
リーン・スタートアップ ―ムダのない起業プロセスでイノベーションを生みだす
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『リーン・スタートアップ ―ムダのない起業プロセスでイノベーションを生みだす
』を読んでみました。
発売から2週間で4万部を突破した本書は、大きな反響を呼んでおります。その証拠に、本書の著者であるエリック・リース氏が来日したときの講演会の模様はテレビ東京系列「ワールドビジネスサテライト」でも放映されました。
私も現在読んでいる途中ですが、「これは一つの記事にまとめるのは難しそうだな」と思うほど内容の濃い本です。そのため、各パートに分けて記事を掲載したいと思います。今回は「第1部 ビジョン」を取り上げます。
本書のご紹介に当たって、今回は、【本書のポイント】【感想】【マインドマップ】【関連書籍】の構成で書いていきたいと思います。
【本書のポイント】本書のポイントを以下に記述します。
■リーン・スタートアップの5原則本書の「はじめに」には、
リーン・スタートアップの5原則が書かれております。リーン・スタートアップの5原則とは以下の通りです。
●リーン・スタートアップの5原則
1.アントレプレナーはあらゆるところにいる
2.起業とはマネジメントである
3.検証による学び
4.構築―計測―学習
5.革新会計■「構築―計測―学習」を通じて舵取りを行う本書の「はじめに」には、リーン・スタートアップの5原則が書かれております。リーン・スタートアップの5原則とは以下の通りです。
●リーン・スタートアップの5原則
1.アントレプレナーはあらゆるところにいる
2.起業とはマネジメントである
3.検証による学び
4.構築―計測―学習
5.革新会計本書では、上記の5つの原則について、3部構成にて説明しております。
■「構築―計測―学習」を通じて舵取りを行う リーン・スタートアップでは、さまざまな仮説に基づいて複雑な計画を立てるのではなく、構築―計測―学習(Build-Measure-Learn)というフィードバックをハンドルとして継続的に調整を行う。ピボット(pivot/方向転換)をいつすべきなのか、そろそろすべきなのか、いまの方向性を維持して辛抱(persevere)すべきなのかは、この操縦プロレスを通して学ぶことができる。順調にエンジンの回転が上がったあと、スケールアップして事業を成長させるわけだ。その方式もリーン・スタートアップ方式には用意されている。
(本書より)
スタートアップのためには
「ビジョン(vision)」「戦略(strategy)」「製品(product)」が必要です。本書では、それぞれを以下のように定義しております。
・ビジョン(vision)スタートアップのための目的―繁栄し、世界を変える事業を構築する
・戦略(strategy)ビジョンを実現するためのビジネスモデル、製品ロードマップ、提携企業や競合他社の視点、予想される顧客など
・製品(product)戦略から生み出される成果物
ただ、状況の変化に応じて
戦略の変化(ピボット)、製品の最適化(エンジンのチューニング)を行う必要が出てまいります(とはいえ、ビジョンが変わることはめったにない)。さまざまなチューニング(ときにはピボット)を行いながら、アントレプレナーは事業を目的に到達させることが仕事となります。
■アントレプレナーとスタートアップアントレプレナーというと、一般的には
「新規に会社を立ち上げ、事業を行う“起業家”」というイメージがあります。しかし、本書では大企業で働く「イントレプレナー(企業内起業家)」もアントレプレナーと呼んでおります。これは著者が「リーン・スタートアップをさまざまな企業や業界に応用してきた結果、一般に思われているほどアントレプレナーとイントレプレナーには違いがなく、共通点が多い」(本書より)と思うようになったからです。
さて、本書においてスタートアップとはどのように定義されているのでしょうか?本書ではスタートアップを以下のように定義しております。
スタートアップとは、とてつもなく不確実な状態で新しい製品やサービスを創り出さなければならない人的組織である。
(本書より)
■学び現代は「不確実な」時代です。そのような状況の中でスタートアップした場合、変化に応じて「ピボット」あるいは「チューニング」を行う必要があります。適切に「ピボット」や「チューニング」を行うためには、
「学ぶ」ということが必要となってまいります。
では、どこから何を学ぶのか?
それは
「顧客」から「価値があるものは何か?」を学ぶということです。
著者は
「検証による学び(validated learning)」を以下のように述べております。
私は、スタートアップにとって学びは進歩に欠かせないものだと考えるようになった。顧客の望みを学ぶためにどうしても必要なもの以外の努力はなくてもいい。これを私は「検証による学び」と呼ぶことにした。スタートアップにとってもっとも重要な尺度に照らして必ず改善になるものだからだ。
(本書より)
■実験著者は
「スタートアップは大きな実験」と述べております。
一番のポイントは、どのような業界であれスタートアップは大きな実験だとかんがえることだ。「この製品を作れるか」と自答したのでは駄目。いまは、人間が思いつける製品ならまずまちがいなく作れる時代だ。問うべきなのは「この製品は作るべきか」であり「このような製品やサービスを中心に持続可能な事業が構築できるか」である。このような問いに答えるためには、事業計画を体系的に構成要素へと分解し、部分ごとに実験で検証する必要がある。
(本書より)
この実験の目的は
「ビジョンを中心に持続可能な事業を構築する方法を明らかにする」(本書より)ことにあります。
本書の「第4章 実験」には世界最大のオンライン靴店である「ザッポス」の創業者であるニック・スインマーンの実験が載っております。
スインマーンは実験からスタートすることにした。まず、靴をオンラインで買う顧客がいるという仮説をたてる。そしてその仮説を検証するため、近所の靴店に頼んで在庫品の写真を撮影させてもらった。撮った写真はウェブに掲載し、それを誰かが買ってくれたらお店の売値で買うからといって。
(中略)
ザッポスが行った実験からは、十分な数の顧客が靴を買う、あるいは買わないという、明快で定量的な結果が得られた。同時に、現実の顧客や提携先を観察する、彼らとやりとりをする、彼らから学ぶなどが行える位置に自らを置くことになった。定量的なテストには、このように定性的な学びを組み合わせる必要がある。スタートアップはおどろくほど小規模だったが、だからといってザッポスの大きなビジョンが実現しないことにはならない。その証拠としては、2009年にザッポスが電子商取引の巨人、アマゾン・ドット・コムに推定12億ドルで買収された事実があれば十分だろう。
(本書より)
【感想】いや〜、
非常に「面白い!」かつ「内容の濃い!」本です。本書は300ページ以上もあるボリュームのある本ですが、テンポよく読むことができます。それは、翻訳者である井口耕二さんの翻訳、そして文章力が大きいと思います。
井口耕二さんの訳書というと『
スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン―人々を惹きつける18の法則
』や『
スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション―人生・仕事・世界を変える7つの法則
』が思い起こされます。これらの本もボリュームのある本でしたが、テンポよく読むことができました。しかも内容が濃い本です。『
スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション―人生・仕事・世界を変える7つの法則
』は、先に発表された『ビジネス書大賞2012』で『優秀翻訳ビジネス書賞』を受賞したことでもお分かりでしょう。
●ビジネス書大賞2012http://biztai.jp/prize.html今回は「第1部 ビジョン」を取り上げましたが、その中で印象に残ったのは
「起業とはマネジメントである」という一文です。
「起業する」というと、どうしても「ハイリスク!ハイリターン!」というイメージが付きまといます。そして、不確実さゆえに「マネジメントできない!」という思いがあります。多くのベンチャー企業も「時代の寵児」となったものの、その後、環境の変化に対応できず、消滅してしまった企業も多くあります。特に、2000年頃の「ドットコムバブル時代」には多くの企業が華々しく登場しては消えていきました。
著者のエリック・リース氏もドットコムバブル時代に初めてスタートアップをさせ、そして失敗を経験したのでした。
10年前、私もすいう人間で、自分にとって初めてのスタートアップを切りまわしていた。そのころのことで、いまもよく覚えている瞬間がある。この会社は倒産すると気づいた瞬間だ。会社を一緒に立ちあげた友だちも私も次に打つべき手に窮していた。ドットコムバブルが崩壊し、資金が底をついた。必死で資金調達を試みたが駄目。ふたりは雨降る道で言い争っていた−ハリウッド映画なら別れのシーンになりそうな情景だ。その場所からどちらに行くべきかにさえ合意できず、怒りを胸に、お互い背を向けて歩き去った。雨の中、何をすべきかもわからず別れた我々は、崩れていく会社の姿そのものだと言えた。
(中略)
このアイデアはたしかによかったが、それでも、我々の前には失敗しかありえなかった。なぜならそのようなアイデアを核にすごい会社を作るために必要な方法論を知らなかったからだ。
(本書より)
しかしその後に著者はIMVUの共同創業者として、そして最高技術責任者として関わり、そして大成功をおさめるのでした。リーン・スタートアップは、日本の「トヨタ生産方式」を起源とした「リーン生産方式」をIMVUの活動の中で活用していきました。その意味では
「リーン・スタートアップ方式は、生きた体験をもとに理論化された起業プロセス」と言えるでしょう。読んでいく中で
「生きた体験が本の中に表れている」ような気がいたしました。
何度か
「生きた体験を表した本には、言葉に力が宿っている!」と感じたことがあります。読者が「おもしろい!」と感じる本も、そのような本だと思います。それは、
「言葉の力」によって読者に何かを感じさせるからでしょう。
本書もそのような「言葉の力」を持っている本だと思います。
とはいえ、まだ第1部のみ!しかし、それだけでも【本書のポイント】に書き表した文章は、かなりのボリュームになってしまいました。「第2部、そして第3部の記事を書いたときの文章量はどのくらいになっているのだろう?」と思うと、少しゾっとしました(苦笑)
次回は、本書の核心にあたる「第2部 舵取り」について書きたいと思います。
【マインドマップ】後日追記いたします。
【関連書籍】
小さく賭けろ!―世界を変えた人と組織の成功の秘密
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リーン・スタートアップ ―ムダのない起業プロセスでイノベーションを生みだす
1)本書の内容 はじめに 第1部 ビジョン 第1章 スタート 第2章 定義 第3章 学び 第4章 実験 第2部 舵取り 第5章 始動 第6章 構築・検証 第7章 計測 第8章 方向転換(あるいは辛抱) 第3部 スピードアップ 第9章 バッチサイズ 第10章 成長 第11章 順応 第12章 イノベーション 第13章 エピローグー無駄にするな 第14章 活動に参加しよう
2)本書から学んだこと ・起業とはマネジメントである! ・スタートアップはとてつもなく不確実な状態で新しい製品やサービスを創り出さなければならない人的組織である!
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posted by まなたけ(@manatake_o) at 00:38|
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