見えてくることがあるからです。
 人生は決められた選択肢しかないわけではありません。選択にあれこれ悩むより、まずは何かしら試しながら自分の気持ちを探るという方法もあります。
 選択に悩む前に行動して検証したほうが、驚くくらいあっという間に答えが見つかることが多々あります。一歩進めば、見え方も変わり、悩んでいたときに見えていたものとは違う世界が見えてきます。自分が進むべき世界は、自分が見えている範囲しか存在しないわけではないのです。
(本書より P28〜P29)


■「ちょっとだけ」の積み重ねがチャンスにつながる

 人生、いつ何が起こるかわかりません。
 ですから、「これはひょっとしてチャンスかな?チャンスにつながらないかもしれないけど何か動けるかも」と少しでもおもったら、そのときが動くべきときかもしれません。
 「即行動」というと、大げさにとらえる人がいますが、「ちょっとでも動けそうだと思ったら、ちょっとだけ動く」という感じでかまいません。
 人は通常、「まあもう少し様子を見てみよう」などと、なかなか動こうとしないものです。
 けれども、「ちょっとだけ動いてみる」という条件反射を身につけることで、その後の展開が天と地ほど変わってくることがあります。動いた分だけ視界が変わり、少ししか見えていなかったチャンスの扉が見えてくるのです。そして「ちょっとだけ」の積み重ねがチャレンジャー気質を生むことにもつながります。
 また、動くことで、周りがこちらに視線を送ってくれるようになります。いつもフットワーク軽く動いている人には、人から注目も集まるので、ちょっと動いただけでも、賛同して協力しようという人がたくさん集まってきます。
 もちろん、最初の動きくらいでは注目してくれません。コツコツと動いて、コツコツと成果を出している人を見てくれるのです。ですから、動かないままで最初から察してもらえるほと世の中は甘くはありません。動きもしないで、成果を得られることなど、あり得ないのです。
 さらに、注目される経験が豊富な人は、さらに動きの回数を増やし、どんどん動きを速めているはずです。ちょっと動いてみて、「あ、これは違ったな」とか、「今はこれ以上は踏み込めないな」と軌道修正していることと思います。
 そうした体験は、その後の有益なデータになります。
 動かないデメリットはあっても、動くことにはメリットしかない
(本書より P53〜P55)


■ピンチこそ、多くのことに気づけるチャンス

 ピンチになると突然何も考えられなくなる人や逃げてしまう人がいますが、とんどもないことです。ピンチはむしろ、成長するうえで欠かせないイベント。自分の立ち位置を改めて確認し、自分の行動を俯瞰して見ることができる貴重なチャンスです。
(中略)
 ピンチと思えるということは、解決に向けて動き出そうとしている証拠です。
 そもそもピンチの実感がないと、危機に気づくことすらできません。また他人ごとと感じていると、そこまでピンチは感じないことでしょう。「ピンチだ!」と思った時点で、どう解決するか考えているわけですので、多くの発想が得られる絶好の機会ともいえます。
(中略)
 ピンチをきっかけに、何がうまくいっていて、何がうまくいっていないのか、物事をいろいろな視点から見ることになります。ときには周りの人も巻き込みながら、今まで見たことのなかった角度から自分の仕事を見ることで、新たな発見が生まれるのです。
(中略)
 もちろん、こうしたピンチに対するさまざまな視点は、普段ただ何となく暮らしているだけでは手に入りません。ピンチを乗り越えるためには、こういった発想をする、ある種の訓練が必要です。

1.何がピンチだと感じているのか?
2.それによって何が困るのか?自分が困るのか?人が困るのか?
3.このピンチがなかった場合、自分が伝えたかったこと、やりたかったことは何か?
4.ではそれを最短で叶える行動は何か?
5.それに向かってどう行動するか?


 こんな風に考える訓練を繰り返すことで、ピンチが起こっても、冷静に見ることができるようになります。
 人によって出くわすピンチのレベルはさまざまですが、右の5つのことに沿って行動していけば、きっと解決できるようになると思います。そして私のように、ピンチと聞くと、「大事なことを考え直すチャンスだ」と、逆にワクワクするようになります。
(本書より P122〜P127)


【関連書籍】



人生は見切り発車でうまくいく

1)本書の内容
 第1章 結果を出す人がやっている「見切り発車」とは
 第2章 今日から結果を出す! 発車するときの工夫
 第3章 壁を感じたときにどうするか?
 第4章 「見切り発車」で仲間を増やす方法
 第5章 「見切り発車」で想いを形にする人たち
 第6章 10年後も生き残るための「見切り発車」

2)本書から学んだこと
 ・「ちょっとだけ」動く習慣が、大きなチャンスにつながる!
 ・違和感こそ、自分を成長させる起爆剤になる!
 ・ピンチは自分を成長させる絶好の機会!


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posted by まなたけ(@manatake_o) at 20:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 人生/生き方/生活 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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